この記事をまとめると
■クルマに関する盗難事件において、ナンバープレートの盗難被害が目立っている



■加工が容易い1、3、8、9などの数字のナンバーが狙われやすい



■盗難防止の専用ボルトが市販されているのでそれを取り付けるほか有効な対策はない



盗まれているのは車両本体だけではない!

最近は物騒な世の中になっていて、クルマ関係でいえば盗難は珍しいことではなく、高級車を中心にニュースになっている。ただし、昔から車両盗難、そして車上荒らしはあって、定番といったら語弊があるがお馴染みではある。対して、最近とくに注目が集まっているのがナンバープレートの盗難で、一見するとなぜ盗まれるのかよくわからない。



まずデータから見てみると、令和5年では部品盗が1万4310件発生(以下すべて認知件数)していて、そのうちの6311件がナンバー盗。つまり、半分弱がナンバーであり、その割合は徐々に増えていて、平成20年前後は30%ぐらいだった。ただし、部品盗、そしてナンバー盗の件数自体はそれほど変わっていない。たとえば平成16年では部品盗はなんと11万2161件もあり、そのうちナンバー盗は37.2%、4万1735件であった。



盗まれやすいのは1・3・8・9! いまナンバープレートの盗難...の画像はこちら >>



そしてここからが本題で、なぜナンバーは盗まれるのか。



まず、最近増えているのが海外での販売。海外の通販大手であるeBayのアメリカサイトを見てみると、日本のナンバープレートが出てくる出てくる。その多くはイミテーションで、長野が野長になっていたりと、日本人ならすぐに偽物とわかるかわいいレベルだが、同様にすぐに本物とわかるものも大量に出品されていて、なかには字光式ナンバーもあったりする。



盗まれやすいのは1・3・8・9! いまナンバープレートの盗難が増えていた
字光式ナンバープレートのイメージ



これらは日本的なカスタムスタイルであるJDM向けとなっていて、ドレスアップパーツの1種という扱いだ。ちなみに前後セットで売られていているものもあり、後ろ用だったものには封印の跡が付いているものもある。



ナンバープレート盗難には有効な対策がない

基本的にナンバープレートは、廃車にしたり名義変更したりすると返納しなくてはならないもの。抜け道的に車検を取らず、自動車税を払わない車両はナンバーが付いたままで、それを購入して海外に合法的に持ち出すという手もあるが、そんなに大量に出てこないだろうし、写真を見る限り、多くのナンバープレートはとてもきれいで、数字からすると最近のものばかりだ。



海外のブログを見ると、日本に行ったついでに盗ってきた的な記述を見ることがあるので、個人で盗んでいる例もあるだろうし、当然、国内にブローカーがいて盗んでは送っていることもあるだろう。



JDMという用語はそもそも最近のものだし、海外での日本車人気も同様。それ以前のナンバー盗難は別の理由があって、もっとも多かったのは盗難車の移動のため。道路上にはあちこちにナンバーを自動で読み取って犯罪に関連していないかをチェックするNシステムがあるので、そのままで走っていると盗難が発覚する可能性が高い。そこでナンバーを付け替えるわけだが、これもまた盗んだままだと、被害届が出されている場合、Nシステムに反応するので危険となる。



盗まれやすいのは1・3・8・9! いまナンバープレートの盗難が増えていた
道路上に設置されたNシステム



そこで盗んだナンバープレートを加工して、それを車両盗難に使うのだが、ここでポイントとなるのが加工しやすい数字が狙われやすいということ。1、3、8、9あたりで、少し足したり消したりするだけで別の数字にできるものだということがわかる。



ということで、希望ナンバーで取るのはやめろ、とまではいわないが、注意したほうがいいだろう。



盗まれやすいのは1・3・8・9! いまナンバープレートの盗難が増えていた
複数枚のナンバープレート



もっとも、注意といわれても「ナンバープレートなんて簡単に外せるだけにどう注意すればいいのか」と思うかもしれない。じつはナンバー専用の盗難防止ボルトが売られているので、それに付け替えるというのがポピュラー。というか、それくらいしか手はないのでまずは交換だ。



やろうと思えば盗難防止ボルトを外すのはじつはそれほど難しくないが、泥棒が一番イヤがるのは面倒なことなので一定の効果はあるだろう。

気になる人はぜひ交換しておいてほしい。

編集部おすすめ