まるで官製談合 電力会社一斉値上げに潜むワナ “だから原発が不可欠”という偽りの正義(2)

 加えて“脱原発”の先進国であり、再生可能エネルギー戦略の手本としていたはずのドイツに、今、暗雲が立ち込めていることが関係しているという。
 ドイツに吹き荒れ出したという逆風については、多少の説明が要るだろう。メルケル政権は昨年、世界に先んじて“脱原発”を宣言。2022年までに国内の原発を全廃し、太陽光や風力、地熱など再生可能エネルギーを普及させるとの壮大なシナリオを披露した。

 日本ではほとんど報道されていないが、ことの発端は10月15日、大手送電会社が発表したコスト試算だ。ドイツの再生可能エネルギー法は太陽光などで発電した電力を、地域の電力会社が20年間にわたって固定価格で全て買い取ることになっている。これに目をつけた新規参入組が相次いだ結果、買い取り費用が急膨張し、来年の負担額は今年に比べ一気に5割増しになることが判明したのだ。
 「ドイツの新聞、テレビはこの問題を連日報道している。その論調はズバリ『戦略崩壊』で、旗振り役のメルケル首相は対応に苦慮している。もし今後20年間に毎年5割アップしていけば、それだけで国民はギブアップする。この分だと、いつ『脱原発は大いなる幻想だったのではないか』との見直し論議が台頭し、メルケル政権が追い詰められないとも限りません。どこかで聞いたような『こんなことでは工場の海外移転を考えなければならない』との悲痛な声さえ、財界トップの間で飛び交っています」(外資系証券役員)

 それもムベなるかな、ドイツの有力経済誌ビルトシャフツボッヘの世論調査によると、電気料金の大幅値上げに対し56%が反対を表明、賛成は26%にとどまった。日本はドイツの再生エネ戦略をほとんどそのままマネしているだけに、彼の地の騒動を知った関係者が「ついに風向きが変わった。今度は日本の番だろう」と都合よく解釈したとしても不思議ではない。

 また、そんな腹の内を、新聞やテレビの担当記者が知らないわけがない。ところが電力各社の値上げ申請に際しては「人件費の削減が不可欠」「企業や家庭の反発が必至」などと指摘するだけで、各社の本音が「1日も早い原発の再稼動」であることには、なぜか触れようとしない。
 「電力会社は以前から広告の大スポンサーですし、ほぼ例外なく各社に“御用記者”を抱えている。その面々が電力会社の本音に言及するわけがないし、仮に事情を知らない記者が踏み込んだ記事を書いたところで、デスクあたりが手心を加えるでしょう。特に東電は“財界総務部長”の異名を取った大物が、政界を含めたさまざまな工作を仕切っていた。その伝統が簡単に崩れるわけはありません」(経済記者)

 電力各社の値上げ申請ラッシュは、決して偶然の産物ではない。これでは、冷めた国民の目には“談合”としか映らないだろう。

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