
2023年12月に週刊文春にて性加害疑惑を報じられて以降、1年にわたって芸能活動をストップさせているお笑い芸人・松本人志。ついに彼が、今春から活動を再スタートさせようとしている。
『ダウンタウンチャンネル(仮)』の将来
週刊文春を訴え、“裁判に注力する”という理由から、芸能活動を止めていた松本。2024年11月8日には双方合意のもとで松本側が訴えを取り下げ、これから本格的に活動がスタートするかと思われたが、そのようにはならなかった。
毎年審査員をしているM-1グランプリにも登場することはなく、結局、2024年いっぱいは活動が止まったままであった。
そんな中で12月25日に、Yahoo!ニュースにて、松本をインタビューした独占記事が公開された。
記事の中で松本は、家族、相方、後輩、吉本興業、そして応援しているファンにまずお詫びをし、裁判が想定よりも長引いたことが訴えを取り下げる一つの要因になったと話す。
そして今後の活動については、『ダウンタウンチャンネル(仮)』という独自のプラットフォームを制作する予定だと示唆。〈すでに実際に会議もしていますし、来春あたりにスタートしたい。週に何本か見てもらえる番組も作りたいと思っていますし、お笑いをする松本人志を見る場としてはここが最初になると思います〉と明かした。
テレビではなく独自のプラットフォームを選んだ理由については、〈テレビへの決別だとか、反テレビだとか、そういうものではない〉ときっぱり明言しているが、今回の騒動がなくとも、松本がいつかテレビから離れるのは時間の問題だったとテレビ局関係者は話す。
「松本さんがテレビを愛していることは事実ですが、それと同時に限界を感じていることも確かでした。今回の騒動でも松本さんは復帰したいし、制作陣も松本さんを出したいけど、世間の顔色をうかがうスポンサーからNGをつきつけられ、地上波復帰できないという状況になりましたからね。
松本さんがテレビのお笑いに限界を感じているのは、ここ数年に始まったことではありません。1998年から1999年にかけても、テレビ用ではなく映像作品として『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』をリリースするなど、テレビではない場所でのお笑いの表現を模索してきました」(テレビ局関係者、以下同)
若手芸人の単独ライブでも1000万以上の売り上げ
今回の『ダウンタウンチャンネル(仮)』立ち上げについては、ネット上でも『VISUALBUM』の再来を期待する声があがっている。
〈ダウンタウンチャンネル(仮)楽しみすぎる。
〈VISUALBUMみたいなコントやってくれるとしたら加入したいかもなぁ〉
〈早くダウンタウンチャンネルできてほしい 地上波のコンプラ基準が無関係ならこれだけ笑えるってのを見せて欲しい〉
また独自のプラットフォームという形式は、単純に商売的な面でも、非常にうまみがあるとも。
現在お笑い界では配信による利益がすさまじく、とくに吉本興業は自社の配信サービス『FANY』を運営していることで配信にはかなり力を入れている。
実際、どれくらいの売り上げがあるかというと、2024年8月10日開催のマユリカの単独ライブが、8月16日時点で配信チケットだけで5600枚以上売れて、1000万円以上の売り上げをたたき出した。
ダウンタウンが31年ぶりになんばグランド花月で漫才を披露した2022年の吉本興業創業110周年特別公演「伝説の一日」は、10万枚以上のオンラインチケットが売れ、単純計算で2億4000万円の売り上げがあったと言われている。
こうした配信チケットの好調を受け、現在、それほどテレビに出演していない若手の吉本芸人でも、月収が100万を超えることがあるという。
「『ダウンタウンチャンネル』はおそらく、月額定額料金のサービス。ネットフリックスやアマゾンプライムのようなかたちと、オンラインサロンをミックスさせたような形態になると予想されます。
オンラインサロンといえば、キングコング西野亮廣の『西野亮廣エンタメ研究所』が有名で、月額980円を払っている会員が全盛期には約7万人もいました。当時はさんざん叩かれたオンラインサロンですが、現在ではかまいたち、見取り図、山里亮太など多くの吉本芸人がそれに似たサービスをもっています」
毎月1億円は確実…ダウンタウンチャンネルの可能性
「もともと、松本さんが独自のプラットフォームを立ち上げるだけでも相当な会員数を期待できましたが、現在、テレビで見ることができないというのが、逆に大きな追い風となると思います。10万人超えは確実で、月額980円でも、毎月1億円以上の売上が見込めます」
気になる『ダウンタウンチャンネル(仮)』の出演者だが、松本はインタビュー内で〈どんなジャンルであろうが、何をするんであろうが、とにかく一発目は浜田と二人でやりたい〉と、まずは相方・浜田雅功の出演を約束。
そのうえで、今回の騒動で活動がストップしてしまったスピードワゴン小沢一敬や、クロスバー直撃の渡邊センスとも〈一緒にやれたら。そんな意味も込めて、新しい場を作ったというのもあります〉と語っていた。
「騒動で活動がストップした後輩芸人の起用については、浜田さんの助言もあったようです。『まずはあいつらを救ってあげるのが先決やろ』とアイデアを出し、彼らにチャンスを与えるために動いているそうですね。
ただ本当にこの『ダウンタウンチャンネル(仮)』が大成功したら、いよいよテレビの立場がなくなりますね。無料のテレビで顔を売って、あとは有料の独自のチャンネルで……という芸能人が急増しそうです」
あと数か月後にはスタートするかもしれない『ダウンタウンチャンネル(仮)』。いったい、芸能界やテレビ業界にどれだけの影響をもたらすのだろうか……。
取材・文/集英社オンライン編集部