プロ野球コミッショナー事務局、各球団経営者は、昭和最後の昭和63年生まれの世代をスター集団に育てたいらしい。だが、当事者たちの人間関係は一筋縄ではいかないようである。
「マー君、マエケン、坂本、堂上…。すでにプロ入りし活躍している昭和63年組の選手は多い。斎藤たちが指名された今年のドラフト会議直前、この世代をどう宣伝していくか、検討されました」(球界関係者)
今秋のドラフト会議でプロ野球各球団に指名された斎藤佑樹投手(22)の世代は、来季23歳になる。
4年前、高卒でプロ入りした田中将大、前田健太、坂本勇人、堂上直倫たちはプロで実績を残しており、斎藤たちの大学卒業組が前評判通りの活躍をしてくれれば、プロ野球界に旋風が巻き起こるのは必至だ。
経営陣も「この世代をどう呼ぶか」、ドラフト直前までキャッチコピーを練りに練っていたのだ。
「近年の例を挙げれば、1980年生まれの『松坂世代』。彼らの世代が注目されたのは、実力もさることながら、『松坂世代』というネーミングが定着したのが大きい」(前出・同)
球団経営陣は、斎藤たちの世代を一世風靡した『ハンカチ世代』ではなく、新たにこう呼んでほしいそうだ。『オレ世代』−−。
斎藤の日本ハム入り、流行語大賞特別賞、マー君とタレント・里田まいの熱愛など、普段野球にあまり関心のない人たちも、彼らには注目している。球界も話題作りに必死なわけだ。
「松坂世代は甲子園大会で物凄いドラマを生み出しました。斎藤とマー君も、延長引き分け再試合の死闘を演じている。つまり、この世代はスターになる要素を持っているんです。4年前は、マスコミや野球ファンが斎藤たちを『ハンカチ世代』と呼んでいました。ただ、プロでまだ1球も投げていないアマチュアの斎藤が『世代の象徴』という位置づけはおかしい。それで、ネーミングを考えたんです」(スポーツ紙記者)