日馬富士の一方で5大関の不甲斐なさ

 これでは、あとに続くのはとても無理。
 10月6日から大相撲の秋巡業が始まったが、その中でひと際、目立つのが新横綱日馬富士(28、伊勢ケ浜)のハッスルぶり。横綱昇進のさまざまな行事に忙殺されていたときも、「ああ、早く稽古がしたい」としきりに訴え、巡業が始まるとさっそく土俵を独占。初日の長野巡業でも平幕の若荒雄を相手に立て続けに10番取り、「一つひとつの筋肉の動きを感じながらやりました」といかにも気持ちよさそうに汗を拭っていた。

 そんな横綱とは対照的に、大関陣の不甲斐ないこと。先月末の花相撲のとき、両国国技館で初めて不知火型の土俵入りを披露した日馬富士に、「待ってますよ」と声をかけられて、「悔しいというか、もっと(稽古を)やらなくてはいけない」と話した期待の日本人大関、稀勢の里は、巡業初日の朝、左足首の痛みを訴えて1番も稽古することなく長野から帰京。翌日の藤岡巡業も休場してしまった。巡業地入りした前夜、足を踏み外して捻挫したのだ。あきれて言葉もない。
 「左ひざのじん帯損傷で秋場所4日目から休場した琴奨菊といえば、巡業にはなんとか参加しているものの、土俵入りのみで稽古も取組もパス。このほか、右肩を痛めて秋場所6日目から休場した琴欧洲は取組のみの参加で、稽古は休み。把瑠都はまだ右足の故障が完治せず、巡業そのものを休場中。唯一元気な鶴竜も、序盤はノドの痛みを訴えて稽古はやらずじまいだったのです」

 つまり、5人もいる大関が1人も稽古しなかったのだ。横綱が誕生する比率はおよそ3年に1人(平成以降)。日馬富士に先を越され、当分はないとあきらめてしまったのか。

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