【最も注目の血を持つ馬の出走はゼロ。どこに注目する?】
12月28日(土)、中山競馬場で2歳馬によるGⅠホープフルS(芝2000m)が行なわれる。
昨年の勝ち馬であるレガレイラが12月22日のGⅠ有馬記念を制し、一昨年の勝ち馬ドゥラエレーデもGⅠチャンピオンズC3着。勝ち馬が3歳以降も活躍を見せており、チェックしておきたいレースだ。
孫のレガレイラが勝ったように、近年の有馬記念はハーツクライの血を持つ馬の活躍が目立っているが、このホープフルSでもその傾向は共通している。2017年タイムフライヤー(父ハーツクライ)、2020年ダノンザキッド(父ジャスタウェイ)、2023年レガレイラ(父スワーヴリチャード)が勝利し、2018年はアドマイヤジャスタ(父ジャスタウェイ)が2着、2019年にはワーケア(父ハーツクライ)が3着に入っている。
しかし、今年はハーツクライの血を持つ馬がいない。こういう時は見方を変えてみよう。ハーツクライ自身は父サンデーサイレンス、母の父トニービンという配合。サンデーサイレンス産駒は多く存在するため、ハーツクライの血統的特徴としてはトニービンをポイントに挙げたい。
今回、トニービンの血を最も濃く持つのがショウナンマクベス(牡2歳、美浦・武市康男厩舎)で、祖母の父にこの血を持っている。
同馬はそれ以外の血統も魅力的。
リオンディーズは父として、GⅠ天皇賞・春(京都・芝3200m)を制したテーオーロイヤルのほか、この2歳世代では朝日杯フューチュリティS2着のミュージアムマイルを輩出している。ちなみにミュージアムマイルは、ショウナンマクベスと同じようにサンデーサイレンスのクロスと、母系にトニービンを持つ血統構成である。
ショウナンマクベスはここまで3戦2勝。6月の東京・芝1600mの新馬戦を逃げ切ったあと、GⅢ札幌2歳S(札幌・1800m)は8着と敗れたが、前走の百日草特別(東京・芝2000m)は好位追走から非凡な瞬発力と勝負根性を見せて勝利した。ホープフルSのコースは直線の短い中山競馬場だけに、前めで競馬できるのは強みで、2000mの距離に不安がないのもいい。あまり注目度も高くなく、マークが厳しくなさそうなのも好都合。大駆けに期待だ。
【もう1頭はキタサンブラック産駒】
もう1頭はピコチャンブラック(牡2歳、美浦・上原佑紀厩舎)を推す。父キタサンブラックの産駒ソールオリエンスは昨年のGⅠ皐月賞馬で、母の父ネオユニヴァースも皐月賞馬。さらに母の全兄アンライバルド、いとこヴィクトリーも皐月賞馬と、中山・芝2000mとは極めて縁の深い血統馬だ。
実力もかなりのもので、7月の福島・芝2000mの新馬戦は逃げて2着に7馬身差をつける圧勝。
以上、今年のホープフルSは、リオンディーズ産駒ショウナンマクベス、キタサンブラック産駒ピコチャンブラックの2頭に期待する。