だが、そんな堺雅人にも“ダメな時代”はあったらしい。だらしない生活が原因で演出家が彼に激怒したことがあるというのだ。
そんな堺雅人の昔のエピソードが語られていたのは、「女性自身」2020年9月1日号(光文社)に掲載された、渡辺えりと尾上松也の対談。ちなみに尾上は『半沢直樹』にも出演している。
この対談で尾上は、どんなに専門用語がたくさん入った長ゼリフでも初日から完璧に頭の中に入っている堺の準備に敬服したという。また、緊張した尾上をほぐすために「歌舞伎、これから先どうなるの?」と雑談をしに来てくれた人柄も絶賛していた。
その話を聞いた渡辺えりは思わず、若かった頃の堺のエピソードをポロリ。いまの堺からは想像もつかない姿を暴露した。
<堺さん、私が演出した舞台にも出てくれたことがあったんですが、打ち合わせに20分遅れてきたから思わず雷落としちゃって、もっとやさしくしとけばよかった>
堺は1998年に渡辺が演出した舞台「Zenmai」に出演しており、このエピソードは当時のものだと思われる。
その経験は彼にとって重い教訓になっているのかもしれない。堺は2012年に映画『鍵泥棒のメソッド』に出演しているが、その際のインタビューではこんな発言をしている。
<内田監督の現場は楽なんです。監督の指示が的確で、言われたことをやっていれば絶対に面白いものができるという信頼がある。気を付けたことと言えば、遅刻をしないことくらい>(2012年9月12日付「MOVIE WALKER PRESS」)
なにもかも完璧に見える堺にもそんな人間らしいところがあると思うと、なんだか妙に安心してしまうのである。