専門医に聞け! Q&A 運動は本当に体にいいのか

Q:同い年の親友は健康のために毎朝ジョギングをしているし、時には市民マラソンに参加しています。運動をまったくしない私に、健康のために何か運動をすればよいと、しきりに勧めます。運動は本当に体によいのでしょうか。
(58歳・団体役員)

A:同い年の友人は、年齢の割にかなり激しく運動をしているようですね。

 運動やスポーツは健康によいという、常識といいますか、刷り込みがなされています。さわやかなイメージが、それを後押ししているのでしょう。

 最近は、50代になってからも、スポーツクラブに通ったり、ジョギングを始めたりする人も増えてきました。

 けれど、結論から言いますと、60歳近い年齢になって、急に激しい運動は行わないほうがよいと思います。中年から老年に差しかかって、心臓も他の内臓も血管も、骨も筋肉も老化してきています。

 そのため、それまで長年、運動らしい運動をしたことがなかった人が、いきなり運動を始めると、膝などを壊したりすることがあります。心臓に負担がかかり、心筋梗塞を引き起こすケースもあります。

 実際、メタボ改善のためにジョギングを始め、ジョギング中に心筋梗塞で倒れ、突然死した人もいました。

●歩くのとストレッチがよい

 今では、運動学の専門家は、競技スポーツと健康は関係がないとの見方をしています。実際、日常的に激しい運動をしている競技選手は、そうでない人よりも寿命が短いことが分かっています。その理由は、激しい運動は体内に活性酸素を大量に発生させるためとも考えられていますが、完全には解明されていません。

 くり返しますが、健康のために運動したほうがよいと言われるのは、適度に体を動かすということで、激しい運動や競技スポーツのことを指しているわけではないのです。

 健康のためによいのは、歩くことで、今では歩くことは健康のための運動と捉えられています。そのためには速歩がよいと勧められますが、私は無理せず、普通のスピードで歩けばよいと思っています。加えて、時々、ストレッチをすれば十分です。ハードな運動は自重しましょう。

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中原英臣氏(山野医療専門学校副校長)
東京慈恵会医科大学卒業。山梨医科大学助教授、新渡戸文化短期大学学長等を歴任。専門はウイルス学、衛生学。テレビ出演も多く、幅広い知識、深い見解を駆使した分かりやすい解説が好評。

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