【本好きのリビドー】

【本好きのリビドー】
(提供:週刊実話)

◎悦楽の1冊
『米韓同盟消滅』 鈴置高史 新潮新書 740円(本体価格)

朝鮮半島情勢「先読みのプロ」が解く冷徹な現実


 少年の頃、父親に連れられてソウル五輪開催直前の韓国を旅したことがある。

 地下鉄で座席に腰かけていると、同年配の男の子が電光石火の早業で乗客の膝の上にガムやチョコレートを乗せてゆくのが新鮮な光景だった。素直に買う人間はその場で金を払い、買う気のない客は黙って腕を組んだままで物が少年の手で回収されるのを待つ。ほとんどが後者だった気がするが、思えばあの時分の彼の国は、現在と比べればまだはるかに落ち着いていた印象が子供心にも残った。大韓航空機爆破事件で工作員の金賢が逮捕されて間もないだけに、国全体に緊張感もまだちゃんと漂っていた観が…とまで言うと記憶の捏造になりかねないので控えるが、少なくとも今ほどひどくは確実になかった。

 従北・親中・反米・卑日(この概念を本書で初めて教えられた。“「自分よりも下の存在」を徹底的に貶めることで「自分が上であること」を確認するのが常”の韓国社会にとっては、もはや『反日』などという手あかのついたレベルでなく『卑日』、日本に関わるあらゆる事象をことごとく賤しめ、辱め、その評価を地に落とすのがいまや半ば自己目的化してしまっているのだから厄介至極、どころか地獄)路線を爆走する文在寅政権。しかし、その出現は決して突然変異な現象でなく、いかに歴史的必然性を帯びてのものかを明確に説き明かす本書こそ、喫緊の必読文書だ。おためごかしの「でも、最後はやっぱり友好第一」のごとき寝言がまとめて粉砕されるだろう。

 著者の主張に異論が一つだけ。ただ今の韓国を“中二病”に例えるが、さすがに言葉がすぎはしないか。きょうびの平均的中学二年生はあそこまで唯我独尊かつ居丈高な幼児性丸出しではないはず。名誉の為に一言。
(居島一平/芸人)

【昇天の1冊】

 〈いよいよ宅見組長を撃たなあかん。ボディーガードがおるかもしれん、殺られるかもしれん、と思った瞬間、私は心臓が喉から飛び出しそうな感じになって、頭のなかが真っ白になってしまいました〉

 平成9年8月28日、国内最大のヤクザ組織・山口組のナンバー2である宅見勝頭が射殺された事件は、極道業界に衝撃を与えた。しかも、ヒットマンらは同じ山口組に所属する中野会系組員たちだったため、事件には深い闇があるとみられた。実行犯の一人である中保喜代春は、20年の長期服役を終えて令和元年6月に出所。服役中に数多の手紙を交わしたジャーナリストでノンフィクション作家の木村勝美氏が、当事者のみぞ知る衝撃事件の真相に改めて迫った。

『満期出獄 ヒットマン・中保喜代春』(かや書房/本体価格1800円)では、冒頭のような犯行直前の生々しい心境や、計画段階での恐怖や葛藤などが明かされている。反面、中保は犯行後に約1年にわたる逃亡生活を送っており、その渦中で自身の子供が誕生することになった際の複雑な胸中や覚悟を、ヒットマンとは違った顔で振り返ってもいるのだ。

 現在、山口組は3つに分裂。緊張状態が続く中で複数の射殺事件が発生し、実行犯たちには無期懲役や有期刑の上限である懲役30年など、厳しい判決が下された。それぞれに状況は違えど、ヒットマンが放った銃弾が多くの人間の運命を変えたことに変わりはない。

 そのヒットマンたちにも、さまざまな心境があり、中保が明かしているように、自身の人生もまた大きく変えたのだった︱︱。

【話題の1冊】著者インタビュー 中島正雄
定年クリエイティブ リタイア後の創作活動で後悔のない人生を ワニブックス 950円(税込価格)

定年後は新しいことを始める絶好のチャンス


――なぜ、中島さんは定年退職後にクリエイティブな活動を勧めているのでしょうか?
中島 今や人生100年時代です。大人である20歳から100歳までのちょうど折り返し地点が定年退職を迎える60歳です。その定年退職を迎え、のんべんだらりと暮らし、人生のロスタイム的な意味で考えている人もいるかもしれません。でも、毎日やることがあり、楽しく生きたいじゃないですか。
 これだけ寿命が伸びたのは、医学などの進歩もありますが、昔と比べると、圧倒的に暇のつぶし方が増えたからだと思うんです。中でも、クリエイティブな活動は人生の後半における極上の暇つぶしです。音楽が趣味ならオリジナルの曲を創る、絵を描く、文章を書くなど、自分でやりたいことなら何でもいいんです。
 クリエイティブな活動を始めたら、まずは周りの人の評価を聞いてみることです。音楽ならオリジナル曲を創って、インターネット上に音源をアップしてみることもできますし、最終的にはCDデビューできるかもしれない。
 自分でアクションを起こすことで、人とコミュニケーションを取ることができる。何もしないで生きていたら、いつの間にか存在を忘れられてしまうかもしれません(笑)。

――クリエイティブな活動を始めたいけれども、お金はかけたくない、という人にお勧めの活動は何かありますか?
中島 俳句を詠んだり、文章を書くのにお金はかかりませんよね。でも、クリエイティブな活動でお金を稼げれば一挙両得ですよ。たとえば、ギター1本で駅前で歌ってみるのもいいんじゃないですか。
 ミュージシャンを夢見る若者が路上ライブをしている中、中高年が歌っていたら目立ちます。投げ銭をくれる人は結構いると思いますよ。

――ただ、60代になって新しいことを始めるのは、勇気のいることで、なかなかハードルが高そうに感じるのですが…。
中島 まず、そこにハードルがあると決めつけてしまっています。物は考えようで、新しいことを始めるには定年後は絶好のチャンスです。会社員時代には、勝手なことをすれば怒られたかもしれません。
 でも、定年後は何をやっても誰にも何も言われません。人は全員が自分勝手に、一番気分のいいように生きるべきだと思っています。ただし、周りの人たちを不快にさせない最低限の気遣いは必要です。
 みんながそうやって生きれば、より楽しい人生の後半戦を送れるはずです。
(聞き手/本多カツヒロ)

中島正雄(なかじま・まさお)
1953年東京都生まれ。B'zなどのヒット曲の制作に携わる。元日本コロムビア代表取締役社長。現在もブルースギタープレーヤーとして活動。

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