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【完全解説】ミッドサマーをネタバレ解説!明らかになる物語の真相とは!?

クマミ

更新日:

2020年日本で公開したアリ・アスター監督作品、「ミッドサマー」

公開当初は「カップルでこの映画をみると別れる」といわれ話題になりました。

今回は、ミッドサマーを未鑑賞の方や鑑賞済みの方に向けて、


ミッドサマーってどんな話?


あのシーンの意味や解説が聞きたい!


自分が耐えれるくらいの怖さなのか不安…


といった疑問や悩みを解決できるような記事にしてみました。

本記事を書くにあたって鑑賞した筆者的には「絶対にカップルで見ちゃいけない作品だ!」

と前評判の噂は間違っていなかったんだと感じました笑


しかし、それ以上にホラー映画の枠を超えて人間の感情を抉り出した傑作でもあるとも感じます。


それでは、いってみましょう!!!

目次

唯一無二のフェスティバルスリラー!ミッドサマー概要


タイトル:Midsommar(邦題:ミッドサマー)


アメリカ公開:2019年7月3日

スウェーデン公開:2019年7月10日

日本公開:2019年2月21日


製作会社:スクエア・ペグ、Bリール・フィルムズ


配給:A24、ノルディスクフィルム(日本配給: ファントム・フィルム)


ホラー映画といえば、暗闇の中でうごめく正体不明の何かが登場人物に襲い掛かる…。

なんてイメージが多いですよね。


しかし、本作ミッドサマーは明るいホラー映画なんです!


「何が明るいの…?」


と言われたら、ほとんど全てとしかいいようがない。

舞台となるホルガ村の人々はとても明るく仲良く暮らしているし、白夜の気候はほとんど夜がなく物語も日中のシーンが全体の9割を占めています。

夏至祭と言われるお祭りに合わせて音楽も民族のお祝いに向けたほがらかなナンバーが作品を彩ります。


これだけ聞くと


「ホラー映画なの…?」


となりますが、ご安心を!

そんじょそこらのホラー映画より怖い、かなり恐ろしい作品でもあるのです。


あなたが思い込んでいたこれまでのホラー映画の概念を打ち崩す、「怪奇祭典物語(フェスティバルスリラー)」。


それがミッドサマーなのです!


ミッドサマーあらすじ(ネタバレなし)


映画ミッドサマーあらすじ

大学生のダニーは恋人のクリスチャンに執着する大学生。

ある事件をきっかけにその思いはさらに強くなるが、クリスチャンは内心重荷に感じていいた。

大学で民俗学の研究をしているクリスチャンは仲間内でスウェーデンにある独自民族による9日間の大祭、ミッドサマーに参加する計画を立てる。

成り行きでダニーもスウェーデンへの旅行に参加することになるが、クリスチャン含む仲間内ほとんどがダニーを煩わしく思っていた。

大祭が行われるホルガ村で優しい住人の手厚い歓迎を受けるダニーたちであったが、祭りが進むにつれて一行は祝祭の本当の意味を知ることになる…。


ミッドサマーは恋人クリスチャンに依存しがちのダニーが主人公のストーリー。

恋人生活がマンネリ気味の二人はひょんなことからスウェーデンの森奥にあるホルガ村へ旅行にいくことになり、物語が展開されていきます。


「カップルでこの映画をみると別れる」と言われているのはこれが所以。


なんともこのマンネリ感がリアルでありそうなんですよね…笑

恋人と一緒にみると、こんな感情抱いたことあるよね…と嫌な共感の連鎖が続きます。

ホラー映画はデートムービー的な楽しみ方ができるものが多いような気がしますが、この映画は絶対に恋人と一緒に見ないでください。


なんなら恋人がいる人にはオススメできません笑

大事なことなので繰り返しいいますが、この映画は絶対に恋人と見ないでください!


ミッドサマーキャスト・スタッフ

【監督・脚本】

アリ・アスター


【キャスト】

ダニー:フローレンス・ピュー

クリスチャン:ジャック・レイナー

ジョシュ:ウィリアム・ジャクソン・ハーパー

マーク:ウィル・ポールター

ペレ:ウィルヘルム・ブロングレン

マヤ:イザベル・グリル

シヴ:グネール・フレッド

ウラ:リヴ・ミヨネス

サイモン:アーチー・マデクウェ

コニー:エローラ・トルキア

ダン:ビョルン・アンドレセン


ミッドサマーの監督兼脚本を務めたのは、現在30代の若手監督アリ・アスター。

本作ミッドサマーは長編映画2作品目となります。


前作で長編デビュー作品である『ヘレディタリー/継承』は、「21世紀最も怖いホラー映画」と評価され様々な雑誌に取り上げられました。



続く本作でも、斬新かつ洗練された脚本とそれを再現する表現力の高さなどが話題となっています。

アリ・アスター監督の映画ではシンメトリー(左右対称)が効果的に扱われ、その綺麗すぎる構図が逆に不安を煽るところが特徴です。

出典:Amazon


これは巨匠スタンリー・キューブリックが作り出した今もなお愛されるホラー映画「シャイニング」のリスペクトを感じさせます。


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恐怖の原体験を踏襲しつつ、新進気鋭の表現を生み出す彼のフィルモグラフィーに今後も期待がかかるところ。


そんな本作の主人公ダニーを演じたのは、フローレンス・ピュー。

2014年からテレビや映画で活躍中の女優さんです。



2016年公開のイギリス映画「レディ・マクベス」で批評家から演技を高く評価され、複数の賞を受賞しました。

昨今ではアカデミー賞受賞作品「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」や今後公開されるマーベル映画「ブラック・ウィドウ」にもキーマンとして出演が決定しているなど今後も活躍が期待されます。


インタビューにて泣く演技ができなかったと語るピューさんでしたが、今回の撮影を経て何か掴むものがあったんだとか。

作中何度も辛い目にあい、そのたびに泣いてしまうダニー。


何かを掴んだフローレンス・ピューさんの泣く演技に注目です。


物語の脇を固める俳優陣にも注目。

映画「デトロイト」で共演したジャック・レイナーウィル・ポールター、40代にして大学生の役をこなしきったウィリアム・ジャクソン・ハーパーなど豪華な演者が一筋縄ではいかない個性的なキャラクターを演じています。



記号的にはいかない善し悪しのある登場人物が物語の展開を大きく動かしていくのが本作の特徴。


「うわ!コイツ最低!」

「やってくれたな!」


映画を見て不快な気持ちになったのならば、彼ら脇役の演技力を讃えましょう!


個人的に度肝抜かれたのが、マヤ役を演じたイザベル・グリルでした。

少ない役どころにも関わらず要所要所で見せる怪しげな瞳と華奢な演技に魅せられっぱなしです!


ミッドサマーが視聴できる動画配信サービス


ミッドサマーを見ることのできる動画配信サービスは5つ。

しかし、いずれのサービスでも有料のレンタル作品となってしまっています。


日本では2020年公開ということもあり、まだまだ新作扱いとなっているようです…。


ミッドサマーが視聴可能な動画配信サービス表

サービス名

ミッドサマーレンタル料金

U-NEXT

399円

Amazon Prime Video

407円

dTV

410円

Rakuten TV

440円

ビデオマーケット

440円


U-NEXT(ユーネクスト)ならミッドサマーを無料で視聴可能!


U-NEXT(ユーネクスト)では31日間サービスを無料で利用できるトライアル期間があります。

無料トライアルでは、登録後にもらえる600ポイントを利用すれば有料レンタル作品のミッドサマーも視聴可能。


期間中に解約すれば、月額費用は発生しないので実質無料で楽しめます!


気になった方は、ぜひ登録してみてくださいね!


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【鑑賞注意】ミッドサマーはグロい?


