【活躍馬は続けて出てくる可能性大】
1月26日(日)、中京競馬場で4歳以上馬によるGⅡプロキオンS(ダート1800m)が行なわれる。
このレースは、昨年まで東海Sとして開催されていた重賞レース。昨年と2020年は京都競馬場で行なわれており、中京・ダート1800mで開催されるのは2013年から11回目となる。
レースを血統的視点から占っていこう。今回は"血の勢い"をポイントに進めていきたい。
競馬の世界では、活躍馬が輩出された種牡馬や牝系から、連鎖的に活躍する馬が続けて出てくることがよくある。昨年の種牡馬でいえば、ハービンジャー産駒からチェルヴィニア(GⅠオークス、GⅠ秋華賞)、アルマヴェローチェ(GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ)、ニシノデイジー(JGI中山大障害)と3頭のGⅠ馬が誕生。牝系では、ステレンボッシュ(GⅠ桜花賞)、アーバンシック(GⅠ菊花賞)、レガレイラ(GⅠ有馬記念)の同世代のいとこ3頭がGⅠを勝利した。
"旬の血統"を狙うのも血統馬券の戦法のひとつだが、そのような視点から推奨したいのがカズペトシーン(牡5歳、栗東・池添学厩舎)だ。
父ルーラーシップは、香港GⅠクイーンエリザベス2世C(芝2000m)を勝った芝中距離ホース。産駒はGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)を制したキセキなど、当初は芝中長距離タイプが多かったが、昨年はソウルラッシュがGⅠマイルチャンピオンシップ(京都・芝1600m)を勝つなど"芝マイル"での活躍が目立つようになってきた。
ダートの重賞勝ち馬はおらず、JRAのダート重賞で馬券に絡んだのは2頭だけ。しかしそのうちの1頭がこのカズペトシーンで、前走のGⅢ武蔵野S(東京・ダート1600m)で2着に入っている。同レースは、「東京コース」「1600m」「重賞挑戦」とすべてが初めてだったが、それまでダート8戦で6勝、2着2回とほぼ完璧な成績を残していたエンペラーワケアに次ぐ2着と好走している。
ルーラーシップ産駒はほかにも、同じ5歳のフリームファクシが、昨年暮れから今年にかけてコールドムーンS(ダート1400m)を4馬身差で、すばるS(ダート1400m)を3馬身差で圧勝と、中京ダートのオープンクラスを2勝している。
カズペトシーンは、母系も最近の活躍馬が多い。いとこの仔で現在6歳のアーテルアストレアが、昨年の地方交流GⅢスパーキングレディーC(川崎・ダート1600m)など重賞で3勝を挙げていて、半姉ステラフィオーレ(父ロードカナロア)も現役オープン馬。1歳下の半弟エストレヤデベレン(父エピファネイア)も、現在7戦3勝と注目の存在だ。
父系、母系の勢いに加え、カズペトシーン自身も上昇ムード。前述のように、前走は重賞初出走で2着と好走。前々走、3走前は中京・ダート1800mのレースで連勝しており、今回は得意コースに戻るだけに期待できる。
【もう1頭は地方重賞で活躍中の血からピックアップ】
もう1頭はミッキーヌチバナ(牡7歳、栗東・高橋亮厩舎)を推す。父ダノンレジェンド産駒は昨年、ミッキーヌチバナがGⅢアンタレスS(阪神・ダート1800m)を、ハッピーマンが地方交流GⅡ兵庫ジュニアグランプリ(園田・ダート1400m)を勝利。地方重賞は全種牡馬のなかで最多の18勝だ。
加えて、ミッキーヌチバナと同牝系のアンモシエラが、地方交流GⅠJBCレディスクラシック(佐賀・ダート1860m)を勝利と、牝系の勢いも申し分ない。
以上、今年のプロキオンSはルーラーシップ産駒カズペトシーン、ダノンレジェンド産駒ミッキーヌチバナに注目する。