再編カヤの外 新日鉄・住金から袖にされた「神戸製鋼」の修羅(1)

       

 神戸製鋼所はどう動くのか−−。国内鉄鋼最大手の新日本製鉄と3位の住友金属工業が、来年10月の合併に向け大きく舵を切った。関係者の新たな関心は両社と株式の持ち合い関係にありながら事前に合併の誘いさえ受けず、テイよく無視された神戸製鋼(4位)がどんな再編カードを切るかに移っている。

 新日鉄、住友金属、神戸製鋼の3社は、鉄鋼再編が世界的規模で急加速することへの警戒心から、買収防衛を目的に2002年から相互に株式の持ち合いを進めてきた。結果、新日鉄と住金はともに神鋼の4.45%を保有し、神鋼は新日鉄の0.77%、住金の2.34%を保有している(新日鉄は住金の9.4%、住金は新日鉄の4.2%を保有)。ところが今回の合併交渉に際し、新日鉄と住金は神鋼をソデにしたのである。
 合併会見で明らかになったのは、新日鉄の宗岡正二社長、住友金属の友野宏社長がともに会見の2時間ほど前に神戸製鋼の佐藤廣士社長に電話し、「両社の合併計画を発表する」旨を手短に伝えたことだ。神鋼関係者の目には信頼関係を一気に突き崩す、両社の抜け駆け作戦としか映らない。しかも、新日鉄の宗岡社長は合併会社が神鋼の大株主として存在感を増すことに対し「神鋼さんがどうのと言うことではない」と斬って捨てれば、住金の友野社長も「スピードを上げるには、この道がいい」と強調。両社がタッグを組んで“神鋼外し”に走ったことを正当化したのである。

 そうであればこそ、唐突な合併報道に神鋼関係者が臍を噛んだのも無理はなかった。ところが、神鋼の衝撃はそれだけに留まらない。
 「新日鉄は昨年暮、かねてから関係が深い日新製鋼(5位)に対し内々に合併を打診したのですが、丸呑みされることへの警戒心から断っており、これを機に新日鉄は住金との商談に突き進んだようです。その日新製鋼が新日鉄から今回の合併を告げられたのは、記者会見の2時間ほど前だったといいます。つまり、神鋼と日新製鋼はほぼ同じ時間帯に知らされたことになるのですが、それでも一度は声をかけられた日新製鋼と違って神鋼には青天の霹靂。要するに新日鉄、住金のスタンスは『株式持ち合いの関係にあるから義理で一応知らせておく』ということ。合併に誘う考えなんて鼻からなかったと知らされたことで、神鋼関係者はガックリ落ち込んでいます」(経済記者)

 もし3社が合併すれば、独禁法上の問題から公取委が難色を示すのは必至。そこで神鋼を外したとの見方も市場の一部にはあるが、数の上では少数派だ。そうである以上、後に神鋼が新日鉄・住金の合併会社に合流するシナリオは考えにくい。
 とはいえ世界的にドラスティックな再編が進む中、神戸製鋼(世界ランク48位)が単独で生き延びられるほど世間は甘くない。

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2011年2月25日の社会記事

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