睡眠薬、安定剤の常用者は注意! アルコールとの併用で「健忘症」「呼吸困難」の危機(1)

 睡眠薬を混ぜた酒を飲ませて何人もの男性を殺害したとされる女性の殺人容疑者ではないが、アルコールと一緒に飲むことで、睡眠薬の薬理効果は数倍になる。不眠症の持病のため、睡眠薬を常用している人に要注意は薬と酒の併用である。ときには意識不明の原因になると警鐘を打ち鳴らす専門家の意見をきいた。

 そもそも、アルコールは消化器から吸収され、一部が脳に達し、人を覚醒させる働きのある脳幹網様体賦活系を抑制する。そのため眠くなり、精神的に解放されて眠りやすくなる。
 酒を飲んだとき、睡眠薬を服用することの危険を指摘するのは銀座泰明クリニック・茅野分院長だ。
 「睡眠薬にはいろいろな種類があるが、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬(睡眠導入薬)が処方されることが一般的です。ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、主に大脳辺縁系を中心とする情動中枢に分布するベンゾジアゼピン受容体に結合して作用し、アルコールと同様、脳の活動を抑えるのです」

 アルコールと睡眠薬の薬理作用は大変よく似ていることから、併用することにより脳の活動が抑えられすぎてしまうというのだ。
 両者は似た薬理効果があるため、アルコール依存症の患者が睡眠薬に依存することも少なくない。
 「患者さんの中にはなかなか寝付けない。そのため、アルコールと睡眠薬を併用して入眠する方もいる。しかし、夜にトイレへ起きた時や朝起きる時にめまいやふらつきが起きる。睡眠薬の効果が長引いて翌日の昼間も眠くなってしまい仕事に支障をきたす。そんなこともあります。さらには、前向性健忘といって、一時的な物忘れが起きることがある。また、アルコールといっしょに摂取すると呼吸が抑制され、命にかかわる事態になることすらあります」(茅野院長)
 酷いケースになると、アルコールと睡眠薬の併用で幻覚や妄想が起きることすらあるという。

 中高年になると、睡眠薬を服用している人は多い。こんな体験がある方は前向性健忘が起きているのだ。
 「気持ちが不安定な時に安定剤や睡眠薬の代わりとしてアルコールを用いるのはやめるべきでしょう。実際は睡眠が浅くなり、質を落としてしまうだけです。また、不安や抑鬱を一時的に和らげるため、安定剤の代わりに用いられることもあるようですが、向精神薬などに比べ、効果は不十分で、結局は量が増え、アルコール依存症になってしまうのです。これは躁うつ病の患者さんに多いようです」(茅野院長)

 では睡眠薬を服用している人は飲酒が許されるのか。
 「原則的にベンゾジアゼピン系の睡眠薬や抗不安薬を服用するようになったら、アルコールは止めるべきです。作用・副作用の点ではもちろん、費用対効果の点でも飲む『必要』がありません。ただし、社交場の付き合いもあるでしょうから、宴会の乾杯においては、飲む『ふり』を勧めております。周りに気付かれたら、体調が悪い、医者に止められている、など言い訳をしましょう。酒を飲まなくても一緒に盛り上がり気持ちを共有できれば、付き合いは果たせます」(茅野院長)

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