東京五輪への壁を突破したプロボクシング元王者の理路整然

東京五輪への壁を突破したプロボクシング元王者の理路整然
(提供:週刊実話)

 今年8月、助成金の不正流用などが発覚した山根明前会長が辞任したことで、日本ボクシング連盟はそれまで認めなかった元・プロボクシング世界ミニマム級4団体チャンピオン高山勝成(35=名古屋産大)のアマチュアとしての東京五輪出場選手資格を認める決定を下した。

 高山は昨年春のプロ引退後、プロや元プロにも出場を解禁したオリンピック憲章に基づいて、アマチュア選手としての登録申請を行い、競技者登録を求めて日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に仲裁申し立ての手続きをしていた。

 しかし、連盟は「プロは生活のために戦うが、アマは教育の一環」として申請を却下。当時の山根明会長も「論外」の一言で一蹴していた。そこで高山は8月、連盟を相手に、日本スポーツ仲裁機構に仲裁申し立ての手続きを行ったのだ。

 その際の記者会見では、当時、批判が集まっていた山根会長の独裁体制にも言及。「(この申し立てが)一石を投じることになれば」とも語っていた。
「頑なに反対していた連盟が急に方針転換した背景には、山根前会長の問題が影響しています。山根時代の決定を覆すことで、新体制が選手ファーストで柔軟な組織運営をしているとアピールする狙いもあるのでしょう」(ボクシングライター)

 これで、元プロ王者の高山のみならず、プロの現役王者が東京五輪のリングに上がる可能性も出てきた。
「海外では、前回のリオからプロの五輪への参加が認められています。仮に、モンスター・井上尚弥村田諒太が出場できるとなれば、東京五輪は異様な盛り上がりを見せますよ」(同)

 では、この状況をプロ側はどう見るのか。
「五輪への道が開けたことで、プロ選手のモチベーションも上がるでしょう。しかし、五輪というのはアマチュアの大会の最高峰。それがプロのほうが多くなると、五輪の性格も変わってくるんじゃないですか」(大阪市内のジムの会長)

 商業主義に走り、「プロの出場は全競技において一切認めない」という決断を下せない五輪の運営サイドこそ諸悪の根源だ。

 五輪史上初めてプロ選手の参加が認められたリオ五輪には、2人の元世界王者を含む4人のプロ選手が出場した。日本では、現時点で東京五輪挑戦を表明している選手は高山選手ただ一人だ。

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