Twitterでミッドサマーと調べると中には「見なきゃよかった…」というような口コミ意見が。




特に、「グロい!」というような意見が多く見られました。

確かにショッキングな映像が多い印象です。


「死体」「臓器」「人体破壊」などの生々しいグロテスクな映像表現がある作品になりますので、そういったものが見れないという方には鑑賞注意作品となっています。


ミッドサマーのネタバレあらすじ


ミッドサマーのネタバレあらすじを紹介していきます。

以下はネタバレを含む内容になりますので、未鑑賞の方はご注意ください。


※ネタバレ注意※↓ネタバレ注意↓※ネタバレ注意※


【起】家族を失うダニー

出典:Amazon


ダニーは親と離れて妹と暮らす大学生。

ある冬の日、精神疾患を抱える妹が失踪してしまう。


ダニーは妹が失踪したことを親に連絡するが、電話は繋がらない。

ダニーは恋人のクリスチャンに電話をかけ自身の不安を吐露する。

クリスチャンは心配のしすぎだとダニーをなだめるが、ダニーの心配は収まらぬままであった。


恋人であるクリスチャンはダニーに執着されていることに、たびたび重荷を感じながら付き合っている。

民俗学を研究しているクリスチャンは仲間内でもそのことを相談し、別れるようにアドバイスを受けていたが別れ話を切り出せていない。


再びダニーから連絡のあったクリスチャンはしぶしぶ電話に出るが、電話口のダニーは大きな声で泣き叫んでいた。


失踪した妹は、実家で自動車の排気ガスを吸い込んで自殺してしまっていた。

就寝中であった両親もこれに巻き込まれダニーは家族を失ってしまう。


取り残されたダニーはかけつけたクリスチャンの元でただただ泣きわめくだけであった。


【承】ペレの故郷で行われる「9日間の大祭(ミッドサマー)」


事件から翌年の夏。

クリスチャンは大学の留学生ペレの故郷であるスウェーデンへの旅行を計画していた。

ペレの故郷ホルガ村はヘルシングランドにある小さな村で、その集落は生活空間や信念を共有する独自のコミューンを築いている。


共同体として暮らすホルガの人々は毎年夏に夏至祭(ミッドサマー)を行っており、ペレは友人たちをこの祝祭に誘っていたのだ。

ペレとクリスチャンに加えて民俗学に熱心なジョシュ、スウェーデンの魅力的な女性に憧れているマークの4人は、約2週間の旅を楽しみにしていた。


しかし、クリスチャンは旅行のことをダニーに話していなかった。

家族を失ったダニーは以前にもましてクリスチャンに執着し依存するようになっていたのだ。

精神が不安定なダニーを置いて旅行にいくうしろめたさから、そのことを言い出せずにいた。


クリスチャンと友人が一堂に会する場についてきたダニーは突然、旅行のことを知り驚く。

何故一言もいってくれなかったの?とダニーはクリスチャンに問い詰めるが、クリスチャンは曖昧な受け答えしかできない。

体裁を保つためにクリスチャンはしぶしぶダニーを旅行に誘い、ダニーも旅行に行くことになるのであった。


ペレは故郷の祝祭にダニーが来てくれることを喜んだが、それ以外のメンバーはダニーを煩わしく思いながらも旅行の同伴を承諾する。


スウェーデンのヘルシングランドに到着した一行は、マジックマッシュルームを服用する。

ダニーのみバッドトリップに陥ってしまい草木が自分から生えている幻覚や、死んだ家族の幻覚をみてしまうのであった。


意識を失っていたダニーはクリスチャンに起こされる。

白夜で常に明るいヘルシングランドで一日が経過していた一行は、目的地のホルガ村へと歩き出す。


森の奥地を歩いていくと金色の太陽を模したようなオブジェが見えてきた。

オブジェはホルガ村への入口であった。

特徴的な白い装束を身にまとったホルガの人々が笛などで音楽を鳴らしながらダニーたちを出迎えた。

自然豊かな森に囲まれたホルガ村は住民も穏やかで温かく、手厚い歓迎に一行は喜ぶ。


そして夏至祭を始める儀式が行われた。

祭壇に昇るホルガの長老シヴは、今年の夏至祭は90年に一度の大祭であると話す。


歌いながら手を繋ぎ儀式を行うホルガの人々を見て、素晴らしい村だと感じるダニーたち。

彼らは独自の文化を形成していて寝床も共にする。

古代の文字体系ルーン文字を使ったり奇妙なタペストリーやオブジェを扱ったりする彼らの生活様式に一行は興味津々。


ホルガ村にとって次の90年を繋ぐ大切な9日間の祝祭が始まるのであった。


【転】アッテストゥパンとルビ・ラダーの書物


ホルガ村に到着した日が誕生日であったダニーはペレにダニーの自画像絵をプレゼントされる。

とても嬉しいと喜ぶダニーであったが、肝心の恋人のクリスチャンはダニーの誕生日を忘れていた。


ペレにこっそりダニーの誕生日を知らされたクリスチャンは慌ててホルガのケーキで誕生日をお祝いする。

ダニーはクリスチャンに対して呆れ始めていた。


翌日、アッテストゥパンという儀式に参加することになるダニーたち。

聞き慣れない言葉にどんな儀式か訪ねるダニーたちだったがペレは答えてくれなかった。

二人のホルガの老人が白い装束と違う灰色の装束を着て現れ、巨大な崖まで移動する。


老人たちは崖に上がり儀式を行っているようだったが、他の住民と共に崖のふもとで見上げているダニーたちには何をしているか見ることができない。


しかし次の瞬間、老人たちは崖を飛び降り死んでしまった。


ホルガの人々は命がリサイクルされるという死生観を持っている。

アッテストゥパンとは72歳を超えた高齢者が死ぬことで、命の循環が行われる遥か昔からの風習のことであった。

再び命が廻ることは人々にとって大いなる喜びであるというホルガの住民たちの価値観に衝撃を受けるダニーたち。


アッテストゥパンの出来事を機に、ダニーたちはそれぞれ考えが食い違い始めてしまう。


ペレと同じ留学生のイングマールが連れてきた恋人同士のコニーとサイモンは、凄惨なアッテストゥパンを見てホルガの人々を侮蔑し、一刻も早く村から出たいと思うようになる。しかし、サイモンは突然いなくなってしまった。

