蝶野正洋の黒の履歴書 ★「スターダム買収」はプロレス新時代の象徴

蝶野正洋の黒の履歴書 ★「スターダム買収」はプロレス新時代の象徴
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(提供:週刊実話)

 新日本プロレスが、女子プロレス団体の『スターダム』と、グループ化したことが話題になってるな。

 正確にいうと、新日本プロレスを運営している「株式会社ブシロード」の、連結子会社である「キックスロード」が『スターダム』を買収したわけだ。

 キックスロードは、キックボクシングイベント『KNOCK OUT』を開催している会社で、今回の買収を契機に「ブシロードファイト」という会社名になるそうだ。

 要するに、新日本プロレスとスターダムが、ブシロード傘下の兄弟会社になったということ。

 最初にこの話を聞いた時は、いいアイデアだと思ったよ。いま女子プロレスの人気は世界的に高まっていて、実際にスターダムからアメリカのメジャー団体に進出した選手もたくさんいる。このあたりで経営基盤をしっかりさせておくことは団体を守り、さらに大きくするためにも必要なことだと思う。

 それに、スターダム代表のロッシー小川さんは見るからに大変そうだったからね。選手寮がないから、自分の家に練習生を住まわせて、それでトラブルになったという話を聞いたことがある。初期の頃はカネがないから家を抵当に入れて興行を打ったり、ギリギリのところでやってたみたいだから、ここまで漕ぎ着けたのは立派だと思うよ。

 ただ、これでスターダムと、新日本プロレスの交流が始まると期待してるファンもいるみたいだけど、それはないと思う。

 イベントとかでは一緒になることはあるかもしれないけど、リング上ではあくまで別団体だ。交わることはないだろう。でも、バックステージでは協力することもあるかもね。

 そもそも、ああみえて新日本プロレスは、女子に対してのアレルギーがなくて、昔から女子団体と連携を取ることが結構あった。

 30年くらい前に、『ジャパン女子プロレス』という団体ができたとき、新日本プロレスが立ち上げに協力したことがあった。猪木さんが、ジャパン女子の会場で挨拶したり、山本小鉄さんが女子選手の練習を見たりとかね。資本こそ入れてなかったけど、関係性は深かったんだよ。

 新日本は女子プロレスをやらないし競合することもないけど、業界発展のために協力してたんだと思う。

 それよりも今回のポイントは、プロレス団体が運営企業をバックアップに付けるという流れが加速しているということだろうね。

 それこそ、新日本プロレスがユークス、そして、ブシロードの運営になったことから始まって、全日本プロレスもケーブルテレビ会社から出資を受けたり、NOAHも広告代理店のリデットエンターテイメントという会社が付いてる。DDTもサイバーエージェントのグループに入ったよね。ここにきて、女子プロレスにも、その波が来たってことだろう。

 プロレス団体も、昔はドンブリ勘定がまかり通ってて、浮き沈みが激しかったけど、これからの時代はしっかりした経営ができるかどうかが重要。いままではテレビやメディアを味方につけた団体が「メジャー」と呼ばれてきたけど、今後は経営力が「メジャー」と「インディー」を分けることになるだろうね。

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蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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