ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
秋のGIシリーズは、GIマイルCS、GIジャパンCと2週続けて歴史的な名馬が有終の美を飾りました。僕はスポーツの観点から"強い馬が強い競馬を演じる"のが好きで、この2週間は勝ち馬の強さに素直に感動しました。グランアレグリア、コントレイルとも、引退するのが惜しいくらいの強さでした。
一方、馬券という面で見れば、低配当での決着が続いたことで、一攫千金を狙っていた競馬ファンにとっては物足りない結果だったかもしれませんね。そういったファンにとっては、今週のGIチャンピオンズC(12月5日/中京・ダート1800m)は、心躍る一戦と言えるのではないでしょうか。確固たる本命馬が不在で、どの馬からでも狙っていけるような、稀に見る大混戦のレースだからです。
そんなレースにあって、人気を集めそうなのはソダシ(牝3歳)。芝GI2勝の"白毛のアイドルホース"で、初のダート戦にもかかわらず、断然の1番人気が予想されています。通常、GIで初めてダート戦に挑む馬が1番人気になることは考えにくいのですが、今年はそれだけ混戦ということ。そして、馬券検討においては、まずはこのソダシの取捨が最大のテーマと言えそうです。
僕はそのソダシについて、期待よりも不安のほうが大きい。それが、正直な思いです。
過去、ダート初挑戦がGIという臨戦で馬券圏内(3着以内)に好走したのは、トゥザヴィクトリーのみ(2001年のGIフェブラリーS3着)。こうしたデータからも、初ダートがGIという難題をクリアするのは決して簡単なことではありません。