この記事をまとめると
■デコトラは違法改造車だと思われてしまうケースが多い■デコトラを車検に通すことは難しくない
■デコトラ=違法改造車という考え方は古い
マナーを守って運転をしている改造車オーナーは多い
多種多様の改造車が街道筋を駆けている、自動車大国ニッポン。その大半がマフラー交換を伴う改造スタイルであるため、自動車に興味がない人たちからすれば改造車は目障りな存在として映ることだろう。
空ぶかししかり、急発進しかり。
やんちゃなクルマがやんちゃな運転をしていると、かっこ悪いだけである。むしろやんちゃなクルマがマナーよく走っているというそのギャップが、カッコイイのである。
そのような人たちこそ本物のクルマ好きであり、改造が好きなのだろう。情熱と大金を注ぎ込んで仕上げた愛車を事故でツブしたくないため、安全運転を心がけているのだ。世間から冷たい目で見られやすい立場である改造車のオーナーこそ、節度を持ったドライブを心がけてほしいものである。
では、なぜ改造車は世間から悪く思われてしまうのだろうか。大半の理由は、マフラーの変更による騒音にあるのだろう。そのようなマフラーで空ぶかしなどの荒っぽい行為を繰り返していながら、気に入ってもらおうというのが無理な話である。だからこそマナーが要求されるのだが、そもそも自動車に興味がない人からすれば「改造車はどれも暴走族と同じだ」という考えすらもっているかもしれない。
また、「改造車はすべて違法だ」と考えている人も存在するのだが、じつのところはそうでもない。
暴走族の場合は大きな音を出すために、マフラーの消音器(サイレンサー)を外してあるケースが多い。いわゆる直管マフラーというものが好まれているが、保安基準では96dB以下と規定されているため、保安基準に適さない場合が多い。逆の見方をすれば、96dB以下のマフラーであれば、車検を通すことができるということでもある。ただし、有害物質である一酸化炭素や窒素酸化物などを無害にする役割を担う触媒装置のないマフラーは、音量にかかわらず当然のごとく違法改造となるため注意が必要だ。
公認車検を取得するデコトラは平成の時代から存在していた
日本の文化として知られるデコトラは、過激なビッグパーツや派手な電飾などで装飾されているため、違法改造車だと思われてしまうケースが多い。しかし、ド派手なデコトラであればあるほど、合法改造車である可能性が高い。車検のたびに飾りを外すよりも、構造変更をするほうが得策だからである。

また、貨物車であれば毎年車検になるのだが、キャンピングカーや事務室車の場合は、2年ごととなる。そのようなメリットが存在するため、プライベートでデコトラを所有している人の多くは、正規の手法で車検を取得している。突起部分に緩衝材を取り付ける必要性がある場合も存在するが、毎回飾りを外すことを考えたらラクなものだろう。そのほか、電飾部品にも細かな基準が設けられているが、それさえクリアしてしまえば、デコトラで車検をとおすことは意外にも難しくないのである。

公認車検を取得するデコトラは、平成の時代から存在していた。飾りを装着したときの寸法で、構造変更をしてしまうというやり方だ。そうすることで軽トラの場合は普通車と同じ区分に変更されてしまうが、2トンの箱車では同じ1ナンバーの範囲内で収まるため、構造変更によって生じる変化はない。仕事車の場合は飾りの重さ分だけ最大積載量が減らされてしまうため、注意が必要だ。
ともあれ、デコトラ=違法改造車という考え方は、もう古い。すべてのデコトラが合法なのだとはいわないが、すべてが違法改造車だと決めつけてしまうのも誤っている。その部分を理解しながら、デコトラという文化に触れて欲しいと願う次第である。