靴は運転のときだけ履き替える「置きシュー」がオススメ!

「運転」という行為は、慣れてくれば息を吸うように自然にでき、日常生活のなかに溶け込んでしまうものですが、じつはどんなときも自分の命・他人の命を預かる重大な行為です。



そのため、適正な操作を妨げる可能性がある服装、たとえばサンダルなどかかとのない靴やハイヒールで運転してはいけない、といった条例が定められていることもあります。定められていないとしても、運転に不向きな服装というのはたくさんあって、女性はとくに、「運転をする時にはこれはやめよう」、と決めているファッションがある人が多いと思います。



先ほどの条例の件や、以前に厚底のブーツが流行った際、ペダル操作ミスで事故を起こした例などもあるように、真っ先に思い浮かぶのは靴ですね。昔はハイヒールでマニュアル車を運転するのがカッコイイ、なんてもてはやされた時代もあったほどですが、今では完全にNG。



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ペダルの踏み間違いによる事故の報道では、高齢者を取り上げることが多いですが、実際には10代・20代の若者のほうが事故件数は多く、なかには女性がハイヒールで運転して、ブレーキペダルに引っかかり、減速できなくなったために事故を起こした例もあるのです。そのため2019年にスタートした「#置きシュー」プロジェクトでは、車内に運転に適した靴を置いておき、運転前に履き替えることを推奨する活動をしています。そう、靴問題の解決はいたって簡単。置き靴をしておいて、履き替えればいいだけのことなのです。



でも、気軽に運転のときだけ変える、ということができないのがトップスですね。上着なら脱げばいいですが、夏など1枚しか着ていないときにはそうはいきません。トップスで運転に不向きなのは、なんといっても背中や腰など、後ろにリボンのある服です。「バックシャンカットソー」なんて呼ばれて、ここ数年また流行しているのですが、着たまま運転席に座ると、リボンが邪魔でシートにしっかりと身体がフィットせず、つねに異物感が。



ファッションよりも安全優先! オシャレ女子が注意すべき「危険を招く」服装とは



シートに深く腰掛け、運転ポジションをしっかりとることが安全運転の基本なので、こうした服を着てしまうと、ハンドル操作やペダル操作、視界の妨げなどすべてに悪影響が出てしまいます。なので、どうしてもリボンのある服が着たいけど運転をするときは、後ろではなくサイドや胸元などにリボンのある服を選んでいます。



また、ここ1~2年は袖にデザイン性のあるブラウスが流行しているのですが、袖口がヒラヒラとボリュームのある服、リボンなどが垂れ下がっている服も、運転には向きません。ハンドル操作をする際に引っかかりやすかったり、シフトレバーやサイドレバー、スイッチ操作の際によく見えない、操作しにくいといった支障が出てしまいます。でも、流行なので素敵なブラウスが多く、ついつい買ってしまうんですね。



ファッションよりも安全優先! オシャレ女子が注意すべき「危険を招く」服装とは



なのでどうしても着たいときには、上からストレッチするぴったり目のカーディガンを羽織り、袖をすっぽりとカバー。ヒラヒラを隠してしまう作戦です。見た目はちょっと、ボコボコとしてイマイチなのですが、一気に運転しやすくなって安心です。

もしカーディガンがなければ、袖を上のほうまで大きくまくる、ヘアゴムで少し上に押さえておく、ということだけでもやるようにすると、ぜんぜん違うと思います。



ペダル操作がしにくくなったり万が一の際の危険も!

そしてボトムスに関しては、いちばん運転しにくいのはストレッチせずスリットも入っていないロングタイトスカート。これはペダル操作がしにくくなるので、履かないようにしています。最近はふんわりとしたスカートの方がトレンドなので、あまり困ることはないのですが、このストレッチのないロングタイトスカートと同じ状態になるのが、着物や浴衣。足をそろえていないと着崩れてしまうので、これも運転には不向きです。



ファッションよりも安全優先! オシャレ女子が注意すべき「危険を招く」服装とは



また、サテンなどツルツルとした滑りやすい素材のボトムスも、シートの素材によっては滑りやすくなり、運転中のカーブなどでツルっと滑ってしまうため、運転する際にはあらかじめ滑りにくい素材の座面クッションを敷くなど、工夫が必要。

運転中に身体が滑りやすいと、ブレーキをかけるたびにお尻が前に滑ったり、つねに左右に滑ってしまい、姿勢を保とうと余計な力が入って疲れます。ときには危険のリスクも高まるので、ツルっとした滑りやすい素材の洋服には注意しています。



最後はヘアスタイル。長い短い、ストレートかパーマか、といったことではなく、問題は後頭部の中央に結び目が来たり、バレッタなどの飾りをつけてしまうと、ヘッドレストに当たって痛いということです。痛いだけでなく、つねに頭を前に浮かせて運転することになるため、首が痛くなったり、万が一の時に頭を守ってくれるはずのヘッドレストが、ちゃんと機能しない可能性もあるので危険なのです。



ファッションよりも安全優先! オシャレ女子が注意すべき「危険を招く」服装とは



そのため、髪を結んだりアップにしたりする際は、後頭部の下のほうかてっぺん付近のどちらかにするのがお約束。

本当は、耳くらいの高さで後ろでハーフアップにしたりするのがやりたいのですが、そこは運転する日にはグッと我慢しています。



ほかにも、運転に直接の支障はなくても、もし衝突事故を起こしたときにつけていると危険だろうな、というものがあります。ゴツい指輪や、硬くて大きな飾りがついているネックレスなどのアクセサリーです。それらは、衝撃で自分の身体を傷つける凶器になりかねないな、と考えて運転するときにはつけないようにしています。



ファッションよりも安全優先! オシャレ女子が注意すべき「危険を招く」服装とは



こうして挙げてみると、女性には運転時に向いていない服や靴など、制約がけっこうあることがあらためてわかりますね。自分では、ファッション記事を見ると無意識のうちに「これは運転に向いているかな? 何か支障は出るかな?」なんて判断していることに気づくほど。



でも、オシャレと命、どちらが大事かと言えばそれはもう命に決まっています。命を削ってまでオシャレしたいなんてことはないはず。そこはブレずに、これからもいろんな工夫をして、安全と見た目を両立する「ドライビングファッション」を楽しんでいこうと思います。