フォードとの縁切れが口火 世界中の標的マツダの行く末(2)

       

 マツダが乗っ取りの標的リスクを抱えた最大の理由は、かつて33.4%出資して強力な後ろ盾となった米フォードの経営本体が厳しさを増し、マツダ株を段階的に処分(今や3.5%の株主に過ぎない)して、業務提携関係を解消したことに尽きる。要はフォードのジリ貧に伴う腐れ縁解消だが、マツダは昨年秋にハイブリット技術でトヨタの協力を得る一方、ハイブリット車並みの新型エンジンを開発するなど伝統的に得意なエンジン開発力に活路を求めた。だからこそ山内孝社長は昨年来「フォード以外の大手と大規模な資本提携する考えはない」と強調してきたものの、業界関係者はそう受け取らず冷ややかに見ている。
 「事業規模から見てマツダが単独で生き残るのは極めて難しい。といって欧米企業はフォルクスワーゲンなど一部を除けば自社の経営で手一杯のため、マツダと組むメリットは皆無に等しい。しかし韓国や中国、インドなどの新興国メーカーには垂涎の的で、彼らが水面下で争奪戦を演じているとのアングラ情報は以前から囁かれています」

 それを踏まえれば、前出の市場関係者ならずとも米資産運用会社の積極果敢な買い出動の裏に「新興国メーカーの秘めた魂胆」を疑いたくなってくる。野心もあらわな投資ファンドと違ってアライアンスやフランクリンならば、マツダ及びメーンバンクである三井住友FGの警戒心が緩む。海千山千のツワモノにとって、そんなフェイント戦術を駆使しての正面突破作戦は、むしろ常道中の常道なのだ。
 「フォード同様、自らの屋台骨が揺らいだGMは苦肉の策として富士重工、いすゞ、スズキへの出資を次々と解消。スズキはその後、ドイツのフォルクスワーゲンと提携しましたが、今や子会社扱いされて困り果てた揚句に関係解消の一発逆転を画策する始末。そんな悲哀を伝え聞いた以上、マツダが資本力で勝る欧米大手に擦り寄るわけがない。これがアジアの新興国メーカーを『その気』にさせているのです」(業界関係者)

 むろんそんな事情を山内社長は十分に承知している。しかし出資=後ろ盾はともかく、ハイブリット技術を提供してバックアップするトヨタや、メキシコ進出で協力関係にある住友商事などの手前、いくら山内社長でも「新興国メーカーとの二人三脚に活路を求める」とは口が裂けても言えない。
 ところが、三井住友ウオッチャーは喝破する。
 「去年の秋、フォードがマツダ株を大量に処分した際、住友グループの主要企業が引き取っています。しかし永久的に保有するわけがなく、時期を見て売却することで基本的に合意している。株価からもわかるようにマツダは“ボロ株”だから、ダミーなり買い本尊が時価に大幅なプレミアムをつけてTOBをかければ大半の株主が殺到する。運用会社の保有株を種玉にすればマツダの乗っ取りは十分可能なのです」

 市場筋の多くは「アジアの△△が食指を動かしている」などと囁き合い、熱い視線をマツダに送っている。

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2011年9月16日の社会記事

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