
2017年大河ドラマ『おんな城主 直虎』 “女大河は失敗しやすい”のジンクスを打ち破れるか!?
2017年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』の放送開始がいよいよ目前に迫ってきている。戦国時代、女性の身でありながら城主を務めた井伊直虎の役を演じるのは柴咲コウ。国民的ドラマの新作ということで、主演以外のキャスト陣も気になるところ。今回はキャスティングに加えて、歴史界ではマイナーな「井伊直虎」という人物についても紹介していこう。
『真田丸』から『おんな城主 直虎』にバトンタッチ! 主演は柴咲コウ
2017年1月8日より、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』が放送される。主演を務めるのは柴咲コウ。NHK大河ドラマの主人公に選出されるに相応しい演技力と凛々しい美貌の持ち主である。
担当の脚本家は森下佳子。これまでに『世界の中心で、愛を叫ぶ』『JIN-仁-』『天皇の料理番』など、人気作品を手掛けてきた。朝ドラの『ごちそうさん』も彼女の作品。NHKにとっても頼れる存在であることは間違いない。チーフプロデューサーを務めるのは岡本幸江氏。朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』を成功へと導いた手腕の持ち主だ。
11月13日に放送された大河ドラマ『真田丸』第45回「完封」では、来年の大河である『おんな城主 直虎』に関係する人物たちの名前が登場。堺雅人扮する真田幸村が、『真田丸』の最終回を前に『おんな城主 直虎』を紹介するかたちとなった。
戦(いくさ)が始まる直前、幸村から来年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』へのエールを贈るようなシーンがあり、「さすが三谷さん、来年の大河ドラマまで宣伝するサービス精神を発揮!」などと、ツイッターの投稿も盛り上がっていた。
『真田丸』から来年の大河『おんな城主 直虎』に粋なエール-ORICON STYLE
また、11月25日にはNHK放送センターで恒例の大河ドラマのバトンタッチセレモニーを開催。『真田丸』の主演・堺雅人と『おんな城主 直虎』の主演に抜擢された柴咲コウが、お互いのドラマゆかりの地にちなんだ記念品を交換し、それぞれの作品への想いを語った。
柿を受け取った柴咲さんは「『本物?』と思うくらい、すごく立派な柿。堺さんからバトンを引き継ぎ、身が引き締まる思いです。頑張ります」と笑顔。「最近は尼さんの格好も慣れてきたし、モノトーンで格好良いと思うようになった。来年は痛快な直虎の姿を見てもらうことで、皆さんに『一週間頑張ろう』と思ってもらえれば」と意気込んだ。
真田幸村から井伊直虎にバトンタッチ 柴咲コウさん「身の引き締まる思い」―産経ニュース
堺は、「本当に1年あっという間のような感じだったんですけれども、改めてこの106スタジオに入って、真田の里の家を思い出しながら、こちらに伺いました。本当に1年間大変だと思いますけれど頑張って下さい」と柴咲にエールを送った。
大坂の陣もいよいよ佳境『真田丸』堺雅人から柴咲コウへ大河バトンタッチ-マイナビニュース
「井伊直虎」ってどんな人物? 気になるストーリーとは
歴史において、あまりメジャーでは井伊直虎。別名「次郎法師」と呼ばれるこの人物は、許嫁との愛を貫くために出家し、その後男児が絶えた一族を盛り立てるために男として政治を行ったと語り継がれている。
ドラマで描かれるストーリーは以下のような概要だ。
息子のいない井伊家当主・井伊直盛は、一人娘を分家の嫡男・亀之丞と婚約させ、亀之丞を次期当主にするつもりだった。
しかし、駿河の今川、甲斐の武田、三河の徳川と3つの大国が虎視眈々と領地をねらう時代。井伊家は今川家の支配下にあり、亀之丞の父は今川に謀反を疑われて殺害され、亀之丞も命を狙われたため逃亡。
残された亀之丞の許婚こそ、井伊直虎だ。
