「エネルギーと消費の革命」を掲げる中国政府が先ごろ発表した“5年で発電能力を約3倍に増やす”との計画に、不安の声が上がっている。
中国のエネルギー消費量は過去10年間で2.4倍に急増しており、とりわけ電力消費量は、産業用、一般家庭での冷蔵庫、エアコンなどの普及で急激に伸び、電力需給の逼迫が続いているという。
「この状況を、原発の増設で打開するというのです。福島第一原発事故で凍結していた新規原発建設を本格化させ、予定では2020年までに計80基以上の原発を稼働する。原発大国化にカジを切ることで環境問題の解決も期待されますが、問題は地震。今回増設される原発は山東半島から広東省の海岸部が大半ですが、内陸部にもある。これらが稼働中に巨大地震が発生すれば、致命的な大事故につながる可能性が高いのです」(外信部記者)
中国の地震といえば四川省が有名だが、実は100年間に起きた国内の地震で55万人の死者が出ている。
「中国ではM8.5以上の巨大地震は10年~15年に1回、M7.0~7.9の大地震は3年に1回発生している。つまり日本並みの地震国といえます。しかも、世界の直下型地震の3分の1が中国国内に集中しているのです」(サイエンスライター)
賄賂が横行し、ライフライン建設などでも当然のごとく手抜きをする中国。原発建設では“完全国産化”を目指すともいわれ、専門家の間では安全性も危ぶまれている。
地震予知の研究で知られる琉球大名誉教授の木村政昭氏が言う。
「中国には、インド亜大陸が北上してユーラシア大陸と衝突して形成されたヒマラヤ造山帯が広がっている。プレートが激しく衝突しているため地震が多いのは当然です。しかも、東側からは太平洋プレートが押してくる。内陸の浅い場所で直下型の地震が多いのも中国の特徴です」
折しも日本では2月12日、高浜原発3・4号機が安全基準に合格した。隣国同士の原発競争の揚げ句、巨大地震で共倒れしないことを祈るばかりだ。
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