【血統表で特に目立つ1頭は?】
10月27日(日)、東京競馬場で3歳以上馬によるGⅠ天皇賞・秋(芝2000m)が行なわれる。
GⅠジャパンC(東京・芝2400m)、GⅠ有馬記念(中山・芝2500m)へと続く秋の古馬三冠の第1戦。今年はドウデュース、タスティエーラと2頭の日本ダービー馬、昨年の三冠牝馬リバティアイランド、昨年の皐月賞馬ソールオリエンス、昨年の天皇賞・春を勝ったジャスティンパレス、今年の大阪杯を勝ったベラジオオペラと6頭のGⅠ馬が揃い、ハイレベルな争いが予想される。
血統的視点からこのレースを占っていこう。今回の出走馬の血統表を見て、ひと目で気になった存在がマテンロウスカイ(セン5歳、栗東・松永幹夫厩舎)だ。
父モーリスは、本馬と同じ5歳時の2016年にこの天皇賞・秋を勝利しており、母の父スペシャルウィークも1999年の勝ち馬。祖母の父トニービンは一昨年と昨年の勝ち馬イクイノックスの祖母の父で、2021年の勝ち馬エフフォーリアも母系に持っている血だ。なお、エフフォーリア(父エピファネイア)はモーリスと同じロベルト系直系で、スペシャルウィーク、サドラーズウェルズを持つ血統構成はマテンロウスカイと似ている。
マテンロウスカイは今年のGⅡ中山記念(中山・芝1800m)の勝ち馬。東京コースでは4戦して勝利がないが、メイS(芝1800m)でクビ差の2着、GⅢエプソムC(芝1800m)で3着と好走歴がある。全5勝中3勝が1800mではあるが、2000mでも小倉の新馬戦で5馬身差の圧勝があり、距離も問題はないだろう。
この春は中山記念の後に海外遠征してGⅠドバイターフに出走したが15着と大敗。松永幹夫調教師によると、輸送で体調を崩してしまい、大レースに挑むような状態ではなかったようなので度外視していいだろう。
そこから約半年、デビュー以来最長の休養をとって臨んだ前走のGⅡ毎日王冠(東京・芝1800m)は、勝ち馬から0秒5差の8着。着順こそ悪いが、直線では前が詰まってしまい満足に追えない状況だった。
【キタサンブラック産駒にも期待】
もう1頭はソールオリエンス(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)に期待する。父は2017年の勝ち馬キタサンブラックで、一昨年、昨年の勝ち馬イクイノックスと同じ。同じ距離のGⅠ皐月賞(中山・芝2000m)を勝っており、東京コースでは新馬戦(芝1800m)を勝ってGⅠ日本ダービー(芝2400m)でクビ差2着、2戦1勝2着1回という好成績も残している。
昨年のGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)で3着になった後は、有馬記念8着、中山記念4着、GⅠ大阪杯(阪神・芝2000m)7着といいところがなかったが、前走のGⅠ宝塚記念(京都・芝2200m)では2着と好走して久々に存在感を見せた。父やイクイノックスの走りから、この血統は4歳秋からが本領発揮が期待できるだけに、さらなる強さを見せてくれるかもしれない。
以上、今年の天皇賞・秋は、モーリス産駒マテンロウスカイ、キタサンブラック産駒ソールオリエンスの2頭に父仔制覇を期待したい。