「家賃補助」と「住宅手当」。会社によって違うワケ

従業員が住居する住宅に関わる福利厚生の中でよく目にするのが「家賃補助」と「住宅手当」です。

良く見る2種類ですが、その違いはどこにあるのでしょうか。今回はこの2つの違いと、会社によって名称が違う理由を実務と法律、課税視点から解説します。

■実は法律的な区分なし!? 「家賃補助」と「住宅手当」

一見種別が違うように見える家賃補助と住宅手当ですが、法律上は金額もしくは給料・役職等による上限額といった区別は一切なく、「住宅に関わる福利厚生」を家賃補助と呼ぶか住宅手当と呼ぶかは個々の会社に一任されています。そのため会社によって名称が異なる場合があるのです。

そういった事情のため「これが家賃補助、これが住宅手当」と区分はできませんが、「どちらの名称をどういった場合に使っているか」という傾向は存在します。

家賃補助という名称を導入している企業の場合、文字通り「家賃」の補助、つまり対象社員全員に家賃全額には満たない「月〇万円」といった額を支給しているケースがほとんどです。それに対して「住宅手当」というのは「住宅」に対する「手当て」、つまり子どもの数や持ち家など、一定の条件を満たした社員に対して「手当て」として支給している例が多いようです。

とはいえ、区分はあくまで法人がそれぞれ決めるものですので、必ず上記に当てはまるとは限りません。

■税金的な区別もなし!? 意味がない「名称分け」

法律上は「家賃補助」と「住宅手当」双方に違いが存在しないため、税金に関する規定も「名称がどちらであろうと課税対象」であるという形になっており、実質的に「名称分け」には意味がありません。

また「手当」に関しては一定条件を満たせば非課税となることが定められています。その条件とは以下となります。

1. 通勤手当のうち、一定金額以下のもの
2. 転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められるもの
3. 宿直や日直の手当のうち、一定金額以下のもの
(国税庁ホームページより)

住宅手当は非課税基準に抵触するものは一切ないため、仮に家賃補助ではなく手当という形で支給を行っていたとしても、課税対象となります。つまり、住宅手当であろうが家賃補助であろうが税務において一切違いはないということです。

■社宅の場合には家賃補助となる

ただし、社員が社宅に住んでいる場合は税務上の取り扱いが異なります。社宅を貸し出し、家賃を一部負担する場合は「家賃補助」と呼ばれます。企業が借りた建物または部屋を社宅として社員に貸し出す場合、一定額を社員から徴収した上で企業が家賃全額を不動産会社に支払うことになります。

社員は企業から補助を受け取るのではなく、支払う義務が生じるため課税対象ではありません。また、企業にとっても法人名義で賃貸契約をすることにより、経費とすることができます。家賃全額を企業が負担した場合には所得税や住民税がかかってしまいますが、固定資産税評価額を基に毎月一定の金額以上の家賃を社員から徴収することで、給与として課税されなくなるのです。

社員にとっては家賃として支払う金額が同じ場合でも、社宅を借りたほうが税金対策になるというわけです。一般的には企業が用意した物件に住むことが条件とされますが、社員が自ら見つけた部屋を社宅として会社が借りるケースもあります。

■「住宅手当」「家賃補助」実質的な違いは

「住宅手当」「家賃補助」とさも別物であるような印象を与える2つですが、実質的に両者に違いはありません。

社宅である場合を除き、税金面でもどちらが有利になるということもなく、双方ともに「課税対象」のため、名称はあくまで会社ごとの取り決めとなります。そのため、できるだけ大きな額の住宅手当や家賃補助がある企業、または社宅があり家賃補助を行う企業がよい住宅型福利厚生を提供している企業ということになります。(提供:フクリ!)

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2016年12月14日の経済記事

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