生活保護費30兆円超予測で見えてきた国家財政破綻

       

 厚生労働省の2017年度資料によると、生活保護受給者は現在164万世帯、214万人で、総額3.8兆円が支出されているが、将来的には30兆円に達するという試算まで登場した。なぜ10倍にも膨張するのか。
 「就職氷河期世代が高齢者に突入すると、その7割に匹敵する人々が生活保護に依存せざるを得ないと考えられるからです。30兆円の中には、生活保護費の約半分を占める医療扶助や住宅扶助などを除外しているため、これでも少ないくらいです。社会保障費は1990年度の決算数字では、わずか11兆5000億円しかなかったことを考えると、10年間で10兆円ずつ増えている勘定になりますが、2038年には、社会保障関係費だけで50兆円を超えると予想されている。人口減少などで税収は伸びませんが、社会保障関係費はどんどん膨らんでいくのです。これに就職氷河期世代の生活保護受給が加われば、間違いなく財政は破綻するでしょうね」(経済アナリスト)

 今のままでは、あと10年ほどで労働力人口が500万人減少すると予想されている。当然、人口減少で直面するのが、税収減と社会保障費の負担増というわけだ。
 '18年度の社会保障関係費は33兆円の予算だが、将来的にどこまで膨れ上がるのか想像もつかない。何か打つ手はあるのだろうか。
 「出生率を飛躍的に増やすか、それができなければ、ロボットやAI(人工知能)による生産性向上で人口減少に勝つか、単純労働者も含めて海外からの“移民”を受け入れるかの3つしかないでしょう」(同)

 ワーキングプアの存在が明らかになったのは、'06年のこと。その後「格差社会」という言葉も生まれたが、現在は空前の雇用情勢の改善ぶりを背景に、あたかも日本からこの問題が消えてしまったかのように見える。
 巨大なリスクは深く静かに潜航したまま、浮上の機会をうかがっているだけなのだが…。

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2018年5月25日の社会記事

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