「医療×IT」を駆使して人々の命を守る 遠隔診療ビジネス

「医療×IT」を駆使して人々の命を守る 遠隔診療ビジネス
「医療×IT」を駆使して人々の命を守る 遠隔診療ビジネス(写真=Thinkstock/Getty Images) (ZUU online 編集部)

かつてSF小説や映画のガジェットだったテレビ電話は、ITの急速な普及で身近になった。SkypeやLINEなどは言うに及ばず、PCやスマートフォンを使ってテレビ電話を活用したコミュニケーションツールは至極当然のように私たちの日常生活に浸透している。

■事実上の解禁でベンチャー企業が相次ぎ参入

そうしたなか、テレビ電話などを活用して医師が患者を診察する遠隔診療への関心が高まっている。遠隔診療は、離島などに住む患者のように、対面診療が物理的に難しいケースを除いて「原則禁止」と捉える医療従事者が多かったが、厚生労働省が昨年出した通知は、同省が過去の通知で示した遠隔診療の適用範囲を、必要以上に狭く解釈しなくてよいことを強調する内容であった。

これが事実上の解禁と受け止められ、医師紹介を手掛けるMRT <6034> やメドレー(未上場)など、ベンチャー企業がサービスの提供を開始する動きが相次いでいる。

■「遠隔診療」が普及すると社会はどう変わる?

遠隔診療とは医師と患者が距離を隔てたところでインターネットなどの通信技術を用いて診療を行う行為。身体の自由のきかない高齢者や、離島に住む人々など場所に限らず等しく診療を受ける事ができるほか、医師の移動に要する負担も軽減されるため、医師不足解消の方策としても期待されている。

遠隔診療が事実上の解禁となったことで、病気になってからの診断・治療はもちろんのこと、未病段階での健康管理や重症化の予防も期待できる。また、病院でのケアだけでなく、地域や家庭といった日常生活の中でのケアが可能となる。

高齢者が要介護状態となっても住み慣れた地域で生活を続けられるほか、通院する時間を持てないことから、治療の中断に追い込まれてしまうような患者にとって、地理的な問題や時間的制約から解放される有効な手段となる。

ただ、課題も多い。普及の壁になっているのが診療報酬だ。さまざまな報酬が入る対面診療に比べると、収入が激減するともいわれ、医療機関にとっては遠隔診療を導入するメリットが薄いとの指摘もある。遠隔診療を医療機関の収入に結びつけるための保険医療制度の整備が急がれる。また、無報酬で通信費や機器の減価償却費を賄うのは困難であり、遠隔診療の運営経費の捻出は重要な課題と位置付けられている。このほか、盗聴に対する不安など、プライバシーの保護を懸念する向きもある。

■「遠隔診療」関連銘柄はこれだ!

「遠隔診療」の関連銘柄には、前述のMRTがある。同社は日本最大級のシェアを誇る医師・看護師を中心とした人材紹介会社だ。システム開発などを主要事業とするオプティム <3694> と、IT医療・ヘルスケア分野にて業務提携を行い、遠隔医療健康相談「ポケットドクター」を共同開発している。

一方、ブイキューブ <3681> は、Web会議などのコミュニケーションサービスを提供し、遠隔診療やネットでのセミナー開催支援も行う。Jストリーム <4308> は、医療領域におけるライブ配信案件の受注策の積極展開などを強化している。

イメージワン <2667> は、医療用画像事業、衛星画像事業を手掛ける。テクマトリックス <3762> は、富裕層向け医療ツーリズム事業を立ち上げている北京ヘルスバンク・テクノロジー有限公司と、中国での遠隔診療事業に関する合弁契約を締結した。NSD <9759> は、米国現地法人のNSDIを通じて、米国のテレヘルス事業に参入し、IT技術を活かした遠隔診療サービスの提供を目指す。また、RVH <6786> の手掛ける「FVT-air」はノートPCやタブレット端末上で医用画像を見るための画質を実現できる。(金融ライター 鈴木ロミオ)

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