自分を残して村を出ることはありえないと思ったコニーはサイモンを探し始めるが、彼女もまたダニーたちの前から姿を消してしまう。


スウェーデンの綺麗な女性目当てに旅行に来たマークは、唯一アッテストゥパンを見ていなかった。


戦慄しているダニーたちとは違いホルガ村を退屈に感じていたマークは、ホルガ村で一目惚れしていた女性に誘われダニーたちの前からまたも姿を消す。


ダニーはペレに何故私たちを招待したのかと問い詰める。

ペレは真摯に謝罪した上で、考え方は違えど大切なホルガの家族たちの姿を見てもらいたかったんだと付け足した。

ペレはダニーが家族を失ってしまった気持ちを汲み取りつつ、恋人のクリスチャンは本当にダニーのことを大事にしているのかと聞いた。

手を握り問いかけるペレに対して、ダニーは言葉が詰まってしまっていた。


論文のテーマが決まらずに悩んでいたクリスチャンは、アッテストゥパンの衝撃的な体験を受けてホルガ村を論文のテーマにしようと企てていた。

勉強熱心なジョシュにそのことを告げると、ジョシュは激しくクリスチャンを批判する。

元々論文のためにこの旅行を行くことにしていたジョシュは、自分の研究の邪魔になってしまうクリスチャンの言動を信じられないと責め立てる。

ジョシュの批難をなんとも思わないクリスチャンは論文を書くためにホルガ村の人々に取材を始めた。


論文を書くために別で取材をしているジョシュは、アッテストゥパンを行う際にも読まれていたホルガ村の聖典、ルビ・ラダーについての取材に成功する。


聖典を論文に引用したいと考えたジョシュは、ルビ・ラダーの写真を撮ってもいいかと尋ねるが絶対に駄目だと拒まれた。

なんとか写真を撮りたいジョシュはみんなが寝静まった真夜中にルビ・ラダーの倉庫に忍び込む。

しかし、突然現れた何者かによって鈍器で襲われてしまう。

倒れたジョシュの前に剥ぎとられたマークの顔の皮を被ったものが現れた。


それぞれの思いを抱いた1日から翌日、いつもと変わらずホルガの人と食事をするのはダニーとクリスチャンのみになっていた。


【結】メイクイーンが誕生し生贄の儀式が行われる


行方がわからない人々たちへの心配をよそに、夏至祭は続いていく。


ダニーはこの日行われる儀式、メイポールダンスに参加することに。

メイポールダンスは女性たちが花冠をつけ、ルーン文字を模した大きなポールの周りを踊り続けるという儀式。

倒れたり、ぶつかったりしたものは抜けていき最後に残ったものがその年のメイクイーン(女王)として祝われる。


ダンス前の仕来りとして、用意されたお茶を飲んだダニーは祭りの前日に引き起こしたトリップを再び起こすがダンスが始まってしまう。

踊り続けるダニーは、ダンスをする中でホルガ村の人々のスウェーデン語を理解するようになる。

ダニーと言葉が通じる喜びを分かち合っていたホルガ村の娘が横の人とぶつかり倒れると、残っていたのはダニーのみ。

ダニーはメイクイーンを勝ち取ったのだ。


メイクイーンだけがもらえる特別な花冠を添えられるダニー。


ホルガ村の人々はダニーの周りを囲んで祝福した。

大勢に囲まれるダニーは幻覚でその中に死んだ家族の姿を見つけるが、彼女は周りにたくさんの人がいることを喜んでいた。


一方クリスチャンはダニーがメイポールダンスを踊っている間、長老のシヴから部屋に呼び出されていた。

シヴはクリスチャンにホルガの女性マヤとの性行為を許すと告げる。

マヤはこれまでにクリスチャンに近づくようなそぶりを見せていた赤毛の女性である。

思い当たりのあるクリスチャンはシヴの発言に動揺を隠せずに部屋を出た。

メイポールダンスを終えた女性から謎の飲み物を差し出されたクリスチャンは、戸惑いながらも飲み干す。

クリスチャンはメイクイーンとなり大勢の人に囲まれるダニーを孤立しながら眺めていた。


ホルガの人々と打ち解けたダニーとは裏腹に、クリスチャンの精神は不安定に。

錯乱したクリスチャンは自我を保てず誘われるようにマヤについて行ってしまう。

ダニーはメイクイーンとしての儀式を行うために13人の侍女に連れていかれる。

ダニーとクリスチャンは離れ離れになっていくのであった。


クリスチャンは案内された場所で、精力を高めるおまじないをかけられマヤが待つ部屋へいざなわれる。

そこにはマヤとマヤを取り囲む12人の全裸の女性が待ち構えていた。


セックスを祝うかのように歌っている女性たちは、クリスチャンとマヤが性交を始めるとマヤとクリスチャンに呼応するように喘ぎ始める。


メイクイーンとしての儀式を終えたダニーは、喘ぎ声の大合唱が聞こえてきてしまう。

クリスチャンとマヤがセックスをしている姿を目撃してしまったダニーは嘔吐しながら泣き出す。

泣き叫ぶダニーを13人の侍女が取り囲み、同じように泣き叫んだ。


出典:Amazon


性交を終えて正気に戻ったクリスチャンはその場を逃げ出すが、走り出した先の庭に埋まっているジョシュの足を見て絶句する。

鶏小屋に駆け込んだクリスチャンは、さらにそこで行方不明になっていたサイモンが皮を剥がれて内臓がむき出しになっている姿になっているのを見つける。

恐怖におののくクリスチャンは、ホルガ村の人々に捉えられ意識を失ってしまうのだった。


クリスチャンが意識を取り戻すと、そこでは生贄の選定が行われている。

ホルガ村の人々によってクリスチャンは喋ることができず体を動かすこともできない植物人間状態にされていた。


9人の生贄が必要という儀式は、ホルガの人々4人と外から来たもの4人、そしてメイクイーンが選ぶ1人で構成される。

既に飛び降り自殺をした老人2人に加えて、イングマールとウルフが生贄に志願する。

外から来たものは、サイモンとジョシュマークに加えてコニーが生贄となってしまっていた。


最後に選ばれるメイクイーンの生贄に、ダニーは迷わずクリスチャンを指名する。

動けないクリスチャンは死んだ熊の中に入れられ黄色い三角形の建物に移動させられる。


生贄用に装飾の施された死体とまだ生きているイングマールとウルフに囲まれたクリスチャン。


その神殿に火がつけられると勢いよく燃え上がった。

生きているウルフは火が燃え移り大きな叫びを上げる。


神殿を見守るホルガの人々はウルフの叫びに同調するかのように激しく取り乱し始める。


ホルガの人々に囲まれ同じように泣き出し取り乱すダニーであったが、燃え尽きた神殿を見つめると静かにほほ笑むのだった。


【補足】物語を補足するディレクターズカット版


ミッドサマーでは劇場公開版では描かれなかったシーンが挿入されたディレクターズカット版があります。


ディレクターズカット版では本編の謎を回収するシーンがあるのでいくつか取り上げていきたいと思います。


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コニーの死を暗示する川の儀式


白夜でほとんどが日中のホルガ村。

その中でも唯一真夜中の暗い中行われる儀式が「川の儀式」です。


ディレクターズカット版では、この模様を見ることができます。

暗闇で行うというホルガ村としては珍しい儀式体系ですが、それだけではなくこの儀式は住民による演劇調で行われます。

川の儀式シーン

アッテストゥパンが行われた夜に川の儀式は行われる。

川の儀式は水を象徴とする女神へ感謝の供物を捧げる儀式。


供物として装飾をした木を川へ投げ込むが、女神は満足しない。

すると一人の少年が女神への供物となると名乗り出る。

先ほど川へ投げ込まれた木と同じ装飾を身にまとって、男たちにかかげられる少年を見てダニーたちは再び命が失われる瞬間だと思い、声を上げた。


しかし、男たちが少年を投げ込むのはホルガの女性によってストップがかかる。

少年は勇気を讃えられ儀式は終わりを迎える。


誰一人犠牲者が出なかった川の儀式ですが、これはラストの生贄の儀式で死体姿となって登場したコニーを暗示しています。


収穫物を運ぶ一輪車で黄色の神殿に運ばれていくコニーの死体は、水浸しで膨れ上がり、川の儀式で少年が施された装飾と同じものをしています。


演劇風に行われた川の儀式では助かった少年でしたが、コニーは恐らく川の供物として投げ入れられてしまったのでしょう。

本編では実際のシーンはありませんが、コニーがサイモンを探し始め登場しなくなった後に、誰かの叫び声を聞くダニーたちのシーンが描かれています。

コニーが川に投げ込まれ苦しむ声だったのだと考えられます。


クリスチャンとマヤの関係


アッテストゥパンを経験したクリスチャンが論文のテーマをホルガ村にしたいとジョシュに伝えて口論になった後、クリスチャンは自分も研究に熱心なんだというアリバイをつくるためにホルガ村の人々に質問をするシーンが描かれます。


ここでたまたまマヤに話しかけることになったクリスチャンですが、マヤは意中の相手であることと英語を話せないためにしどろもどろ。

代わりに英語が話せるウラという女性がクリスチャンの質問に答えます。


本編では登場が少ないながらも印象的なマヤがディレクターズカット版ではもっと直接的にクリスチャンとのかわりがあったといえる描写です。


ちなみにディレクターズカット版で追加される多くのシーンは、クリスチャンのダメ男っぷりが際立つようになっています笑


ダニーが「ホルガ村についての論文をいつ書くと決めたの?」と聞くと「今日決めた」というセリフだったり、ダニーが責めたことを謝っても気遣わずに「今日はどんな気分?」と言い返すだけだったりと、とにかく自分勝手さが目立ちます。


「クリスチャン!ざまぁ見ろ!」とスカッとしたい方や、元恋人を抹消したいほど嫌っている方は、ディレクターズカット版を見たほうがフレストレーションの発散になっていいのかもしれません…笑


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ミッドサマーのネタバレ解説と考察


ミッドサマーのネタバレあらすじを紹介してきましたが、ここからはそれらを踏まえて展開の意味やメッセージなどを考察していきましょう!


