コラムニストの桐谷ヨウさんによる連載「なーに考えてるの?」がスタートしました。ヨウさんがA to Z形式で日頃考えていることや気づいたこと、感じたことを読者とシェアして一緒に考えていきます。第23回目のテーマは「X=X線」です。
今まで見えてなかったものが見えるようになったときの衝撃唐突ですが、昔からレントゲン写真が大好きです。
一時期、頻繁に整形外科に通っていたのですが、わざわざデータをCD-Rに焼いて渡してもらったりしていたくらいです。俺の写真クラウド環境には歯医者でもらった頭蓋骨やら、腱鞘炎の疑いで撮影した手指やら、CTも含めれば腰椎のデータも保管されております。
なんで? と言われるとむずかしいんだけど、普段は見えないレベルの人体の組織・骨格を実際に見ることが出来るのが、なんとなくワクワクするんだと思います。
さて、レントゲンの歴史を調べたことはないけど、発見&発表されたときのエポックメイキングっぷりはハンパじゃなかったのではないだろうか?
なんといっても肉眼で見えなかったものが、可視化されてしまったのだ。目で見る世界とはちがうものを、写真に残すことができる。これはものすごい衝撃があったにちがいない。
人体の構造といえばジャンルを超越した奇才・レオナルド・ダ・ヴィンチが死体を解剖して、骨や筋肉に関する克明なスケッチを残していたことが有名である。だけど、その人の実態については知る術はなかった。たとえば生きている人間に対して、骨折しているかを確認するためにいちいち解剖でもされようもんなら、たまったもんじゃないわけで。