現地の風俗店関係者がこう語る。
「堀之内には数十軒のソープ店があるが、この時にはさすがに高橋が立ち寄った店はわからなかった。往来には無数の防犯カメラがあり、それが原因で『立ち寄らないのか』と話す捜査員もいましたね」
ただ、だからといって高橋容疑者がこうした風俗街を利用しなかったというわけではない。本誌の取材によれば、長い潜伏生活中には風俗通いの経歴があったことが判明しているのだ。
高橋容疑者が勤めていた建設会社の内情に詳しい人物がこう明かす。
「櫻井(高橋容疑者の偽名)は同僚と一緒に酒を飲むと、カシラ3本とウーロンハイを1、2杯飲み『女が待っている』と帰ってしまうようなヤツだった。これが菊地直子だった可能性もあるが、その後、別の同僚と飲んだ時には、猥談まじりに『堀之内のソープに行った』と話したという。警戒心からか、最後には『つまらなかった』と話を打ち切ったらしいが、これが元で風俗通いしていると噂が立ったこともあるのです」
要は、逃亡のウサをはらすために、こっそりと堀之内のソープ店に出入りしていた時期もあったのだ。
また、全国紙の社会部記者は、さらなる風俗通いの実態をこうもらす。
「一部夕刊紙が、『蒲田界隈の街頭に立つ中国人女性らを買っていた』と報じたが、地域は別にして逮捕前からこうした情報は寄せられていたのです。オウム逃亡犯の中でも用心深いといわれた高橋は、飲み屋も馴染みを極力作らないようにしていた。オウム事件に暗い、外国人女性や受付を通らなくていいデリヘルなども使っていたはず、と捜査関係者らは見ていたのです」
逮捕時に「オウム本」を持ち歩いていた同容疑者が、「性のイニシエーション」と呼ばれた行いを外国人風俗嬢らにまで施していたとすれば驚きだが、こうした性欲処理が逃亡生活の一端を支えていた可能性は極めて高いのだ。
前出の捜査関係者は、同容疑者が遠くへ逃げなかった理由も、「その辺りにあるのではないか」と指摘する。
「高橋は菊地直子と肉体関係を結び、長い逃亡生活を送ってきたが、実はその間に菊地に惚れ込んでしまっていた。ところが、菊地は男(=犯人蔵匿罪で逮捕された高橋寛人容疑者)と同棲するためにアパートを出て行き、その後、外で性欲処理をするようになったようだ。風俗通いも多かったかもしれないが、その菊地が逮捕され、サポートしていた組織からも見放されたことで、もはや精も根も尽き果てたというのが真相かもしれない」
事実、'96年に埼玉県所沢市のアジトから逃走するまでは、「暇さえあれば眉毛を抜き、懸命に人相を変えていた」(同)という。その高橋容疑者は、髪型すら変えず逃亡先から半径4キロほどの地域に潜伏していた。もはや、逃げる気力も失せていたのかもしれない。
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