「ごめんなさい、私は死ねなかった…」有名車椅子インフルエンサー(28)が生後3か月の娘を殺害した容疑で逮捕、親権めぐって無理心中か。10月には母になった喜びのインタビュー記事も
「ごめんなさい、私は死ねなかった…」有名車椅子インフルエンサー(28)が生後3か月の娘を殺害した容疑で逮捕、親権めぐって無理心中か。10月には母になった喜びのインタビュー記事も

身長110センチの母親として話題になった車椅子の元キャバ嬢が、我が子を殺害——。警視庁北沢署は11月4日、東京都世田谷区松原の集合住宅内の自宅で長女の優愛ちゃん(生後3ヶ月)を殺害したとして職業不詳・鈴木沙月容疑者(28)を殺人容疑で逮捕した。

赤ちゃんの首の両側や背中、腹にも刺し傷、トイレには包丁が…

鈴木容疑者は自ら「ごめんなさい、私は死ねなかった。赤ちゃんをやった」と110番通報し、調べに対し「夫と離婚の話が進んでおり、親権を取られるぐらいなら娘を殺して自分も死のうと思った」などと供述している。

同署は鈴木容疑者が無理心中を図ったものの死にきれなかったとみて、事件の背景を調べている。

逮捕容疑は11月3日深夜、鈴木容疑者が刃物で優愛ちゃんの頚部や腹部を切りつけるなどして殺害したというもの。4日午前6時40分ごろに本人から110番があり、署員が駆けつけたところ浴室の湯船のフタの上に女児が横たわっており、その場で死亡を確認した。

容疑者は夫と優愛ちゃんの3人家族で、夫は実家に帰省して不在だったという。社会部デスクが解説する。

「鈴木容疑者は事件を起こす以前も離婚をめぐるトラブルと称してたびたび110番通報をしています。直近では今月1日に『娘の親権をめぐって口論になった』と通報、親権は夫が持つ方向になり、夫は実家に帰省、4日にはその夫のもとに優愛ちゃんが行くことになっていた。

殺害された優愛ちゃんは首の両側や背中、腹にも刺し傷があり、トイレには凶器とみられる包丁が落ちていて、鈴木容疑者は『トイレで首を吊って死のうと思ったができなかった』と供述しているようです」(社会部デスク)

「旦那さんは茶髪で短髪、30代くらいのとても優しそうな方」

鈴木容疑者は先天性の骨形成不全症で身長110センチ、車椅子生活ながらキャバクラで働いたり事務所に所属してタレントとして活動したりしていた。その模様を「内藤沙月」の名前でSNSや動画配信サイトで発信するインフルエンサーとして知られていた。

4年前には前夫との間にできた子を死産、離婚の1年後の2023年3月12日に現在の夫と知り合い、娘を出産したことなどをYouTubeで報告。この際に「旦那くん」と称していた夫は、出産前に配信した動画では声のみで出演し、鈴木容疑者との馴れ初めや相性なども語っていた。

こうした活動に既存のメディアも注目、10月にはネットニュースで「身長110cm車椅子の女性、『子どもを産むべきではない』心ない声を乗り越え叶えた“母になるという夢”」という見出しの配信記事を掲載していたばかりだった。

事件現場の集合住宅でも、鈴木容疑者の存在は目立っていたようだ。住人の女性は取材にこう語った。

「今年の春先くらいから見かけるようになって、女性もその旦那さんもとても感じのいい方でした。2人ともですがエントランスですれ違う時に愛想よく『こんにちは』と挨拶してくれていました。

仕事は何をされているのかわかりませんでしたが、普段夕方ごろに小型犬のワンちゃんの散歩によく出かけていました。ワンちゃんの散歩は女性だけだったり、ご主人だけだったり、どちらか片方が連れて行くことが多かったですね。

女性はオシャレして可愛らしい方で、旦那さんは茶髪で短髪、30代くらいのとても優しそうな方に見えましたよ。女性は車椅子に乗っていましたが、それを旦那さんが押したり、2人並んで歩いたり、いつも2人ニコニコ笑いながら話していて、とても仲が良さそうだったので、事件を知って驚いています」

「2人がケンカしているような場面も見たことはありません」

鈴木容疑者と夫との間にトラブルがあるようには見えず、女児の出産にも気づかなかったという。住人女性はこう続けた。

「女性の方を最後に見かけたのは10月でしたね。事件については4日の朝、ウチの主人が仕事に出かける際に『警察がたくさん来ているけど大丈夫か?』と連絡してきて知りました。おふたりは1階にお住まいでしたが、これまで言い争う声が響いたこともないし、2人がケンカしているような場面も見たことはありません。

すべての間取りが一緒かはわかりませんが、1LDKで家賃は約16万円です。オシャレしていましたしお金に困っているような雰囲気には見えませんでした。車椅子に座っているせいか、女性が妊娠していたことにも気づかなかったし、赤ちゃんを見たことも一度もありませんでした。

事件後に友人から女性がTikTokやYouTubeなどで活動していることを教えられましたが、それまでは知りませんでした。普段の印象からは報道のような事件を起こすような方にはまったく見えませんでしたね」

同じ集合住宅に住む男性も、意外そうな表情を見せた。

「8月のことだったと思いますが、車椅子の女性がエントランスに入れなくなって困っていたので、お手伝いした事があります。普段は1人でもエントランスを出入りできるはずなんですが、その日は入り口のスロープ付近に車が停まっていて、段差のある入り口で車椅子の彼女が困っていたんですよ。

彼女は元気な明るい方という感じで、私にも『ありがとうございます』と快活にお礼を言ってくれました。それきり見かけたことはありませんでした。その時の印象でしかありませんが、報道されている事件を起こすような人には見えませんでしたよ」

仲の良かったはずの夫婦の間に何があったのか。授かったばかりの大切な娘を自ら手にかけた鈴木容疑者を追い詰めたのは何だったのか。捜査の進展に注目が集まる。

※「集英社オンライン」では、今回の事件についての情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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