1.生贄となった人々の死因


物語のラストでこれまでに死んだ者は、夏至祭の生贄の儀式のためであったと明らかになりました。

ここでは、

それぞれの死因をメタファーや物語の構造などから考察していきたいと思います。


ひとりひとりフォーカスしていく前に、アリ・アスター監督のインタビューをご紹介。

アスター監督はミッドサマーについて「変態のためのオズの魔法使いである」と明言されています。

オズの魔法使いの登場人物をダニーたちにあてはめるとこんな感じ。


「身寄りのない」ドロシー=主人公ダニー。家族を求めている。


「脳」がないカカシ=愚か者のマーク。愚行によって皮を剥がされ、神殿では藁を敷き詰められる。


「心」を失くしたブリキの木こり=人に気遣えないジョシュ。自身の研究のためにホルガの人々の忠告を無視する。


「臆病」なライオン=クリスチャン。ダニーに別れを切り出す勇気が持てず、死んだ熊の中に敷き詰められ死亡。



このように考えていくと、作中での死因にもつながってきそうです。


【悪魔の生贄】皮剥ぎの刑を受けたマーク


「外からの者」として、初めて死んでいることが明らかになるマーク。

彼はダニー一行の中でも、スウェーデンの女性とセックスしたいという低俗なエゴから旅行に参加した人物でした。


マークはホルガ村に着いて以降、思い描いていた旅行とは違うことに辟易してホルガ村の文化に全くもって無関心を続けました。


その無関心さがわざわいし、ホルガの全ての故人につながっているとされる先祖の木に小便をしてしまいます。

先祖の木を汚したことをきっかけに村の怒りを買ったマークは、皮を剥がれて死んでしまいました。


ダニー一行がホルガ村に到着してすぐに行われた儀式で「愚か者の皮剥ぎ」というものがありますが、マークはこの儀式の犠牲になったのかもしれません。

確かに、友人の部族の大切な木に小便をかけたことを悪びれもせず平気な調子いるマークはどう考えても愚か者です。


さらにマークの皮を被ってジョシュを襲った男がいましたが、これは先祖の木を汚されたことで泣き叫んでいたウルフでしょう。

怒りに震え、食事中でもマークをにらみつけるウルフはもう既にマークを殺すことを決めていたように思えます。


初めて遠目から現れたこの皮剥ぎマークはよくみてみると、下半身にズボンを履いていません。

おそらくこれはマークが死んだ瞬間を表しているのではないでしょうか。

女性に誘惑され連れ出されたマークは、性交を行おうと上半身を気にせず下半身だけ服を脱いだ瞬間に殺されたと考えられます。


下半身だけを晒して死んだマークは文字通り愚か者です。

マークを殺したウルフはジョシュに自分の友人の愚かさを晒し上げるために、顔だけでなく下半身の皮も剥いで哀れなマークの姿になりきったのではないかと考えます。


また、この皮剥ぎという点はアリ・アスター監督が今作ミッドサマーを作るうえで意識したといわれる映画、「悪魔のいけにえ」を彷彿とさせます。


出典:Amazon


カルト映画の金字塔とも評される「悪魔のいけにえ」では人の皮を被った巨大な大男、レザーフェイスが悪魔のように人々を惨殺していく姿が描かれます。


規律と調和を持ち生活するホルガの人々にとって、マークはエゴを持った愚か者であると同時に、神と同等の扱いを受ける先祖の木を汚す「悪魔」に見えていたのかもしれませんね。


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【知への欲求】聖典を盗もうとした罰を受けるジョシュ


自らの研究論文のために聖典、ルビ・ラダーを盗み見て殺されたジョシュ。


突然殺される描写は、同じく僻地の村に迷い込んでしまった人々が殺されていくハーシェル・ゴードン・ルイス監督作品「2000人の狂人」を彷彿させます。


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ジョシュはクリスチャンの友人の中では唯一、勤勉で真面目な性格の人物として描かれました。

しかし、

彼は論文最優先でそれ以外のことはおざなりになっていた印象です。


ダニーが初めてスウェーデンの旅行に行くことが決まったときにペレは優しくダニーに話しかけますが、ジョシュは全く関与せず一人で本を読んでいます。

ペレが話を振っても曖昧な受け答えを続け、一人でコーヒーを飲むために別の席に移動していました。


クリスチャンがジョシュにホルガ村の論文を書くと言い口論になった際は、自分が積み上げてきた研究の邪魔をするなと言ったうえで、これまで何もしてこなかったクリスチャンを激しく非難します。

この部分ではただの旅行目的でついてきたクリスチャンやマーク、ダニーを彼は見下していると捉えられます。


人に気遣いのないジョシュは、聖典であるルビ・ラダーが論文に必要と考え独断で行動しますが、結果的に彼は禁忌に触れてしまいマークの皮を被ったホルガの住民に殺されてしまいました。


これまで辟易していた愚か者であるマークの姿をした人物に殺され庭に埋められるという末路は、他人を見下すエゴイストなジョシュに対してホルガの人々が下した仕打ちなのかもしれません。


【報い】血のワシとなったサイモンと川の贄となったコニー


ペレの友人、イングマールが連れてきた大学生カップルサイモンとコニー。

ダニーたちと行動を共にしているときもラブラブだった彼らですが、両者とも生贄の犠牲となってしまいました。


サイモンは背中の皮を削がれて肺がむき出しにされた状態で、宙づりに。

クリスチャンが鶏小屋で目撃した変わり果てたサイモンは、むき出しになっていた肺が膨張と収縮を繰り返していたので、この場面ではまだ辛うじて生存していたのでしょう。

単なる惨殺よりも恐ろしいサイモンへの仕打ちですが、これは実際の後期スカルド詩にて語られる「血のワシ」と呼ばれる処刑方法。

生きたまま肺を引きずりだし翼のように広げる姿から名づけられたその処刑方法は、史実で行われたものなのか明白にはなっていませんが、文献として残っているようです。


ラストシーンで濡れて状態で死体となっていたコニーはディレクターズカット版に収録されている川の儀式の生贄にされていました。


アッテストゥパンを見て悲鳴を上げて激しく責め立てていたサイモンとコニーは、ホルガの住民にとって儀式の邪魔をした忌むべき存在であったのかもしれません。

最終的にダニー以外の「外からの者」はみんな死んでしまいますが、サイモンとコニーはその中でも拷問を受け長い間苦しんで死んでいます。

聖なる儀式を侵した報いを受けたのではないでしょうか。


ダニーがメイクイーンとなった後に行われた地中に供物を埋める場面では、穀物が供えられていました。

このことから、卵を生み出す鶏のように見立てられたサイモン穀物を育てるために必要な水を採取する川の犠牲となったコニーにつながるようにも考えられます。

それらと同時に動物の肉も供えられていますが、これは次項で説明するクリスチャンであると思われます。


食料や水を確保するために祈願やおまじないをすることは、現在も一般的に行われる風習。

そういった儀式に人の命を献上する必要があると考えるホルガ村の異常性が垣間見えます。


【本能への欲求】熊と一体化したクリスチャン


クリスチャンは、最後の生贄として熊の体内の中に入れられ身動きのとれないまま燃やされて死んでいきました。


作中では序盤にこの熊が生きた状態で檻の中に入れられているシーンがあったり、クリスチャンがシヴに呼ばれて待合室で待っている際に熊の絵を発見していたりするなど、意味深な描写が多くあります。



