アイドルグループ「アイドリング!!!」の元メンバーで、競馬番組などで活躍する横山ルリカさんに、今年最初の古馬中距離GI大阪杯(4月3日/阪神競馬場・芝2000m)について展望を聞いた。

横山ルリカ、大阪杯は「データが通用しないかも」。有力馬の傾向...の画像はこちら >>

競馬通として専門番組や雑誌、新聞で活躍している横山ルリカさん

過去10年のデータが通用しない?

横山ルリカ 昨年度の年度代表馬エフフォーリア(牡4歳)と、上がり馬のジャックドール(牡4歳)の初対決は見どころですよね。順当なら、この2頭で決まるかなと思っています。



 例年のBコースでは阪神・内回り2000mというのは、4コーナーで絶対に前のほうにいないといけないコースですが、昨年と今年はAコースということで過去10年の脚質のデータがどこまで通用するかわかりません。

 ただエフフォーリアに関しては自在性のある馬なので、ポジションもある程度融通が効くのは強みですね。ドバイでのレースを視野に入れず国内専念ということですが、横山武史騎手の1週前追い切りのコメントは「有馬記念の1週前よりはいいと思うけど」という、完調手前と思うような感じでしたので、そこは気になります。

 馬場もコースも不問ですし、いろんな条件を問わないで好走できているので、死角があるとしたら、調子と、初の関西への長距離輸送だけかなと思います。最終追い切りとジョッキーや陣営のコメントを聞いたうえで、本命にするか対抗にするか悩んでいます。

 ジャックドールは、GⅡ金鯱賞(中京・芝2000m)でレコードタイムを出したあとの中2週で、反動がどうかということと、週中の雨、日曜も阪神は雨予報ということが気になります。


 もし晴れて馬場が悪くならなければ、スピードが持ち味のジャックドールには追い風という感じがします。同じような脚質のパンサラッサ(牡5歳)がドバイに遠征してくれたのも、ハイペースでの競い合いによる共倒れを回避できる意味でよかったと思います。何がなんでもいきたい馬も見当たらないし、競ったら共倒れになってしまうと思わせる持ち味があるので、そこが強みですね。

 筋肉質でゴツいせいか、すごいスピード馬という感じはしないですが、ラップを見たらけっこうえげつなかったりしますよね(笑)。各馬がポジションを上げたいところでさらに突き放せるので、ダイワスカーレットとタイプとしては似ているのかな? 金鯱賞も重賞初出走でどうなのかなと思いきや、ラップもすごくよかったですし、大阪杯を勝てるだけの時計だと思うので、あとは雨だけ降らないでほしいです。

 自分の競馬に徹して単騎で逃げられる形になるのが、現役最強馬を倒す条件として最大のチャンスという気がします。

降雨は大きなポイントになる

 雨が降ってしまうと、レイパパレ(牝5歳)とかアカイイト(牝5歳)とか浮上してきそうですよね。これにポタジェ(牡5歳)あたりが3番手候補で悩みます。あとは、そこにアリーヴォ(牡4歳)を入れるかどうか。

 レイパパレは去年の勝ち方がすごすぎた一方で、それからは距離が自身の適性よりも長いところや、香港遠征では輸送の影響があったりで、勝ち星から遠ざかっています。ですが、昨年の覇者でこのコースはすごく合っていると思います。

 前走の金鯱賞は、ジャックドールと同じ斤量で、休み明けながら0秒4差。小柄な牝馬が56kgを背負って休み明けで2着と好走していて、今回も川田将雅騎手が騎乗しますし、2、3着には絶対入れておきたい馬です。



 アカイイトは阪神で3勝ですが大阪杯の傾向で見ると、脚質はちょっと不利なのかも?  でも、前回は思ったよりも位置取りが後ろではなかったですし、幸英明騎手も後ろからいかなくても3着と結果を出せたことに前向きなコメントを出されていました。

