弘道会 新人事が示す“報復部隊”

弘道会 新人事が示す“報復部隊”
(提供:週刊実話)

六代目山口組が暗にそうした姿勢を見せたのは、外部に関する面だけではなかった。2月9日には、中核組織である弘道会が新人事を発表していたのだ。

「十代目稲葉地一家の松山猛総長が舎弟に直り、若頭補佐から統括委員長に就いた。このポストは、弘道会の実質のナンバー3に当たり、野内正博・野内組組長が若頭に上がる昨年11月まで務めた。稲葉地一家からは、平成28年7月に名古屋で元山健組系幹部が射殺された事件、髙山若頭の出所直前の昨年10月に起きた五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)系組員2人の射殺事件でヒットマンが

逮捕された。敵対組織への“切り崩し”も活発に行ってきたが、今回の新人事は単なる弘道会の体制固めではない可能性もある」(業界ジャーナリスト)

発表の1週間前に、髙山若頭の自宅への発砲事件が起きており、松山総長の統括委員長就任には不穏さが感じられたのだ。

「特定抗争指定によって表立った動きが見えづらくなったが、六代目山口組は分裂終結を掲げているのだから、神戸山口組に決定的なダメージを与える機会を、虎視眈々と狙っているだろう。東京五輪の開催前後に動くことも予想される」(同)

その根拠は、弘道会から出た実行犯たちが犯行に及んだタイミングだという。

「岡山で池田組若頭が射殺されたのは、G7伊勢志摩サミットが終了した直後。昨年4月に神戸市内で山健組の與則和若頭が刺傷された事件は、天皇陛下退位の儀式が行われる直前に起きた。国家的行事の開催中は警察当局も異様なほど目を光らせているから、避ける傾向にあると思われた」(同)

五輪開催地となる東京では、2月10日に六代目山口組・関東ブロック会議が行われ、藤井英治若頭補佐率いる五代目國粹会本部に直系組長らが集結。前回は通常の警備態勢だったが、開始約30分前に雰囲気が一変した。弘道会直参2人が現れ、警備についたのだ。

総本部が使用禁止となって以降、定例会は休止され、六代目山口組は各ブロック会議で連携を図ってきた。さらに毎回、別ブロックの最高幹部が同席し、今回は竹内若頭補佐がその役目を果たすため、事前に警戒態勢が敷かれたのだった。竹内若頭補佐はガード車両2台を従えて到着し、耳にインカムをつけた警備組員はもちろん、複数の弘道会直参が同行。本部内で会合が始まっても、周囲への警戒を緩めることはなかった。

関東ブロック会議は20分ほどで終了した模様で、出席者らが一斉に引き揚げた。ところが、見送りに藤井若頭補佐が現れなかっただけでなく、佐藤光男・落合金町連合会長、竹嶋利王・良知二代目政竜会会長の東京勢は本部内に留まったままだったのだ。
ようやく姿を現したのは約40分後のことで、佐藤会長と竹嶋会長は笑顔で挨拶を交わすなど穏やかな様子に見えた。しかし、この2日後、東京勢に打撃を与えかねない事態が発覚した。
「足立区にある良知二代目政竜会本部に対し、区が使用差し止めの仮処分を東京地裁に申し立てた」(山口組ウオッチャー)
1月17日に本部へダンプカーが突入する事件が起き、松葉会(伊藤芳将会長=東京)系組員が逮捕された。その約1週間後には、松葉会本部に火炎瓶が投げ付けられ、都内は騒然となった。ただ、その間に双方の最高幹部が話し合いを行い、和解が成立していた。

「それにもかかわらず、足立区が一般市民にも危険が及びかねないとしている背景には、女性区長が警視庁出身というのが影響しているのではないか」(同)

竹嶋会長らが関東ブロック会議ののちに残っていたのは、今後の対応を話し合っていたからと思われた。

「静岡から東京に本拠を移した矢先だから、そうすぐに結論は出ないだろう。ひとつ分かったのは、分裂抗争とは別の案件であっても、警察当局はあらゆる手を使って、山口組への締め付けを強めるということだ」(同)

神戸山口組でも、山健組が大幅な新人事を発表した1週間後、狙いすましたかのように大阪府警が山健組舎弟の福富均・福富組組長と組員を逮捕。暴力行為等処罰法違反の容疑で、昨年4月に大阪・ミナミで起きた六代目側関係者との乱闘に関する件だった。

「今回の新人事で福富組長は昇格者やったわけではないが、もともと福富組は健竜会傘下やった。西川良男・六代目健竜会会長が若頭補佐に上がっとるのと無関係やないやろ。神戸山口組の中核組織である山健組に対して、攻勢を強めとる証拠や」(在阪記者)

さらに、同じく大阪府警によって恐喝未遂と傷害の疑いで逮捕されていた九代目酒梅組・吉村光男総裁(大阪)が、2月17日に起訴された。吉村総裁は神戸山口組・井上組長と行動を共にしていたため、ここにも府警の狙いが透けて見えたのである。

また、同日には兵庫県公安委員会が暴対法に基づき、任侠山口組の絆會(織田絆誠会長)への名称変更を官報で公示。六代目山口組と神戸山口組の対立が深まり、山口組三つ巴抗争の色合いは薄れたといえるが、定例会を廃止した絆會の活動は不透明であり、当局は警戒を続けているようだ。

六代目山口組・髙山若頭が昨年10月に出所して以降、分裂抗争は急展開を迎えた。現在、六代目側は沈黙を続けているが、それも束の間とみられ、決戦に向けた最終攻勢が危ぶまれる。

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