最初に知っておきたい不動産投資10の疑問

最初に知っておきたい不動産投資10の疑問
最初に知っておきたい不動産投資10の疑問(写真=The 21 online) (ZUU online)

■「不動産投資」って、どんな投資?

不動産投資に興味はあるけれど、そもそもどんな投資手法で、どのように始めればいいのかわからない。そんな初心者に向けて、不動産投資の基本知識と、大切なことや気をつけるべきことを、不動産コンサルタントの長谷川高氏にうかがった。

■Q1 他の投資手法に比べ、不動産投資のメリット・デメリットは?

株式やFXは、短期間で資産を2倍、3倍に増やす可能性もあれば、2分の1、3分の1になるリスクもあります。

一方、国債や定期預金は、元本が保証されるものの超低金利。賃料を得ることを期待し不動産に投資する不動産投資は、物件の価値が大きく跳ね上がることはありませんが、家賃という収入が得られ、さらにどんなに下落してもその価値がゼロにはならないミドルリスク・ミドルリターンの資産運用法です。

しかし、投資する金額が高額であることや、株式などに比べ現金化するまで多少時間がかかるデメリットもあるので、最初に、空室や家賃低下、地震などに対してリスクヘッジをきちんと考えることが大切です。

■Q2 不動産投資を思い立ったらまず何をするべき?

大前提として、ある程度の資金があることが条件です。頭金が1~2割でもローンが組めることがありますが、数年後に金利上昇や空室が生じたときのリスクを考えると、物件価格の3分の1程度は自己資金を用意するのが安全と言えます。

さらには実地訓練も必須です。本やセミナーで勉強したら、多くの物件をめぐって見る目を養い、複数の不動産業者から話を聞きましょう。不動産投資を成功させる秘訣は、良い不動産業者をパートナーにすること。また、第三者的な立場からアドバイスをしてくれるコンサルタントを見つけることも重要です。

■Q3 信頼できる不動産業者と良い関係を保つには?

不動産市場が沸騰している今、仲介業者には投資物件を求める依頼が増えています。優良物件情報が入ってきたとき、最初にどの投資家に連絡するかは業者の気持ち次第。条件がほとんど変わらないとしたら、やはり好感を持っている投資家が優先されるのです。

物件を紹介されたら、たとえ興味がない物件でも感想を返信だけはするなど、日頃のやり取りでのビジネスマナーは必須です。その中で、なんとなく馬が合ったり、率直に話し合える担当者に出会ったならば、その縁を大切にしましょう。なお、契約を急がせたり、物件の問題点を明確に説明できない不動産業者は要注意です。

■Q4 立地、間取り、外観……物件選びで一番大切なことは?

物件選びで最も重要なのは「立地」です。建物自体は年々価値が下がっていきますから、土地の持つ魅力、つまり「どこに買うか」が肝心です。人口縮小が進む今、どんな物件でも借り手がつく時代ではありません。不動産投資で一番怖いのは空室ですから、多くの借り手が集まる「立地の良さ」は最高のリスクヘッジになります。

現在十分な賃貸の需要があり、さらに、将来においても人口が減りにくいエリアで、物件数と賃貸需要の需給バランスが将来にわたって崩れないであろうエリアを探しましょう。

■Q5 物件を所有するならエリアはどこがいい?

東京などの大都市がお勧めですが、東京でも都内であればどこでもいいわけではありません。

都心・城南エリアをはじめ、自由が丘・恵比寿・中目黒・吉祥寺など、女性誌でよく特集されるようなエリアは人気が高く価格が下がりにくい。ただし価格が高いのが難点です。資金が少ない場合は逆張りの発想を。今は多少寂れていても、再開発地区、新駅設置予定など成長を見込めるエリアがあったら、狙い目かもしれません。

一方、地方都市はほぼ例外なく人口減少をたどっており、リスクは高め。実家があるなど、ある程度の土地勘があるケース以外は投資リスクが高いと言えます。

■Q6 区分所有と1棟物件のメリット・デメリットは?

