ラリー・ドイツ直前の国沢さんに密着!
WEB CARTOPでもおなじみの自動車評論家、国沢光宏さんがWRC(世界ラリー選手権)に挑戦! WRCといえばラリーで世界最高峰の競技……ということはモータースポーツに疎い私でも知っている。そんなすごい舞台に出場するというのは一体どういうことなのか?
今回、8月22日(木)~25日(日)に開催される第10戦ラリー・ドイツ取材のチャンスを得た新人編集部員篠田が、渡航直前の国沢さんに直撃取材を敢行した!
篠田:国沢さん、今回はよろしくお願いします。そもそも、ラリーとレースって何が違うんですか?
国沢:なんと! WRCの取材をするというのに、そんなことも知らないのか! 簡単に説明すると、ラリーは一般道を封鎖して1台で思いっきり走ることができる競技。
ラリーでは全開でタイムを争う競技区間のスペシャルステージ(SS)と呼ばれるエリアと、そうでないエリアがある。SSとSSの間はリエゾンといい、一般車も通行する行動を走行して移動するため、交通ルールを守らなければならない。
篠田:確かに、ラリーの動画を見ていると全車にナンバープレートがちゃんとついていました。
国沢:ラリーカーの規定なんかはレギュレーションで細かく決められているけれど、基本的なルールでいうと、競技中はコマ図(順路や規定の速度などが書かれたもののこと)に沿って走ることくらいかな。
篠田:なるほど、難しく考えすぎていたのかもしれません。最近ではトヨタのヤリス(日本名:ヴィッツ)が世界の強豪を相手に健闘しています。このヤリスもそうですが、WRCではコンパクトカーが多いですよね。
国沢:色々と条件はあるけれど、速さを競うのに、たとえばミニバンで参加しても意味がないでしょ。
篠田:言われてみるとそうですね……。ラリーって泥道やジャリ道を全開で駆け抜けるイメージがあります! そういうシーンだと、ミニバンでは走りにくいですよね。
ラリーには未舗装路(グラベル)と舗装路(ターマック)のふたつのコースがある。開催地によってそれぞれ道の形状が異なるため、ラリー車にはそれぞれのコースに適したパーツの装着が求められる。
観客たちのお楽しみ! 競技中のトラブルもラリーの醍醐味
篠田:最近、ラリー取材の勉強のためにWRCの動画をよくみているのですが、競技中に横転したりクラッシュしたりとトラブルがありますよね。クルマが壊れたらその場で直してもいいんですか。
国沢:もちろん! だから競技車両に工具などは積んでいて、乗っている僕らがクルマを直すことはある。けれど、ルール上では競技中にドライバーとコ・ドライバー以外の人間が車両に触るのはご法度。海外の動画などを見ているとコースのギリギリまで寄って見ている人や、横転したときに観客がコース上に出てきて車両を起こすのを手伝っていることがあるけれど、本来ならNG。でも実際にはそれがラリーの醍醐味になっているんだ。
篠田:日本の感覚だとコース上に出たら危ないというイメージがありますが、それもラリーの面白さということなんですね。あと動画では曲がりきれずにコース外へ飛び出してしまうのを見かけますが、この場合のペナルティは何かあるんですか。
国沢:とくにないよ、失敗したというだけ。強いて言えば、タイムロスしてしまうのがマイナスかな。
篠田:なるほど~。
国沢:WRCはほかのラリーと比べてもやっぱり規模感が違うよ。どんなスポーツでもそうだけれど、上位クラスの大会になればなるほど、出場する選手のレベルはまるで違うよね。WRCも同じで、トップクラスが出場するからタフで奥行きがあるよ。
篠田:それは実際に見て体感したい部分ですね。だんだん興味が湧いてきました! では、ラリーを見る上で楽しむコツを教えてください!
国沢:まずは興味を持ってもらいたいね。
篠田:今日はありがとうございました。ドイツに行ってWRCの世界を目の当たりにするのが楽しみです!
というわけでラリーとは何か? についてシッカリ理解できた私篠田。次回は、なぜ国沢さんはラリーに挑戦するのか? を直撃したいと思います!