先に結論付けるとクリスチャンが熊を模して殺された意味は、彼という人物の二面性が表現されているのではないかと考えます。


熊は、北欧神話やスカンジナビアの民間伝承にとって重要なシンボルであることに加えて様々な国で意味をもつ動物です。


その解釈は多岐に渡り、獰猛な強い動物として上級戦士の装備に皮が使用されたりすることもあれば、生まれたばかりの小さな小熊が人間を超える巨大な姿になることを拡大発展の象徴として奉られることもあります。


日本では熊の手と書く熊手があります。

熊手は落ち葉をかき集める道具ですが、その使い方が福や富をかき集めると解釈され縁起物としての側面も持ち合わせています。


以上の事柄から、熊という象徴は畏怖と信仰の両方を持ち合わせたものであると考えられます。


クリスチャンは物語の様々な場面で2つの選択に悩み続けます。

ダニーは自身にとって重荷ではありますが別れて彼女がさらに精神を病んでしまうことを恐れていましたし、マヤとのセックスの誘惑に対しても悩み続けた後、誘惑に負けてしまっていました。


最終的にマヤと性の儀式を行ったクリスチャンは、邪悪なものとして処罰されてしまっていますが、彼が性行を行ったことでホルガで新たな命が宿り村の発展にも貢献していると考えられます。

誘惑に負けたクリスチャンは、人間ではなく野生の動物と同類であるという解釈もできるかもしれませんね。


このように熊の皮を被って死んでいったクリスチャンは、野生と理性人間と動物ダニーとマヤ邪悪と発展という様々な二項対立を象徴しているのではないでしょうか。


【飛び降り自殺】アッテストゥパンを受ける2人の老人



「外からの者」以外に生贄に捧げられたホルガ村の住民。

4人のうち2人は生贄の儀式の前にアッテストゥパンで死んでいきました。


アッテストゥパンで自ら飛び降りした老人のイルヴァ(女性)とダン(男性)。

実は彼らはダニーがホルガに到着して開かれた夏至祭を始める乾杯の後、宴の壇上でなにやら前儀式のようなものを受けていました。

壇上でたいまつを持ったイルヴァとダンに長老シヴは、


「炎よ これまで もう 燃えず 熱することもなく」


とアッテストゥパンを迎える彼らを送り出すようなセリフを唱えています。


【生贄への志願】ウルフとイングマールから読み解けるホルガの価値観



ボランティアで名乗り出たと言われているウルフイングマールは、生きたまま生贄として燃やされてしまいます。


ここで注目したいのは、どちらもイチイの木から採ったとされる何かを口に入れられますがそれぞれ飲まされるときのおまじないが微妙に違うのです。


ウルフは「痛みを感じない」と言われ、イングマールは「恐れを感じない」と言われています。

大きな違いがないように思われますが、最終的に燃やされて悲鳴をあげているのは「痛みを感じない」と言われたウルフだけ

のように演出されていました。


もしかすると、ウルフとイングマールはそれぞれ燃やされるときの要望を祭祀達に伝えていたのかもしれません。

イチイの木から採ったものには何の効果もありませんが、自分が生贄にされることの覚悟を見定める効果があったのではないでしょうか。

自らの死を「恐れない」という覚悟を持ったイングマールは、生贄になることを誇りにとらえ叫ばなかったと考えられます。

逆に「痛みを感じない」という肉体的なものにとらわれているウルフは死の間際、まだ死にたくないと生をあがいたのかもしれませんね。


また、ウルフとイングマールはボランティアで生贄に志願したと語られていますが、この点には考察の予知があります。

それは、「両者とも志願しなければ殺されていたというのでは?」という解釈です。


ウルフはマークに先祖の木を汚され憤慨していた人物。

この時、普段であるならば苦楽を共に共有するホルガの人々ですが激怒しているのはウルフだけです。

考えられるのは、ウルフは先祖の木を管理する役職に就いていて失態を犯したのではないでしょうか。

元はと言えばマークが悪いのですが、ホルガの住民はウルフの管理不足で大事な村の宝に泥を塗ったと感じ、彼が生贄に志願しなければ殺していた可能性があります。


イングマールも動揺に失態を犯していると考えられます。

彼が見込んで連れてきたサイモンとコニーは、アッテストゥパン中に大声を上げて中止させようとしました。

大切な儀式の邪魔をしたサイモンとコニーを連れてきた罰を、イングマールは生贄という形で果たしたのではないでしょうか。


さらに言えば、イングマールはサイモンとコニーが恋人同士になる前にコニーとデートをしていたと話していました。

イングマールはコニーのことが好きだったのだと思われます。


ペレはイングマールと同じ境遇ながらも連れてきたダニーをメイクイーンに、自分はメイクイーンを連れてきたものとして祝福されていたので、ペレとイングマールには表裏一体の関係が成り立つと考えられます。


イングマールはコニーをメイクイーンの候補としてホルガへ連れてきたのかもしれません。

もし、アッテストゥパンやその他の儀式で取り乱して叫んでいたのがダニーだったとしたら、メイクイーンになっていたのはコニーだったと考えることもできますね。


共同体を保つために、個を捨て身を尽くすというホルガの人々はときに残酷に個人を見捨てていくという恐ろしさが描かれているように感じます。


ちなみに、イングマールという名前はアリ・アスター監督が本作を制作する上で影響を受けた映画、「叫びとささやき」

の名監督イングマール・ベルイマンからとっていると思われます。



出典:Amazon


女性たちの複雑な感情の機微が表現された「叫びとささやき」では、ホルガの人々が感情を共有する描写を思い起こさせるシーンもありミッドサマーとは密接な意味合いをもつ作品になっています。


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2.象徴的な造形物と文字


ホルガ村では、様々な象徴的な形をしている造形物や文字が登場しました。

これらは物語の展開を暗示していたり、それ自体に意味があるものがあったりします。


気になるホルガ村の造形物や文字の意味を考察していきましょう。


物語を暗示するタペストリー


作中では、冒頭やホルガ村の壁に様々な絵が模されていますがこれらはその後の展開やなどを暗示しているものが多く見られます。


冒頭で現れるタペストリーは、物語全体を表しています。

左の骸骨が描かれた部分は、背景が暗い色で寒い冬の季節にダニーが家族を失ってしまうことを意味しています。


続く右隣の絵は悲しんで顔を伏せているダニーの横にクリスチャンがいます。

その上から鳥と共に、舞い降りる男性が描かれていますがこれはペレでしょう。


さらに物語は進み、ホルガ村のあの特徴的な入口から人々に歓迎されている絵になっており、最後はダニーが参加したメイポールダンスとなっています。


また、ホルガ村に到着してイングマールとペレが村を案内しているときに見られるタペストリーでは、恋する女性が自身の陰毛を切って料理に入れたり、月経血を飲み物に入れて好きな男性に食べさせる模様が描かれています。

これも後のクリスチャンとマヤを暗示するアイテムとなっていました。


その他にも、クリスチャンが自身の最後の姿である燃える熊の絵を発見したり、寝室にはラストの9人の生贄とメイクイーンを象徴したような絵が書いてあったりするのでいろいろ探してみるのも楽しめるのではないでしょうか。