不動産投資で多いのは、マンションなどの共同住宅の1部屋を購入する「区分所有投資(区分)」と、マンションやアパートの土地建物1棟に投資をする「1棟物件投資(1棟)」です。また、鉄筋コンクリートと木造でも違いがあります。区分所有と1棟物件のどちらが適しているかは投資家や予算次第。それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。

【区分のメリット】

不動産投資の中では比較的少ない資金から始められ、過度な借り入れを起こさずにローンを組んで投資ができます。また、複数の物件(建物)に投資をすることで、地震や環境の大きな変化などにより物件の価値が想定外に下がったとしても、甚大な損害を被るリスクを避けられます。

【区分のデメリット】

異なる建物の部屋を同時に、または1つひとつ増やしながら複数投資をしようとした場合、個人の収入いかんでは金融機関がこれに応じず、2戸、3戸程度でしかローンを組めないケースが出てきます。また、管理費などにもよりますが、1棟物件に比べ、実質利回りが低くなる可能性もあります。

【1棟のメリット】

複数の部屋を所有する1棟物件は、それだけ月々の家賃収入も多くなります。また、鉄筋コンクリートのマンションは長期ローンを組めるので、月々の手取り収入を増やすことが可能。ただし、木造アパートは鉄筋マンションに比べ比較的廉価に購入でき、高い利回りを追求できる利点もあります。

【1棟のデメリット】

購入金額が高く、多額の借り入れが必要となります。大都市圏では、鉄筋コンクリートマンションの場合、総額1億円を優に超えることも。また、木造アパートは、耐用年数の短さから長期のローンを組めません。購入可能額を鑑みた場合、区分に比べ、大都市圏での所有は難しくなるでしょう。

■Q7 希望の物件が見つかったらまず何をする?

とにかく足を運ぶこと。間取りや日当たりなど、建物や設備の面だけではなく、昼と夜で、街の景観や治安、商店街の活気などをよく観察し、そもそも「自分が住みたい」と思う物件であるかを吟味することです。

地元の人に、街の様子やそのエリアの歴史に関する話をリサーチするのもいいでしょう。今の賃貸市場は、物件ごとの勝ち負けが明確です。立地がいい、建物がきれいなど魅力ある物件は人気が高騰し、外観が見劣りする、不便など少しでも欠点のある物件は避けられます。

また、住まい選びでは女性が主導権を握ることが多いもの。デザイン性や防犯面などを家族や友人など身近な女性に、女性目線で見てもらうことをお勧めします。

■Q8 2種類ある収益率。表面利回り・実質利回りとは?

物件情報に掲載される「利回り」。これは正確には「表面利回り」といい、年間の家賃収入÷不動産購入金額で求められる収益率です。あくまで概算なので、これだけでは判断できません。

管理費や修繕費などの経費などを考慮した「実質利回り」で考えなければなりません。適正な利回りは経済情勢などによって異なりますが、最低でも、表面利回り7~8%、実質利回りでは6%程度は期待したいものです。最近は不動産価格が高騰しているので、投資物件の利回りはかなり低くなっています。

【利回り計算】

表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100
実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間の運用経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

■Q9 失敗しないために心得ておくべきことは?

投資の大原則ではありますが、「高いリターンを得るには、必然的に高いリスクが伴う」と肝に銘じましょう。たとえば、地方都市で利回り10%や15%とうたっている物件は、すぐに飛びつかないほうが賢明。多くの地方都市では人口の減少が深刻なので、将来的に空室率が上昇して家賃が低下するというリスクがあります。

高い利回りと高いリスクは表裏一体です。高すぎるリターンを見たら、何かしらリスクを内包していると裏を考える。投資の世界では、ローリスク、ハイリターンは存在しないのです。

■Q10 不動産投資をするにあたり、気をつけるべきポイントは?

「焦らない」「高いときに買わない」ことが大切です。決断力は必要ですが、それはリスクとリターンを把握できるようになってからです。「いい物件を安く買う」ことが「投資」の要諦です。最近は、不動産投資ブームもあり、価格が高く、利回りが低い物件が多くなっています。「ブーム」だけに踊らされ、勢いで購入しようとすると、投資不適格な物件に投資してしまうことになるかもしれません。

不動産熱で熱く盛り上がっているときこそ、冷静さが必要です。最初にも言いましたが、まずはある程度の知識をつけること。そのために勉強を始めるいいタイミングではあるでしょう。

長谷川 高(はせがわ・たかし)不動産コンサルタント 長谷川不動産経済社代表取締役
1963 年、東京都生まれ。立教大学経済学部卒業後、大手デベロッパーにて、ビル・マンション企画開発事業、都市開発事業に携わり、96 年に独立。個人・法人の不動産と不動産投資に関するコンサルティング、全国での講演活動、投資顧問業務を行なう。著書に、『はじめての不動産投資』(WAVE 出版)など多数。(取材・構成:麻生泰子)(『The 21 online』2016年5月号より)

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