堤一族法廷バトルでも撤退も!? 西武HDがブチ上げた“赤プリ”跡地開発の複雑怪奇(2)

       

 後藤社長の要請に応じて'05年に大枚を出資した米サーベラスは当初、後藤社長の言葉を鵜呑みにして「'08年度中の株式再上場」を期待していたようだ。ところが傘下の西武鉄道はともかく、プリンスホテルの赤字垂れ流しもあって経営の安定化には程遠く、再上場のメドさえ立っていないのが実情。といってこのご時世である。サーベラスが保有する西武HD株を肩代わりしてくれるような物好きなファンドが現れるはずもない。まして西武HDでは創業家が「骨肉のお家騒動」を地で行く法廷バトルを展開中(後述)とあっては尚更のことだ。情報筋が続ける。
 「投資ファンドである以上、株を売り抜いて資金を回収するのは当然の戦略です。ところが西武は再上場のメドさえ立たず、これに苛立ったサーベラスは後藤社長の更迭を画策したようです。が、そこはシタタカな後藤社長のこと、『赤プリを再開発し、このビッグプロジェクトにサーベラスを一枚絡ませることでガス抜きを図る作戦を練っている』とのアングラ情報が飛び交った。これが奇しくも2年ほど前のことです」

 果たせるかな、前述したように西武HDは昨年4月に赤プリを取り壊し、跡地を再開発すると発表した。これを踏まえ、今年の1月末に2棟の高層ビルを建設するとブチ上げたのである。言い換えれば、西武にとっては厄介な大株主に対するテイのいい懐柔策に他ならない。
 果たしてサーベラスが開発事業にどう関与し、どれだけの利益を享受するか見ものだが、実はここに大きな落とし穴が待っている。西武王国に君臨した堤義明・コクド前会長と、異母兄の堤清次氏や実弟の堤猶二氏との血で血を洗う法廷バトルの結果次第では、後藤社長が描いたサーベラスとの“手打ち”シナリオ自体が根本から狂ってくるのだ。

 これには簡単な説明が要る。堤義明・コクド前会長が西武鉄道株を巡る証券取引法違反事件で失脚したのを機に西武王国は再編され、グループの中核会社だったコクドは、'06年にプリンスホテルに吸収合併された。ところが清次氏らは「コクドは創業者の堤康次郎氏時代に社員、OBなどを名義上の株主に据え、実質的な株主は康次郎氏だった」として組織的な名義偽装があったと主張。これを真っ向から否定する義明氏=西武HDと対立、法廷闘争に発展している。
 裁判所が清次氏サイドの主張を認めれば、西武王国を解体した一連の再編シナリオが無効になる可能性が出てくるのだ。当然ながら再上場は更に遠のく。もし、そんな事態になれば赤プリの再開発は棚上げとなるばかりか、後藤社長の責任問題が浮上するのみならず、1400億円を投じたサーベラスの行為自体が“ドブ銭”になりかねない。一族の法廷バトルは、それだけの破壊力を秘めていることは注目に値する。

 むろん、そんな裁判の微妙な“空気”はサーベラス、西武HDとも先刻承知している。従って再開発着工の既成事実があれば、義明氏とガチンコ対決している他の兄弟も腹の内では「西武HDの経営陣に加わるなどの形で了承するのではないか」との淡い期待もあるようだ。
 とはいえ、王国からリタイアした筈の義明氏と後藤社長の“怪しい二人三脚”を指摘する向きがいるだけに、他の兄弟が後藤社長の決断をどこまで支持するかとなると甚だ怪しい限りである。

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2011年2月22日の社会記事

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