ホルガ村で扱われるルーン文字


ホルガの人々が扱う言語、ルーン文字は「エルダー・フサーク」と呼ばれるものです。

これは実際にあるルーン文字の中で最も古い体系であり、紀元後約150年にも文字が記録として残っています。


ルーンは「秘密」「神秘」といった意味を持っています。

見てはいけない聖典ルビ・ラダーもこのような実際の文字の意味合いから作りこまれていると考えられますね。


アッテストゥパンが行われる過程で、ホルガの老人が自らの血を捧げた石板にもルーン文字が見られます。



石板に刻まれている意味は以下のようになっています。

・「ᚷ」(Gebo)=「贈り物」


・「ᚱ」(Raidho)=「旅」「進化」「成長」


・「ᛣ」(Algiz)=「盾」


・「ᛏ」(Tiwaz)=「名誉」「正義」「自己犠牲」


・「ᛈ」(Pertho)=「秘密」や「超自然的な力」


これらの文字を組み合わせるとアッテストゥパンで利用された石板は、


『神への「贈り物」を捧げる。「名誉」ある「自己犠牲」を持って我らを守る「盾」となり、村のさらなる「進化」を「超自然的な力」でほどこし給え』


のような意味を持つ墓標ととらえることができますね。


「旅」「進化」「成長」の意味を持つ「ᚱ」は石板以外にもメイポールやダニーが着る衣装にも同じように刻まれています。




ルーン文字を扱った聖典ルビ・ラダーの説明では、永遠に書き綴られて進化するということが語られていました。

これも「ᚱ」の「進化」や「成長」が表されているように思えます。


古い風習にとらわれ続けているホルガの人々ですが、「進化」や「成長」を求め続けているという考え方はある意味、皮肉なのかもしれません。


劇中における数字の9と13


ミッドサマーでは913という数字が顕著に現れる作品となっています。


9で表される事柄

・9日間の夏至祭

・90年に一度の大祭

・9人の生贄

・72歳になったら死を迎える(7+2)=9

・原文タイトル「midsommar」=9文字


13で表される事柄

・メイクイーンとなったダニーを導いていく女性の数13人

・クリスチャンとマヤの儀式中の女性の人数13人


2つの数字を考えていきます。


【数字の9が持つ意味】

数字の9は北欧神話ではオーディンがルーン文字の秘密を得るための肉体苦行が9日間であったことや、オーディンの住むアスガルドを含む9つの世界が存在するなど重要な意味を持つ数字ですが、ここで考えたいのはキリスト教が持つ9の数字の意味です。


キリスト教ではノベナと呼ばれる信仰業が存在し、連続して9日間祈ることを意味しています。

キリスト教では10の数字を完全な神の象徴としてとらえ、それに1足りない9という数字を神に祈る不完全な人間の象徴として考えられていたという点があります。


ホルガの村の人々にとって異教徒であるキリスト教の考え方がどこか共通するのは意外にとらえられますが、これはもしかすると他宗教を認めないことにつながってくるのではないでしょうか。


その証明としてダニーの恋人であるクリスチャンはキリストにちなんだ名前をしています

彼を熊として生贄にするということは、他宗教の否定を表しているように感じます。


【数字の13が持つ意味】

9の数字がキリスト教にとって、祈る日数という良い意味であったことに対して

13の数字は忌み数として扱われています。


キリストを裏切ったとされる弟子のユダは「最後の晩餐」で13番目の席についていた13番目の弟子で、13は不吉の象徴と意味されることがある数字です。


キリスト教での忌み数に対して、ミッドサマーで扱われる13の数字はダニーを導く侍女の数や性の儀式を祝う女性の人数など、縁起のいい数字とされている傾向にあります。


また女性の人数を表している共通点もあることから、13の数字はホルガ村の人々にとって女性的な意味合いを持っていると考えられます。


史実では、コヴン(カヴン)と呼ばれる魔女の集会の人数が13人であったことからも13は女性を表す数字である表現の1つなのではないでしょうか。


【2つの数字から物語を考察】

以上の2つの点から考えると、ミッドサマーは男性であるキリストが象徴とされる部分女性的な13を表す部分が使い分けられていると考えることができます。


9という数字は物語序盤から多用されていますが、後半になると13の数字が多く出現し始めます。

これは、ダニーとクリスチャンの力関係の逆転にもつながってくるのが面白い点です。


序盤からダニーのことが重荷であるクリスチャンですが、ダニーはそれを自覚しつつも依存することをやめられません。

しかし物語が進むにつれてその力関係は変わっていき、最終的には13人の侍女を従えるメイクイーンとなったダニーがこれまでのクリスチャンの行いを9人目の生贄としてを裁くことになります。


13の数字が女性的であることから9は支配欲の強い男性的な数字であり、ホルガ村の共有するという価値観は女性的であることを意味していると汲み取ることができます。


ホルガ村の長老がシヴという女性である点も関係があるのではないでしょうか。


女王を決めるためのメイポール


メイポールダンスは、邪悪がホルガのものを死ぬまで躍らせたという言い伝えから行われる儀式でした。


ミッドサマーが影響を受けたとされるカルト映画、「ウィッカーマン※」でもこのメイポールが登場しますがここでのメイポールは「男根」の意味を持つと説明されています。

「ウィッカーマン」はその他にも、外部の者を生贄に捧げるシーンがあるなど特にミッドサマーの元ネタが多い映画になっています。


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ミッドサマーのメイポールダンスが邪悪なものに踊り続けさせられるという意味は、もしかすると男性から逃げ続けるという意味合いもあるのかもしれません。


実際のメイポールダンスはヨーロッパで開催される5月祭(メーデー)で行われるもので、夏至祭に行われるものではないのが特徴です。

こちらも作中と同様にメイクイーン(5月の女王)を名乗るものが祭りの開催を宣言したり、花の冠を被ったりすることがあるとのこと。


ミッドサマーのように恐ろしいことが起きるわけではありませんので、ご安心を!笑


(※「ウィッカーマン」R18+対象作品となっています。18歳未満の方は視聴不可の作品なので注意してください)


生贄が行われる三角の黄色い家(神殿)


劇中の中盤で何気なく登場する三角の小屋のようなもの。

これはラストで炎の儀式を行うための神殿でした。


三角形の象徴として有名なのは、槍です。

神殿内で描かれていたルーンには槍の意味を持つ「ᚸ」が描かれていました。

槍は軍事力を示す象徴であると同時に、経典にも様々な部分で登場します。


特に、物語と関連付けられるのが聖槍と呼ばれる「ロンギヌスの槍」です。


「ロンギヌスの槍」はキリストが死した際に、死を確認するために刺した槍といわれているものです。


前項でも記したように、キリストの名前にちなんだクリスチャンに止めをさすという意味では、他宗教を認めないホルガ村の意思が感じ取れます。


また、三角形も槍の矢先もどちらも天を指す方向を意味しているものと思われます。

夏至祭において太陽の方角をしめすものは今後の発展を祈願する表現であり、そのため神殿も太陽を模した黄色に配色されているのではないでしょうか。


3.ホルガ村の人々の奇妙な習慣


造形物や文字の他にホルガの住民の風習も特徴的なものが多くあります。


特徴的な「ホッ ハッ」という呼吸


ホルガの人々が要所要所で口にする「ホッ ハッ」という呼吸法。

また何か起きてしまうのか?と思わせる非常に独特で恐ろしい演出でした。


これはアリ・アスター監督のアイディアではなく、儀式曲を担当した合唱作曲家ジェシカ・ケニーさんが発案したものだそうです。

劇中でこの呼吸が行われる時は、何かを意気込むときに起用されていました。また、二人で物事を行う描写でも使われていたことから「息を合わせる」という意味合いもあるのかもしれません。


