【8月米個人所得・消費支出】消費支出は、所得の伸びを背景に堅調、市場予想も上回る

【8月米個人所得・消費支出】消費支出は、所得の伸びを背景に堅調、市場予想も上回る
【8月米個人所得・消費支出】消費支出は、所得の伸びを背景に堅調、市場予想も上回る(写真=PIXTA) (ZUU online)

■結果の概要:実質個人消費支出は前月から伸びが加速し、市場予想を上回る

 9月28日、米商務省の経済分析局(BEA)は8月の個人所得・消費支出統計を公表した。

 個人所得(名目値)は、前月比+0.3%(前月改定値:+0.5%)となり、前月から伸びが鈍化、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の+0.4%も下回った。一方、個人消費支出(名目値)は、前月比+0.4%(前月改定値:+0.4%)と前月と同水準、市場予想の+0.3%は上回った。

 また、価格変動の影響を除いた実質個人消費支出は、前月比+0.4%(前月改定値:+0.3%)となり前月から伸びが加速、市場予想の+0.3%も上回った。

 貯蓄率(*1)は4.6%(前月改定値:4.7%)と前月から0.1%ポイント低下した。価格指数は、総合指数が前月比横這い(前月値:+0.1%)と前月から低下、市場予想(横這い)には一致した。また、変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は、前月比+0.1%(前月+0.1%)と、こちらは前月および市場予想(+0.1%)に一致した。

 なお、前年同月比では、総合指数が+0.3%(前月:+0.3%)、コア指数が+1.3%(前月改定値:+1.2%)となった。

■結果の評価:所得の堅調を背景に消費の伸びが持続

 堅調な個人所得を背景に個人消費支出の増加基調が持続している。さらに、8月は所得の伸びに比べて消費の伸びが高かったことから、貯蓄率も3ヵ月ぶりに低下に転じた。もっとも、雇用不安が後退していることに加え、08年の金融危機前の貯蓄率の水準が2~3%であったことを考慮すると、消費は未だ余力を残しているとみられる。

 一方、価格指数は、コア指数の前年同月比が前月から小幅上昇したものの、FRBが目標とする2%の水準を大幅に下回っているほか、総合指数、コア指数の前月比や総合指数の前年同月比はほとんど伸びておらず、物価が抑制されている状況が持続している。

 15年に入って安定がみられていた原油価格は夏場以降に低迷しており、足元でエネルギー関連の物価には再び下押し圧力がかかっている。FRBは、中国や新興国経済の不透明な状況等を背景に短期的に物価が下振れる可能性を示唆し、9月の利上げを見送ったが、当面物価は抑制された状況が持続するとみられる。

■所得動向:賃金・給与が堅調な伸び

 個人所得は前月から伸びが鈍化したものの、堅調な所得環境が持続している。個人所得の内訳をみると利息・配当収入が前月比+0.2%(前月:横這い)と伸びが加速したほか、賃金・給与が前月比+0.5%(前月:+0.6%)と前月から低下したものの、堅調な伸びを維持している。

 次に、個人所得から社会保障支出や負担などを除いた可処分所得(前月比)は、名目値が+0.4%(前月改定値:+0.5%)、価格変動の影響を除いた実質ベースでも+0.4%(前月:+0.3%)と前月から伸びが鈍化したものの、春先以降はプラスの伸びが継続している。

■消費動向:自動車関連が好調

 次に、個人消費の内訳をみると、財のうち、耐久財が前月比+0.9%(前月:+1.1%)、非耐久財が+0.2%(前月:+0.5%)となったほか、サービスが+0.5%(前月:+0.2%)となった。サービスの伸びが加速したものの、耐久財、非耐久財は伸びが鈍化した。もっとも、耐久財は依然として高い伸びを維持している。

 耐久財では、家具・家電が▲0.5%(前月:+0.5%)と前月から減少に転じたほか、娯楽財等も0.6%(前月:+0.9%)と伸びが鈍化した。一方、自動車・自動車部品は+2.0%(前月:+1.6%)と前月からさらに伸びが加速しており、自動車関連の消費が強くなっている。

 サービスでは、医療関連支出が前月比+0.5%(前月+0.3%)と前月から伸びが加速したほか、住宅・公共料金支出が+1.0%(前月:▲0.3%)と前月からプラスに転じた。これらはそれぞれサービス支出の4分の1程度の割合を占めている。

■価格指数:エネルギー関連は前月比で再びマイナスに転落

 価格指数(前月比)の内訳をみると、エネルギー価格指数が▲2.3%(前月:+0.1%)と15年4月以来のマイナスとなった。

 一方、食料品価格指数は+0.2%(前月:+0.2%)とこちらは3ヵ月連続のプラスとなった。最後に前年同月比では、エネルギー価格指数は▲16.2%(前月:▲15.7%)と、マイナス幅が拡大した。

 マイナス幅の拡大は15年4月以来である。一方、食料品価格指数は、+0.7%(前月:+0.9%)となり、こちらも小幅ながら伸びが鈍化した。

(*1)可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。

窪谷浩
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

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