警視庁捜査2課は1月9日、住友重機械工業に勤めていた田村純子容疑者(60)を業務上横領容疑で逮捕したと明らかにした。
容疑の内容は、2013年2月に田村容疑者が長年1人で庶務と経理を担当していた労働組合「住友重機械工業労働組合連合会」の専用端末を操作し、組合員の年金を積み立てていた銀行口座から5000万円を着服したというもの。本人も「間違いない」と認めているという。
「業務上横領罪の時効は7年ですので、これは最も古いものです。これ以降、分かっているだけで横領額は6億4000万円に上ります。田村容疑者は十数年前から横領を始めており、時効にかかる分を含めると、横領額は10億円を超えるとみられています」(捜査関係者)
詳しい犯行動機は調査中だが、横領金は主に馬術競技用の馬の購入や維持費に充てられていた。
「馬術競技用の馬は1頭およそ150~500万円といわれる。彼女はこれを6頭所有していた。これらの馬は茨城県常総市の乗馬クラブに預けられていたのだが、ここでの維持費は1頭当たり月20万円前後で、毎月120万円を支払っていたことになります」(全国紙社会部記者)
これ以外に、ブランド品の購入にも使われていた。
「特に好きだったのが、フランスの高級ブランドであるエルメスです。彼女はエルメスを象徴とする、数百万円もの高級バッグ『バーキン』を持ち歩いていた。また、新車で1000万円以上するポルシェ『カイエンS』を持っていることも判明しています」(同・記者)
横領金で私腹を肥やしていたが、着服生活にピリオドが打たれる事態が発生する。労働組合が2018年1月に幹部の交代に伴い会計の点検を行ったのだ。
「直後に田村容疑者は、『心からお詫びします。私を解雇してください』とのメールを幹部らに送って失踪。幹部が銀行口座を確認して着服が発覚しました。翌2月、田村容疑者は懲戒解雇され、同労組が警視庁に告訴したのです」(同)
巨額の横領事件だけに、社会に与えた影響は大きい。
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