弁護士が食えなくなった原因は司法制度改革にもある。裁判員制度に象徴される司法への一般人の参加促進の一方、欧米に比べて圧倒的に少ない法曹資格者も増やし、法曹サービスを充実させるという狙い通り、この新制度により弁護士の数が劇的に増えた。'05年には2万1185人だったが、7年後の'12年には51%増の3万2088人にまで急増したのだ。
中でも、過払い金返還請求に代表される債務整理を専門とする弁護士が多いことが“食えない”という顕在化の大きな要因といえるのである。
そんな中で“パクリ屋の手先”となる弁護士も少なくない。“パクリ屋”とは、別名“取り込み詐欺”。商品を買えるだけ買って、その商品を売却した後に計画倒産する(もしくは、商品を持って夜逃げする)のが典型的パターン。その片棒を担ぐのが“手先”である。
この“手先”が関与した“パクリ屋”を、刑事事件として扱うのは非常に難しいという。
「当職はA社倒産に伴う債務整理について受任しました。しかし、売掛債権・在庫等の資産がなく、商品を売却した先からの回収も滞っているため、債権者に対する返済ができない…(中略)…債権者各位におかれましては、早急に債権回収の法的手続き等をとられることをおすすめ致します」
これは“手先”と疑われているX弁護士が“パクリ屋”と思われるA社の債権者に対して送付した通知である。
X弁護士として大切なのは、正規に受任して正規の調査を行ったということ。A社として大切なのは、支払う気があったにもかかわらず、やむを得ない事情で倒産に至ってしまったということを弁護士に証明してもらうことである。
こうなると、詐欺罪としての立件が極めて難しい。さらに、このケースでいえば、「法的手続きを自らとるつもりはなく、債権者から破産を申し立てるなら構わない」という姿勢である。破産も甘んじて受ける、しかし、自らは動かないというものだ。債権者から破産を申し立てるにも相応の費用がかかり、回収見込みがない破産申請は行わないという債権回収の常識を知ってのことである。
「このX弁護士は近年、把握しているだけでも5、6件の“パクリ屋”と思われる倒産案件に関与しています」と、某信用調査会社の調査員は証言する。
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