「出る!」−−。その気概は買うが、かえって迷惑になるときもある。
阪神の正捕手・城島健司(34)が順調な回復をみせている。昨年11月、左ヒザ半月板縫合の手術を受けた。当時は「開幕絶望」と伝えられていたが、予想以上に回復が早く、今ではフリー打撃までやっている。
「甲子園で居残り組の選手に合流し、精力的に練習メニューをこなしていました。3月3日にはブルペンに入り、ボールを受けましたが、なんともなかったようでした。キャッチングの体勢になって大丈夫ということは、左ヒザの状態がいいんでしょう。ただ、ちょっとペースが速すぎるというか、トレーナーやバッテリーコーチがブレーキをかけていました」(トラ番記者)
城島の実戦復帰は、12日の予定。同日は指名打者で入り、翌13日は試合後半、捕手の守備につくという。ここで違和感がなければ、一軍合流になる。
「城島本人は開幕スタメンで試合に出るつもりですよ」(前出・同)
早期復帰は本人の努力もあった。しかし、真弓阪神は城島不在を想定し、オフに捕手の補強をした。
「城島の代役として、楽天からFA獲得した藤井(彰人=34)の立場がない。藤井は岩隈とのコンビ以外、捕手として目立った特徴はありません。こんなに早く城島が復帰できると分かっていたら、矢野の背番号39を継承した小宮山(慎二=25)を鍛えた方がチームのためでもありました」(球界関係者)
小林宏之の人的補償同様、城島の術後の様子をしっかり確認しなかったのは、阪神フロントのミスだ。
繰り返しになるが、無理をして大事に至るのが一番怖い。ダイエー時代、城島はあの世界の王監督にも持論をブチまけたくらいの強硬派。「出る!」と言っている城島を説き伏せるのは、並大抵ではない。
「打撃練習だって始めたばかりです。まだ、後逸を防ぐワンバウンド送球の練習もしていませんし、試合でそういうミスが出るでしょう」(前出・同)
休もうとしない城島が、トラの足を引っ張りそうだ。
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