「怒りを感じる自分」を大事にして【小島慶子のパイな人生】

「個人的なこと」は価値がない?

一昨年、伊藤詩織さんが性暴力被害を告発した時、シャツのボタンを開けすぎだと叩かれました。しかしその後も告発が相次ぎ、霞ヶ関やスポーツ界でもセクハラやパワハラの問題が明るみに出て、性暴力やハラスメントはする方が悪いという当たり前の考え方が次第に浸透しました。

今年の1月にSPA!の「ヤレる女子大学生ランキング」という記事に対して当時学生だった山本和奈さんが抗議の署名活動をした時には、詩織さんのようには叩かれませんでした。山本さんは編集部と話し合いを行い、編集部もその内容を伝えました。女性が怒って声をあげ、対話につなげる行動が賞賛されたのです。世の中は変わらないようで変わっているんですね。

「私怨だ」つまり「個人的なことは価値がない」というものいいは、人の口を塞ぐ行為です。人はみな、個人的な体験を通じて世の中とつながっています。個人的なことに価値がないなら、実感に価値はないということになります。実感に価値がないなら、借り物の理屈だけが公を語ることになります。ひとりひとりの生きる権利を守るための仕組みが公なのに個の実感が軽んじられるという、これ以上の矛盾があるでしょうか。

タレントが世の中に対して意見を述べると「政治的な発言はするな」と言われるのも実は同じ発想によるものです。タレントは私生活や個人的な魅力を売り物にしているのだから、公について偉そうに語るのは身の程知らずだ、という蔑視なのですね。


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