サッカー界の「ドラ1」選手たち GK&DF編
サッカー界で、来季のプロ入りが内定、またはプロ入りを狙っている「ドラ1」級の選手たちを紹介する。まずはGK&DF編から。
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上林 豪(かんばやし・ごう)
明治大学→セレッソ大阪
GK/2002年8月18日生まれ/187cm、84kg
抜群の安定感を誇る大学屈指のGKで、名門・明治大学にあってもその存在感は群を抜いている。まさに"守護神"の名にふさわしいGKだ。的確なセービング、攻撃の起点となるロングフィード、状況判断力と絶え間ないコーチング、そして強いメンタル。GKに求められる能力を高いレベルでバランスよく兼ね備えている。
今季はシーズン開幕前にケガを負い、約5カ月にわたり試合から遠ざかることに。しかし、他のGKを客観的に見られたことで「自分にも傑出した武器が必要」と痛感。もともと評価の高かったシュートストップ、セービングに磨きをかけて、古巣・セレッソ大阪に舞い戻る(C大阪U-18出身)。
(ささき・ともたろう)
昌平高校
GK/2007年3月23日生まれ/189cm、74kg
FC LAVIDA時代は出場機会を得られなかったが、高校入学後も伸び続けた身長は189cmまで到達。ポテンシャルの高さを買われ、昨年から定位置を掴んだ。高身長を生かしたハイボール対応以上に光るのはシュートストップで、長い手足を駆使して相手の決定機を阻止する。
今年はU-17日本代表にも選ばれた守護神の注目度は高く、すでにJクラブの練習参加も経験済み。現在は「サッカーだけではなく日常生活の取り組みなど、ピッチ外でのサッカーと向き合う姿勢は自分自身に足りない部分が多かった」と食事や睡眠にもこだわり、サッカー選手としてのさらなる成長を目指している。
(あらき・るい)
ガンバ大阪ユース→ガンバ大阪
GK/2007年10月14日生まれ/194cm、85kg
常に飛び級で上のカテゴリーの年代別日本代表に選出されてきた俊英は、まだ高校2年生にもかかわらずトップチームとのプロ契約締結が発表されている。194cmという長身を生かしたハイボール対応は言うに及ばず、シュートストップ時の反応速度と勇敢さも特筆もの。ガンバアカデミー出身らしく、足元のうまさも兼ね備えている。
7月にはパリ五輪に臨むU-23日本代表のトレーニングパートナーに指名され、小久保玲央ブライアンや野澤大志ブランドンからも刺激を受ける貴重な経験も。日本の未来を担い得る逸材であることに疑いの余地はない。
(いなむら・はやと)
東洋大学→アルビレックス新潟
DF/2002年5月6日生まれ/182cm、72kg
特別指定選手として参加したルヴァンカップでは、内定先のアルビレックス新潟を初の決勝進出に導いた。今、もっとも注目されている大学選手といっても過言ではないだろう。
貴重な左利きのセンターバックであることに加え、正確で丁寧な配球は稲村の武器のひとつだ。ビルドアップやインターセプト、ロングフィードなど、稲村を攻撃の起点とする展開は少なくない。特筆すべきは好不調のない安定感で、それは東洋大学の試合でも新潟の試合でも変わらない。新潟サポーターは、そんな稲村のプレーに熱狂的な応援を送り、来季のプロ入りを待ちわびている。
(くわた・たいせい)
中京大学→柏レイソル
DF/2002年8月26日生まれ/185cm、80kg
高校時代は全国大会とは無縁で、年代別日本代表歴もなし。
「エリートには負けない」という強い気持ちをもって臨んだ大学での全国大会では、パワー任せではなく、チーム全体をコントロールするクレバーなプレーで関東の"エリート"たちを封じ込めた。まだまだ伸びしろが見込める、まさに未完の大器だ。
(たどころ・りお)
帝京高
DF/2006年4月8日生まれ/187cm、84kg
187㎝の高さとともに光るのは、ロングフィードの精度とビルドアップ能力で「足元はインターハイに出ているチームのセンターバックのなかでは誰にも負けない」と自信たっぷりだった。高さと足元を兼ね備えた選手として評価され、中学時代から年代別日本代表の常連だったが、出場機会を求めて高2になったタイミングで川崎U-18から帝京高校への移籍を決意した。
以前は守備のアグレッシブさが課題だったが、「帝京に入って、上の年代になればなるほど守備が評価されると強く感じるようになった」ということで、守備強度を上げられるようになった。10月には年代別日本代表への復帰を果たし、高卒でのプロ入りを視野に入れている。
(つちや・かいと)
川崎フロンターレU-18→川崎フロンターレ
DF/2006年5月12日生まれ/181cm、74kg
1年時から高円宮杯プレミアリーグで試合出場を重ねる、世代屈指のセンターバックが味わったひとつの重要な転機は、昨年のU-17W杯。スペインやアルゼンチンの同年代のアタッカーと対峙したことで、自身のなかでの基準が大きく跳ね上がった。
来季からはこの先のステージで彼らと再会する日を見据えながら、「高井(幸大)選手もそうですけど、日本を代表するようなDFの選手がフロンターレからどんどん出ているので、まずはチームに欠かせない選手になるということを目標として頑張っていきたいと思います」とトップチームでの成長を誓っている。
(やまだ・かいと)
ヴィッセル神戸U-18→ヴィッセル神戸
DF/2006年8月31日生まれ/192cm、70kg
192cmというサイズ感に見合った空中戦の強さと、チームが志向する丁寧なビルドアップで培われた確かな技術も完備している、まさに現代型センターバックだ。今季は本来のキャプテンの長期離脱を受け、どの公式戦でも一貫してチームキャプテンを任されてきたことで、リーダーシップの部分でも大きく成長。下級生が並ぶディフェンスラインを逞しく統率している。
昨年秋にはクラブが提携しているアストン・ビラへの短期留学も経験。アカデミー期待の才能は来季からトップチームへと活躍の場を移し、さらなるステップアップを狙う。
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