価値観を共有してコミュニティとして生活することを第一とする、ホルガ村らしい文化の1つだと感じました。


性行の儀式「アワアワ」


クリスチャンとマヤが行った性行の儀式では、12人の全裸の女性が二人を囲み二人の性交を祝福していました。

一見かなり異様な光景なのですが、子を生み出す性行為はホルガ村にとっておめでたいことであり、今回に限らずホルガ村でのセックスはこれが通常であるのでしょう。


アリ・アスター監督は日本を代表する名監督、今村昌平にも影響を受けていると語り彼が手がけた「神々の深き欲望」では特異な集落で女性が男性に性的アピールをする描写が多く見られました。


子孫の繁栄は独自の生活体系を要するコミューンや村では、その存続をかけた大切なものであると同時に村全体で祝福されるものなのでしょう。


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形作られるテーブルでの食事シーン


何度か描かれるホルガ村での食事シーン。

この食事シーンで並べられるテーブルは全てルーン文字を表しています。


ディレクターズカット版に挿入されているダニーたちが到着してまもなく行われる食事ではテーブルは配置されませんが、ホルガの村の人々が囲んで座っている姿が空撮で映されそこにはたびたび登場する「旅」「進化」「成長」の意味「ᚱ」を確認できます。


また、アッテストゥパンが行われる前の食事では「故郷」「財産」「土地」を表す「ᛟ」の文字が描かれ、メイクイーンを祝う席での鏡張りの直線的なテーブルは「冷たさ」「凝縮」「再生」を表す「ᛁ」です。



それぞれ自然の「土地」に返るアッテストゥパンと、ダニーがメイクイーンとなり疲弊した精神が「再生」させ、クリスチャンとダニーの「冷め」切った関係を表すターニングポイントを表しているのではないでしょうか。


この他の食事シーンでは文字が何か確認はできませんが、同様に机配置が変わっており今後行われる儀式や展開を暗示するルーン文字が描かれているのだと思われます。


何の文字が描かれているか考えてみるのも面白いですね。


人の生を春夏秋冬で表す風習


ペレがホルガ村の文化を説明するシーンでは、彼らの死生観が季節になぞられていると語られるシーンがあります。

ちなみに、この季節の区切りは前項で紹介した9の数字を意味する9の倍数となっています。

・0~18歳 子供の季節、春


・18~36歳 巡礼の旅をする、夏


・36~54歳 労働の年齢、秋


・54~72歳 人々の師となる、冬


ここでダニーはその後は?と聞いた際、ペレは首切りのジェスチャーを行い一行はジョークだと笑いますが、実際にアッテストゥパンで72歳を超えた人は死んでいました。

アッテストゥパンが起きた後、ディレクターズカット版ではクリスチャンがこれに言及しているシーンが追加されています。


英語が話せるホルガの女性ウラは、ここで72歳を超えた人々は必ずアッテストゥパンで死んでいくと語っています。

彼らは生贄の儀式で9人の中に加えられていましたが、それ以外の72歳を超えた人々もアッテストゥパンで飛び降り自殺をしており、ホルガの人々は日常的にこの光景を見ていることがわかるシーンです。


また、ホルガ村では英語を話せる人々が多く存在しましたがこれは彼らが18歳以降、巡礼の旅をする期間があるからだと思われます。

実際に子を持っている人も巡礼の旅をしているからという理由で現在村には住んでいなく、村の人々みんなで子供を育てると話す部分がありました。


ペレやイングマールも、この巡礼の期間を利用して留学生になっていたのでしょう。


4.ホルガ村の重要人物


ホルガ村ではいくつかの人物が登場し、ダニーたちを欺いていました。

儀式成功のために暗躍したホルガ村の重要人物を取り上げていきます。


物語の黒幕ペレ


全ての元凶であるホルガ出身の留学生、ペレ。

彼は友人をホルガの生贄として献上し、意中のダニーをメイクイーンにするために彼らを夏至祭に招いていました。



彼は序盤からダニーに好意があることを示唆する描写がありますが、この点から2つの考察ができます。


【ペレの本当の故郷はホルガ村ではない?】

ダニーと同じように家族を失ったと言っているペレですが、これはホルガ村の何らかの儀式で家族を失ったと解釈できます。


しかし、ペレはダニーの気持ちがわかるといいながらこの地に家族がいると話します。

ここでペレは両親が幼い頃炎につつまれて死んだと言っていることから、もしかするとペレは小さいころ両親と訪れたホルガ村で洗脳を受けてホルガの住民になったのではないでしょうか。


元々、生まれた地がホルガであるならば両親はまだ高齢ではないためアッテストゥパンで死ぬこともなくペレの両親の死には直接的な死因がありません。

また、家族を失くしたダニーの気持ちがわかるというのも、もともとホルガで育った人にとっては少し異なる解釈になるものと思われます。


ホルガの人々は18~36歳まで巡礼の旅をする夏の季節でもあるので、両親が目の前で死んだということはホルガ村の住民として死んだというよりも生贄の儀式で死んだととらえるのが自然です。


ペレの実の家族はホルガの人々に殺されてしまったのではないでしょうか。


【ダニーを手に入れるため全てペレが仕組んでいた?】

そんなペレはダニーに対して好意を持っていましたが、ダニーはクリスチャンと付き合っていました。


ペレはクリスチャンからダニーを奪おうと、今回の祝祭に招待します。


しかし、クリスチャンはダニーを連れていく気などさらさらありませんでした。


恐ろしい考察ですが、ペレはもしかするとダニーを祝祭に招くためにわざとクリスチャンに依存させた可能性があります。

つまりペレは、何らかの方法でダニーの妹を精神的に疲弊させ死に追いやっていたのではないかという説です。


幼いころ両親を殺されてホルガ村の一員になったペレは、自分と同じ境遇を味わえばダニーもきっと自分のことを好きになってくれると考え、ダニーの家族を殺すことを企てたのではないでしょうか。


ペレの歪んだ愛が、垣間見えます。


性交後のマヤが口紅をしている理由


性の儀式を終え、ラストシーンで現れるマヤは赤い衣装を纏いそれまでとは違う濃い化粧をしていました。


それまでの無垢で純粋な風貌のマヤとは違い、大人な雰囲気を感じさせるマヤですがこれは性交を終え一人前の女性になったマヤということを表しているのでしょう。


マヤはクリスチャンのことを本当のところどう思っていたのか意見が別れますが、実際にマヤはディレクターズカット版のクリスチャンとの会話でしどろもどろしていたという場面があるため、意識はしていたのだと思われます。


ただ、これに関しては性交をするとすればというクリスチャンというホルガの仕来りによるものが強いのではないでしょうか。

ペレがクリスチャンに性交を許された人間という意味のビクスミンディグを終えたことを話している点からしても、今回の祝祭でマヤが誰かと性交をすることは元々村の中で定められていたのだと思われます。


近親相姦により生まれた障害者ルビン


聖典ルビ・ラダーを書き記すものである障害者をホルガ村の人々は、ルビンと呼んでいます。


ルビンは先天性の障害者で、一般的な認知がない心は曇りがなく達観して物事の根源を見つめると神聖視されていました。


ルビ・ラダーを書き連ねるものとして、生まれる障害者は村の近親相姦によって計算されて生まれるものだとホルガの人々は言っています。


村の存続と進化のためのルビ・ラダーは、わざと作られた障害者によって書き綴られていました。


物語に登場したルビンはマヤとクリスチャンの性交の模様を凝視させられていましたし、ホルガの人々にとってのルビンは本当にルビ・ラダーを書き続けさせるための存在なのでしょう。


