前代未聞のトリッキーな演出から、感動的な場面まで
『MISSION SURVIVOR』から始まった中盤戦は圧巻だった。特にすごかったのは『金八DANCE MUSIC』の特殊効果。“ぽんぽんぽんぽん ギロッポン!”という歌詞の“ぽん”に合わせて銀テープが50回以上発射されるという前代未聞の演出に笑いが止まらない。普通の大人なら考えつかないようなことを発案し、それを実行させた廣田の企画推進力には恐れ入る。続く、安本彩花、廣田あいか、松野莉奈、柏木ひなたの4名からなるユニット“くっつきブンブン”による『いつかのメイドインジャピャ~ン』では、昨年2月に急逝した松野が映像と音声で参加。様々な感情が渾然一体となって体中を駆け巡り、場内は異様な盛り上がりを見せる。さらに『HOT UP!!!』~『サドンデス』と続くエビ中屈指のアッパー曲の連発で、中盤戦にしてクライマックスを迎えた。

その一方で、『まっすぐ』~『靴紐とファンファーレ』~『お願いジーザス』というしっとりとしたパートも設け、じっくり歌を聴かせる場面も。こういったところで彼女たちの歌唱力の向上を実感する。ただ単に音程がとれているということではない。歌に力があり、メンバーそれぞれの感情がこもっていて、それがエビ中独自の表現へとつながっているのだ。彼女たちの歌唱力、および表現力は今や日本のアイドル界においてトップクラスと言える。

『大人はわかってくれない』~『放課後ゲタ箱ロッケンロールMX』で本編を締めくくった後は、熱烈な声援と場内を埋め尽くす黄緑のサイリウムに押されてのアンコール。廣田が敬愛するMrs. GREEN APPLEの大森元貴が手掛けた『シンガロン・シンガソン』から始まり、『ラブリースマイリーベイビー』では各メンバーが自由にステージを駆け回った。