30代から始める老後の備え。老人ホームの種類と費用

30代から始める老後の備え。老人ホームの種類と費用
30代から始める老後の備え。老人ホームの種類と費用(写真=Sodan) (ZUU online)

30代で未婚。このまま結婚しないで一人暮らしが続けば、将来は老人ホームに入居することになるのかな・・・と、なんとなく思っている方もいるかと思います。

老人ホームに入居する場合、一体いくらかかるのか、どれくらい貯めておけばいいのかが気になりますよね。今回は老人ホームにかかる費用をテーマに解説したいと思います。

■老人ホームの種類と入居条件

一言で「老人ホーム」と言っても、リハビリに重点を置いた「老人保健施設」、常に介護が必要な場合の「特別養護老人ホーム」、同じく常に介護が必要な方向けの「有料老人ホーム」、認知症の方が少人数で共同生活をする「グループホーム」など、サービス内容や目的、費用、入居条件など、その種類は様々で幅広いのです。

施設内での生活も、一通りの事は自分で行い入居前とさほど変わらないような施設もあれば、優雅に余生を過ごす高級ホームもありますし、寝たきりの方が入居している施設もあります。

ここでは大枠で捉えられるよう、運営母体の違いと、介護必要度について書いていきます。まず、「老人ホーム」と呼ばれる施設を大別すると公営と民営にわかれます。

◆公営の老人ホーム

公営には、社会福祉法人や地方自治体などが運営する福祉施設で、「軽費老人ホーム」というものがあります。自治体の助成を受けており、有料老人ホームと比較すると安い利用料でサービスを提供し、主に要支援の高齢者、特に75歳以上の後期高齢者を受け入れています。

それ以外の公営施設として「特別養護老人ホーム」(特養、介護老人福祉施設とも呼ばれています)があげられます。

軽費老人ホームでは、比較的自立した生活をするのに対し、特別養護老人ホームでは、食事、入浴、排泄の介助などの介護が常時必要であったり、寝たきりなどの重度の要介護者の方々が入居します。

また、日中はレクリエーションなどが充実しており、穏やかに過ごせるよう考えられています。基本的に余生を施設で過ごす方が多く、重度の要介護者にとって「終の棲家」的な場所となります。

◆民営の老人ホーム

現在、民間の運営施設で居室数が一番多い介護施設が「介護付有料老人ホーム」です。

介護付有料老人ホームは、原則として65歳以上の方が入居対象です。掃除や洗濯、食事の管理から入浴、排泄まで、日常生活全般にわたる介護サービスが提供される施設です。また、介護サービスだけではなく、胃ろう、気管支切開、認知症などの各種医療ケアが必要な方でも入居可能な施設もあります。

介護付有料老人ホームの特徴は、受け入れる高齢者の要介護度の幅と提供するサービスの幅が広く、施設によって異なることです。また入居一時金や月額利用料も高額な場合が多いので、ホームを選択する際には、サービスの内容や費用をきちんと確認する必要があります。

■増える「サ高住」特徴は?

同じく民間の施設として最近増えてきているのが、「サービス付き高齢者向け住宅」です。

サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上の高齢者または要介護・要支援認定者およびその同居者が入居できます。都道府県知事が策定する基準で認可・登録されたバリアフリー構造の賃貸住宅であり、基本的には自立した生活をする健常者の方から要介護状態の方まで、施設によって異なりますが、様々な状況の高齢者の方を受け入れています。

サービス付き高齢者向け住宅で提供されるサービスは、居住者の必要に応じて異なりますが、基本は常駐の介護スタッフによる見守りや生活相談です。一部の施設では介護職員による食事や掃除、洗濯のサポート、看護師などによる入浴・食事・排泄の介護など、介護付有料老人ホームとほぼ同様のサービスも行っています。

サービス付き高齢者向け住宅は、介護付有料老人ホームと比較すると安い価格帯の施設も多く、選択肢の幅が広いことから、特別養護老人ホームへの入居を待つ方が、一時的な住まいとして利用することも多いようです。

■「要介護度」チェックを

公営・民営に続いてチェックしたいのが「要介護度」です。老人ホームや高齢者向け住宅を探す際に、必ずチェックする必要があるのが入居条件です。

条件の一つは要介護度。大きくは「自立(要介護認定なし)」、「要支援」、「要介護」に分かれます。

例えば、公営の特別養護老人ホームに入居を希望する場合は、入所条件は「要介護3以上」です。心身の状態が安定せず、常に介護が必要など介護支援の高い人が対象となります。

民営と比較すると費用が安い特養は、現在入居待ちの方が約52万人いると言われています。

*2015年の介護保険改正では、入所条件をこれまでの「要介護1以上」から「要介護3以上」にしたため、特別養護老人ホームは、「より重度の人のための施設」になりました。(関連コラム:急に訪れる親の介護。今から始める老後の備え)

それに対して、民営の介護付き有料老人ホームは施設により様々な基準ですが、自立の方、要介護1~5の方まで、幅広く入居可能です。

■老人ホームの入居費用。相場はどれくらい?

では入居費用の相場はどのようになっているのでしょうか。皆さん、「なんだか高そう・・・」というイメージをお持ちではないでしょうか?

特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、介護施設の種類や、入居者の要介護度・健康状態により入居費用や月額で必要になる費用が異なってきます。その他、食費や医療費等も必要になってきますので、介護保険の制度なども含めて事前にしっかりと確認をしましょう。

◆特別養護老人ホームの費用

特別養護老人ホームでは、一時金などの初期費用は必要ありません。入居後に月額費用として、介護サービス費と生活費(居住費・食費・その他日常生活費)を自己負担することになり、月平均で10万円程度です。(要介護度などに準ずる)

◆介護付き有料老人ホームの費用

続いて介護付き有料老人ホームは初期費用0円の施設もありますが、高いと数千万円です。さらに、月額費用が12万~30万円が相場です。

◆サービス付き高齢者向け住宅の費用

最後に、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金は、施設の場所・設備などにより0円~数百万円が相場のようです。月額費用も、10万~30万円程度と選ぶ施設により大きくことなります。

特別養護老人ホームや、サービス付き高齢者向け住宅などは、有料老人ホームと比較すると、費用的には低額となりますが、やはりお金はかかりますね。理想の老人ホーム生活を送るためにも、早めの準備が必要かもしれません。

■月々の支払い。年金で済むような施設はあるか

入居一時金は貯金したいけど、せめて月々の費用は年金範囲で・・・と思う方もいるかもしれません。ただ、一口に「年金」といっても、受給する年金が国民年金か、厚生年金かという違いや、厚生年金でも、納めた額によって受け取れる額にかなりの差があります。

例えば国民年金ですと、現在は満額で年間78万6500円、つまり月に直すと6万6000円ほどです。厚生年金の方は月に10万円以上の方が多いかと思います。となると、先ほどの各ホームの費用を考えてもやはり年金だけでは厳しいのが現状ではないでしょうか。

まだ30代の方は老後を迎えるまでには時間があります。今から効率よく貯蓄をする習慣を始めたり、まずはご自分の年金額がどのくらいかということがわかる資料などを持って、専門家に相談に行ってみてはいかがでしょう。

一人で抱え込むのではなく、誰かと一緒に考えてみると、気持ちも楽になってきますよ。

水野綾香(ブロードマインド株式会社の女性ファイナンシャルプランナー)

(提供:Sodan)

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