
六代目山口組と神戸山口組の特定抗争指定が発効してから、丸1年が経過した。双方の〝本丸〟は使用禁止が続き、弘道会に至っては、本部はおろか多くの傘下組織が警戒区域内に本拠を構えていたため、立ち入ることができない状況だ。また、区域内では組員5人以上の集結も禁止されており、警備や移動にも制限がある。この状況を打開するには、抗争終結が不可欠となる。
「抗争を終わらせるかどうかは、攻撃を加え続けている六代目山口組次第だろう。現段階では、神戸山口組勢が戻るとは思えず、六代目側が抗争終結宣言を出すメリットもないように思う」(業界ジャーナリスト)
それは、六代目山口組の通達からもうかがえた。
〈公共の場での暴力沙汰、組事務所への発砲は厳禁〉
昨年2月、急きょ出されたこの通達は、親戚団体である松葉会(伊藤芳将会長=東京)との間で、事件が発生した直後だった。
「昨年1月27日、六代目側の傘下組織の拠点に松葉会系組員によるダンプ特攻が起きて、25日には松葉会本部に火炎瓶が投げ込まれた。これを受けての通達で、《他団体と揉め事が起きた場合は迅速に報告し、報復は禁止する》という内容も入っていた。ただ、昨年2月には元中野会系組員が髙山清司若頭の自宅に銃弾を撃ち込んだ事件もあったから、あくまで〝ケジメの付け方〟に関する禁止事項だと捉えた」(関東の組織関係者)