 大阪杯を目標にするというのも金鯱賞前から言っていましたので、100%になるように逆算してのレースだったとしたら、今回に向けて収穫のある内容だったと思います。エリザベス女王杯がフロック視されていますが、GⅠ有馬記念も7着と悪くありませんでした。何か追い込んでくるとしたら、この馬だと思います。追い切りも1週前でもすごくダイナミックな動きで中身もできていそうだったので、メイチの仕上げということで、馬券には必ずいれます。

 ポタジェは力がありながらも、勝つまでの決め手では他の馬のほうがひとつ上だったり、強いメンバーと戦ってきて惜しい競馬が続いていますが、堅実ですね。
ディープインパクト産駒というのはこの大阪杯ではいいと思います。金鯱賞も位置取りが厳しいなかで、よくあそこまで詰めてきたなと思いました。内を引いて好位でロスなく運べれば、この馬も2、3着には来ると思います。スパっと切れるタイプではなく、好位につけてうまく競馬ができそうです。

今回のレースは「本当に迷ってます」

 悩ましいのがアリーヴォですね。過去5勝が全部小倉ですが、2000mも1勝クラスを突破した時に、1分57秒5で走っています。

舞台は違いますが、ジャックドールとタイムでは0秒3しか違わないというのもあるので、時計勝負になっても対応できそうです。

 また、小倉は意外とタフな馬場になる競馬場で、1月からの開催でも、馬場が相当傷んでいたなかで勝ったので、そういう意味では、今の阪神もタフなので適性的にありですし、意外と小倉専用と決めつけて切るのはもったいない馬かなと思います。C・ルメール騎手から武豊騎手に乗り替わりとなりましたが、武騎手の大阪杯の成績が7勝で過去10年で2・2・0・1とけっこう怖かったりもします。

 あとは、前走復活勝利を願って応援していたキングオブコージ(牡6歳)も応援しています。前走からリフレッシュされ、距離短縮でもまたゴール前の強襲を見せてくれるのではないかと期待しています。

 意外なのが、金鯱賞の2~4着馬が0・0・0・8と、一度も馬券に絡んでいなくて、ここにレイパパレ、アカイイト、ポタジェが入ってきてしまうんですよ。
そうなると私の馬券はどうなるの?とも思うのですが、ただ先行できる馬に関しては、話は別なのかなと(笑)。

 有馬記念で、前で競馬をしていた2019年のキセキ(2着)や2017年のキタサンブラック(1着)が馬券になっていますが、有馬記念で中団よりも後ろで競馬していた組はここで好走していないんですよね。エフフォーリアは、そこに当てはまってしまうのですが、そこは自在性があるのでデータを崩してくれるのではないかと期待しています(笑)。

 金鯱賞の勝ち馬の成績もいい反面、金鯱賞で逃げた馬の成績はいまひとつ、だけど、逃げた馬はそもそも人気薄だったので、じゃあジャックドールには関係ないか、とか。あとは、天気が鬼悪だと去年のようなこともあるので、毎日天気予報は見ています(笑)。

 いつも迷って迷って「これが絶対!」というのが言えなくて申しわけなく思っていますが、まずは大阪杯で幸先よく予想を的中させたいです。

【profile】
横山ルリカ(よこやま・るりか)
1991年9月27日、神奈川県生まれ。アイドルグループ「アイドリング!!!」の元メンバー(2015年10月に卒業)。『めざましテレビ』のリポーターを経て、現在は『めざまし8』(フジテレビ)の情報キャスターを務める。『競馬予想TV!』(CS・フジテレビONE)はアシスタントとして出演。サンケイスポーツ『サンスポZBAT!』重賞予想コラム「ルリカの当たりますよ~に!!!」(毎週日曜掲載)を担当するほか、TOKYO FM「TOKYO TEPPAN FRIDAY supported by Ginza Sony Park」(毎週金曜15時~生放送)にレギュラー出演中。