
筑豊ラーメン「山小屋」を展開するワイエスフード<3358>が北米での事業拡大に向け、取り組みを加速させている。
2025年4月30日に子会社化する、米国とメキシコで12店舗(カリフォルニア州地域7店舗、ハワイ1店舗、メキシコ4店舗)のラーメン店を運営する Tajima Ramen(カリフォルニア州)が、Tajima Ramen自体の成長と、ワイエスフードとの事業シナジーを創出する拠点として、スープのセントラルキッチンを兼ねた新店舗を2025年1月にオープンしたほか、将来はスープの製造設備に加えて生麺の製造設備も新設する。
さらに、英国の金融会社キャンター フィッツジェラルド ヨーロッパとの間でワイエスフードの株式を海外の機関投資家に売却することで合意しており、海外投資家へのアピール強化にも取り組む。
今後、ワイエスフードでは山小屋とTajima Ramenの融合による、国内外でのブランド価値最大化を目指すとしている。
製麺技術や店舗運営ノウハウを提供
営業を始めた店舗はカリフォルニア州サンディエゴのTajima Ramen Crown Point 店で、セントラルキッチンでスープを一括製造することで、品質の維持、向上や、効率的な生産体制の確立が可能になる。
これによって、店舗ごとの品質と利益率を高め、グローバル市場での安定した収益確保を目指す。
さらに今後はスープの製造設備に加え、生麺の製造設備も新設する予定で、一層の製品の品質向上とコスト削減を進める。
並行してワイエスフードが日本市場で培ってきた高品質な製麺技術や店舗運営ノウハウと、Tajima Ramenが持つ革新的なメニュー構成や現地でのブランディング力を融合させることで、新規出店を推進し、北米市場全域に事業エリアを拡大する。
クロスボーダーM&Aや海外事業展開を加速
ワイエスフードはTajima Ramen の子会社化の時期を、確認事項や手続に時間を要するとして、当初の2025年1月20日から同年4月30日に変更した。
合わせて、子会社化後に会計基準を日本基準から国際財務報告基準に移行する準備を進めている。
財務情報の国際比較性を高め、海外投資家へのアピールを強化するとともに、今後のクロスボーダーM&Aや海外事業展開などのグローバル戦略を加速させるのが狙いで、移行は2026年3月期を見込む。
海外投資家にワイエスフードの株式を売却することで合意したキャンター フィッツジェラルド ヨーロッパは、すでに2025年1月にワイエスフードの株式の19.89%を新規保有したあと、1.43%売却している。
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文:M&A Online記者 松本亮一
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