何かインスパイアを与えさせるために、性交を鑑賞させるホルガ村の異常性が際立ちます。


5.ダニーのその後とメイクイーンの意味


物語ラストでメイクイーンとなり、クリスチャンを始末することになったダニー。

彼女は家族の呪いというものに縛られ続けていましたが、メイクイーンとなりホルガ村の人々の一員になったと思わせる幕引きでした。


しかし、ここで考えたいのは夏至祭の日数です。

劇中ではホルガ村に到着してミッドサマーを始めるといってから5日間しか経っていません。

映画は終わってしまいますが、この9日間の祝祭にはあと4日間が残されているのです。


作中に登場するタペストリーには、物語中に見れなかったと思われるいくつかの儀式らしき絵を見つけることができます。






この絵の中には花に囲まれた人物が手を傷つけていたり、燃えている絵があります。


そして、ホルガに向かうことを決めたダニーにペレが去年のメイクイーンの写真を見せるシーンがありますがこの女性はホルガ村に着いたあとも姿を現さず、写真だけの登場となっています。


さらに、壁画などに描かれるメイクイーンはしばしば太陽を模した絵になっていますがエンドロールのスタッフクレジットで流れている曲名はThe Walker Brothersの「Sun Ain’t Gonna Shine(もう太陽は輝かない)」です。


前項の「女王を決めるメイポール」で説明したように、メイクイーンは本来、5月祭で選ばれる女王です。

6月に開催されている夏至祭であるのにも関わらず、その前の月のメイクイーンを選ぶというのは少し違和感を感じます。


これらから言えるのは、この先メイクイーンを犠牲にする儀式が行われるのではないかということです。


凄惨な出来事を得て、ホルガ村を家族だと思えるようになったダニー。

もしダニーが殺されてしまうとすると、彼女はまた悲劇を味わってしまうのでしょうか。

それとも、ホルガの価値観に染め上げられ、生贄となることに大いなる喜びを感じてしまうのでしょうか…。


ミッドサマーネタバレ感想|共感を超えた調和こそ家族


様々な観点からミッドサマーの考察をしていきましたが、筆者がミッドサマーを見て一番感じた点はダニーの家族への渇望と家族という関係の定義でした。


血のつながった家族を全員失ってしまったダニーは、孤立して精神が不安定な状態になっていました。

だからこそ、

一番身近な存在である恋人のクリスチャンに強く執着しどこに行くのもクリスチャンに着いていく依存状態になっていたと考えられます。


ダニーは自分を支えてくれる家族が欲しかったのだと感じます。


一方でクリスチャンは、そんなダニーが煩わしく彼女の執着が激しくなっていく度辟易するようになっていきました。

クリスチャンは家族が欲しいのではなく、ダニーを1つの恋愛だととらえていずれは別れる相手として見ていたのではないでしょうか。


大学で旅行に行く仲の友人もいるクリスチャンは、自分が楽しい時間が過ごせればいいという主観的な考えが多く、それ故に喧嘩などの面倒ごとは避ける性質が多く見られました。


ダニーの楽しいときも悲しいときもそばにいて、共有したいという考え方とは真逆であったように感じます。


そんなダニーはホルガ村でメイクイーンとなった瞬間、家族のように温かく迎え入れてくれたホルガの人々の中に、あるべき家族の姿を感じたのではないでしょうか。

ここでは幻覚の作用が原因かホルガ村の人々の中に、母親の姿をみるなどの描写やメイクイーンとして運ばれるダニーの奥に見える山にガスホースで死んだ妹の姿がサブリミナル的に見られます。


家族を失って悲しみに暮れていたダニーは、未だに家族という呪いに縛られてはいましたが新しいホルガ村の人々のコミュニティの中に彼女なりの家族の形を見出したのだと思います。


そして、彼女は喜びだけではなくクリスチャンとマヤとのセックスを目撃してしまった際には悲しみの共有することも経験します。


今まで寄り添ってくれていたクリスチャンは、ダニーの家族が亡くなり涙しているときにはそばにいてくれてはいましたが、彼はダニーをなだめようとするだけで一緒には泣いてくれはしませんでした。


ダニーの悲しいという感情に対して同じように泣き叫んでくれたホルガの人々こそ、家族のあるべき姿なんだとダニーが感じた瞬間であったように感じます。


こうしてクリスチャンのみに家族の重荷を迫っては交わされ続けていたダニーは、ホルガのコミューンに完全に属することになったのでしょう。


これまで付き合っていたクリスチャンを見放して裁いてしまいました。


この作品のラストでは実際に殺すのではなく、恋人との別れは自分の中で相手の存在を殺す、もう会わないと決心することが必要なのではないかというメッセージを感じます。


長い間失恋状態のようであったダニーはそれを乗り越え完璧な清算をして晴れやかな笑顔で笑っていました。

この一連のラストシーンを初めて見たときは、ものすごいカタルシスを感じて筆者は少し泣いてしまいました笑


ホルガ村の価値観を共有する一連の仕来りは、とても奇妙で理解しがたい恐ろしいものですが、そういったホラーの枠を超えて恋人との別れや家族の定義を伝える主張も持ち合わせる映画であったと感じます。


(おまけ)対をなすアリ・アスター監督作『ヘレディタリー/継承』


出典:Amazon


アリ・アスター監督の長編デビュー作である前作『ヘレディタリー/継承』では、ミッドサマー同様に家族の呪いや宿命を描いたホラー映画です。


ミッドサマーでは、主人公ダニーが家族のトラウマを昇華させて新たな家族に出会う話だったのに対して、『ヘレディタリー/継承』では家族という血筋が恐ろしい現象を引き起こしていくというトラウマ原体験映画となっています。


『ヘレディタリー/継承』は夜の場面で多くが構成された、正統派クラシックホラー。


ミッドサマーと似て非なる物語は、テーマも地続きであるようにも感じられます。

どちらも見ることによってアリ・アスター監督のメッセージや世界観がより楽しめること間違いなしなので、一見の価値アリ!


ただし、めちゃくちゃ怖い映画なのでコチラも鑑賞注意作品です笑。


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「ちょっと見るの怖い…」

という方は、『ヘレディタリー/継承』について詳しくまとめた記事も書いてるのでよかったらぜひ見てみてくださいね!



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ミッドサマーネタバレ解説まとめ


ミッドサマーのネタバレについて解説してきました。


最後に記事を要約してまとめます。


映画ミッドサマー

・2020年日本公開のアメリカ映画、アリ・アスター監督作品


・「カップルで見ると別れる」と言われているくらい気まずくなるホラー映画


・ほとんどが明るい絵で構成され、にぎやかな音楽が特徴のフェスティバル・スリラー


ミッドサマーネタバレあらすじ

・家族を失ったダニーが恋人のクリスチャンと共に小さな集落ホルガ村を訪れる物語


・独自の文化を構築しているホルガ村では、人を生贄にする恐ろしい風習があった


・ダニーはホルガ村での名誉あるメイクイーンに選ばれ、ホルガ村の一員になってしまう


・クリスチャンは最後の生贄として生きたまま燃やされて死亡し、ダニーは微笑む


散りばめられた伏線がいくつもあり、何度見ても新たな発見があるミッドサマー。


ディレクターズカット版や、他考察サイトをみても楽しめる作品となっています。


気になった!方や、もう一度見たくなった!という方はぜひ、U-NEXT(ユーネクスト)でチェックしてみてくださいね!


乾杯!(スコール!)


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執筆
クマミ

トイストーリーと共に育ち、大人になってしまった人。 好きな映画はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーです。 おいしいウィスキーを飲みながらオシャレな映画が見たいこの頃。 皆さんが作品を見たくなるような記事を書くため精進中!

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