本当に新車に安く乗れるの? 「残価設定ローン」って何?

本当に新車に安く乗れるの? 「残価設定ローン」って何?
本当に新車に安く乗れるの? 「残価設定ローン」って何?(写真=Thinkstock/Getty Images) (ZUU online 編集部)
       

クルマの購入には、(1)現金一括、(2)頭金を準備してローンを組む、(3)全額ローン、(4)残価設定ローン・リース……など様々な方法がある。そのなかでも「残価設定ローン」は月々の支払いが安く魅力的に感じる人も少なくないだろう。しかし、残価設定ローンが普通のローンと何が違うのか? どのような仕組みなのか? イメージしにくいことも確か。今回は、残価設定ローンについて、どのようなメリットやデメリットがあるのか。どのような人に向いていて、どのような人に向いていないのか考えていこう。

■「残価設定ローン」とは何か? どのような仕組みか?

「残価設定型自動車ローン(以下、残価設定ローン)」とは、新車購入から3~5年後の車両下取り価格(残価)をあらかじめ設定しておいて、購入金額からこの残価を差し引いた残りの金額でローンを組むという方法だ。残価を設定する分、借り入れする金額が全額ローンにするより少なくすむため、頭金なしで全額ローンを組む場合は、この残価設定ローンの方が月々の支払額が安くなる。

たとえば、200万の車に3.9%の全額ローンを組む場合は、月々の返済額は5万8959円となる。一方残価設定ローンで、残価が74万741円と設定される場合、200万から差し引いた約126万円でローンを組むことになる。金利が全額ローンと同じ3.9%の場合月々の返済額は4万500円(初回は4万3977円)となり月々の支払は全額ローンよりも1万8459円も安くなるのだ。

ちなみに設定した期間満了の際は、次の3つの方法から選択する。

 (1)クルマを返却する
 (2)新車に買い換える
 (3)クルマを買い取る(残価を一括で支払うか再度ローンを組む)

リースの場合は返却が義務であるが、残価設定ローンの場合は期間満了後の利用方法を柔軟に選ぶことができるのも特徴だ。

■まずはメリット・デメリットを理解しよう

月々の支払い金額が安くなり、期間満了後は自由な選択ができる。このように書くとメリットが大きいように見られがちである。しかし、当然のことながら「残価設定ローン」にもデメリットがある。以下に主なメリットとデメリットを列挙したい。

【メリット】
・月々の負担が軽い。
・期間満了時、人気の有無によって下取り価格がかなり低くなることがあるが、そのような場合でも残価設定されているので買取価格が保証されている。需要が高く人気があるなど場合によっては販売店が残価設定額を見直してくれることもある。
・5年など長期の場合はその間の車検がついてくる。
・普通の自動車ローンよりも金利が安いこともある。

【デメリット】
・残価保証はあるが、その期間での走行距離が規定を超えると残価設定額が減額される。ローン会社によって基準は様々だが、おおよそ1年の走行距離が1万キロメートルから1万5000キロメートルである。通勤や旅行などで利用が多い人には向いていない。
・事故や修理履歴があると残価が下がる。事故はいくら自分が気をつけていても駐車している間に当て逃げされてり、過失のないもらい事故にあうこともあるので注意が必要だ。
・シートの汚れやタバコのにおいなど利用状況によっては残価査定が下がる。
・ドレスアップなど仕様に凝ってしまうとノーマルに戻す必要があるので、費用がかかる。

■自分のクルマではなく「借りているクルマ」

上記メリット・デメリットを見れば、残価設定ローンが自分に向いているか感覚的に理解できる人も少なくないだろう。なによりも重要なのは、残価設定ローンの所有者はあくまでディーラーという点だ。つまり、ディーラーから「借りているクルマ」であるという意識を忘れてはならない。残価を設定しているとはいえ、その価格設定はキズ一つつけずに綺麗に扱うことが大前提である。

このことを踏まえると、残価設定ローンに向いているのは、「定期的に新しいクルマに乗り換えたい」「走行距離はさほど多くない」「クルマは綺麗に扱える」人が該当する。

一方、向いていない人は、「クルマを自由に使いたい」「小さい子供がいるのでシートを汚してしまう可能性が高い」「魚釣りが趣味で車内に臭いがつきやすい」「ヘビースモーカーでタバコの臭いが車内に染み付いてしまう」「うっかり事故を起こしやすい」「日常的な通勤や、長距離ドライブが趣味で走行距離が長くなる」「クルマのカスタマイズが好きだ」「残価設定した期間が満了する前にクルマを買い替えたくなるかもしれない」など、借りているクルマを利用する前提に合わない人は、残価設定ローンの利用は向いていない。

期間満了後もクルマを所有することが明らかであれば、最初から全額ローンにしたほうが金利負担は軽減される。「月々の支払額が低い」との理由だけで、短絡的に残価設定ローンを選んでしまうと、期間満了後に再度ローンを組むことになり、かえって金利負担が重くなる。

ライフスタイルは人それぞれである。まずは残価設定ローンが、自分のライフスタイルに合っているか、じっくりと吟味することが大切であろう。

稲村優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFPR)、心理カウンセラー
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆業務を行い、テレビ・新聞・雑誌などのメディアでも活躍中。FP Cafe登録FP

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2016年2月14日の経済記事

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