キアヌ・リーブス主演のアクション大作、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』が現在公開中だ。シリーズ最新作は日本も物語の舞台のひとつとなり、スケールアップしたアクションも好評だ。

―シリーズ最新作の本作は日本も物語の舞台のひとつとなっていますが、このアイデアはどこから来たものなのでしょうか?
これまで自分の人生で、常に日本から大いに影響を受けてきたよ。日本の文化が大好きだし、日本映画、日本のアニメ、日本の漫画、マサチューセッツ州のパーマーで過ごした幼少期から、それは僕の一部だった。あまりやることのない場所でね、日本の漫画が置いてある店が一軒あった。両親がビデオデッキを初めて買ってくれて、VHSテープに収められた日本のアニメを観たのを覚えている。あれは1980年代くらいだ。10歳の頃からマーシャルアーツを始め、特に日本のマーシャルアーツを習っていた。柔道、柔術、空手、合気道。ずっと日本へ行きたいと思っていた。そしてついに10代後半に日本でマーシャルアーツを学ぶことになった。
あれから30年、日本に来続けている。だから僕が幸運にも監督という仕事をするようになり、ストーリー作りやビジュアルについては常にアジアや日本の影響を大いに受けてきた。
―そして東京ではなく、大阪が舞台となっていました。
日本中をあちこち旅してきた。東京、京都、広島、名古屋、長野も大好きだ。素晴らしい場所がたくさんある。西洋の観客は東京に慣れ親しんでいると思うけれど、僕は違う都市の異なる雰囲気、日本には他にも都市があることを見せたかった。大阪を舞台にしたらクールだと思った。

―主演のキアヌはもちろんのこと、ドニー・イェン、真田広之などアクションレジェンドの集合した作品を監督する際、心がけていることは何でしょうか?
キアヌ、ドニー、真田広之、マルコ・サロール、スコット・アドキンス、リナ・サワヤマ、全員がスタント、マーシャルアーツ、アクションを伴う演技といった、運動もしくはアクションの経験が何かしらある。だから中国語、日本語、英語、どんな言語を話そうとも、我々には共通言語がある。それは演技に対する美意識だったり、アクションという観点で言うと、<このアクションは何を意味するのか>ということだ。
素晴らしいアクションを生み出す大事な秘密を教えてあげよう。アクションそのものが問題なのではない。

―シリーズ作品の場合、回を重ねるごとにクオリティの維持は大変だと思いますが、見事にアップデート出来ている秘訣・工夫は何でしょうか?
シークエンスではなく、映画全体が大変なことになっているシリーズもので、最初のクオリティに比べて「どうなの?」という映画はたくさんあるよね? あれは作り手がこう作ればよいと方程式をわかった気になっているから向上しない、苦しむ心の準備が出来ていないからそうなるんだと思う。山のように大きな夢がある場合、その山を登る勇気や覚悟、それくらいの辛さを乗り越える気持ちがなければ、あるいは登ることそのものを愛さなければ出来ないことだと思うけれど、キアヌなどはそれが出来る人なんだ。彼は生みの苦しみのプロセスを愛せる人だ。今日1日がめちゃくちゃ大変な日だと分かっていても、今日目覚めることができる。そんな人は多くはないが、これは『ジョン・ウィック』に関わる人全員に言えることなんだよ。
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーブス ドニー・イェン ビル・スカルスガルド ローレンス・フィッシュバーン 真田広之 リナ・サワヤマほか
配給:ポニーキャニオン
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