直虎は亀之丞とのある「約束」を果たすため、誰とも結婚できないよう出家し「次郎法師」と名乗るように。
男児のいなくなった井伊家を絶やさず、さらに繁栄させるべく、亀之丞が遺した息子・虎松の後見人となり、実質井伊家の「おんな城主」となるのだった。
戦乱の時代を、知恵と勇気で幼い世継ぎを守りながらたくましく生き延び、愛を貫いた直虎。
凛々しく勇ましい女性の生涯が、力強く描かれることとなるだろう。
主演・柴咲コウと脇を固める豪華キャスト
主役である「井伊直虎」を演じるのは、これまでにドラマ「GOOD LUCK!!」(TBS系)や「ガリレオ」(フジテレビ系)などの大ヒットドラマに出演している女優の柴咲コウ。NHK大河ドラマへの出演は同作が初めであるにもかかわらず、見事主演の座を射止めた。
記者会見にて、チーフ・プロデューサーの岡本幸江氏は起用理由を「柴咲さんは、虎のような美しさとしなやかさを両方持った稀有な俳優さん。NHKの大河ドラマを舞台に、イキイキと大暴れしてもらいたい」と語った。
主演以外の出演者にも要注目だ。
直虎の許婚・亀之丞には三浦春馬。人気NO.1若手俳優・菅田将暉は、直虎の許婚の息子であり、のちに直虎が後見人を務めることとなる虎松という重要な役どころに抜擢された。
他にも菜々緒、ムロツヨシ、阿部サダヲ、高橋一生、貫地谷しほり、市原隼人など、個性あふれる面々が名を連ねる。
井上芳雄、花總まり、尾上松也といった舞台界隈の大物俳優たちを取り揃えるのもNHKならでは。
財前直見や小林薫、前田吟、杉本哲太、でんでん、筧利夫、宇梶剛士などのベテラン俳優もががっちりと大河を支えるだろう。

“女大河は失敗しやすい”のジンクスを打ち破れるか!?
大河ドラマはここ数年、男女が交代で主役を務めている。
しかし、2008年に放送された『篤姫』を除いて、『花燃ゆ』や『八重の桜』など、女主人公を据えたものが惨敗状態にあることから、“女大河は失敗しやすい”というジンクスを唱える人も。
もちろん、「直虎」に期待する声は数多く寄せられているが、「人物がマイナーすぎる」「無理やり女を主人公にしなくてもいいのでは?」という意見も聞こえてくる。
果たして『おんな城主 直虎』は魔のジンクスを打ち破れるだろうか。今後の盛り上がりに期待したい。
往年の独眼竜~信玄~春日局みたいないい流れで引き継げるといいな 直虎ちょっと期待してしまう
— 籐理@1/8 6号館Aホ46b (@tou_ri) 2016年11月25日
ただ人を選ぶ大河になる可能性はおおいにあるなこれ
女城主直虎ノベライズ1巻読み終わった。
— しかばね (@sawako_a1565) 2016年11月30日
めっちゃ面白かった…これはドラマとして面白いパターンの「戦は嫌にございます」大河になるのでは…(そういった台詞が出てきたわけではないけど)
とにかくこれはシナリオ面では期待できそう
登場人物のキャラクターも各キャストがぴったり合ってると思う


直虎は男だった!?京都で文書が発見される
“女”であることが本大河ドラマにおける重要な要素であることは間違いない。しかし、12月14日に気になるニュースが飛び込んできた。
京都市東山区の井伊美術館が、「直虎」が井伊家当主の娘であるという説に対し、今川家家臣の子であり、別の男性だとする文書が見つかったと発表したのである。
京都新聞によると、見つかったのは、彦根藩筆頭家老木俣守安(きまたもりやす)が今川家家臣だった新野親矩(にいのちかのり)の娘らから聞き書きし、子孫の木俣守貞がまとめたという「雑秘説(ざつひせつ)写記」。
「井伊谷は親矩のおいの井の次郎(井伊次郎)に与えられた」「関口越後守(氏経)の子を井伊次郎として井伊谷をあてがいました」などの記述が見つかり、「直虎」の名はないが、今川家家臣の関口越後守の息子が「井伊次郎」と読み解くことができるとのこと。
まだ確定事項ではないものの、今後は研究者らが検証を進めていくこととなるだろう。NHK広報局は「ドラマはあくまでフィクションであり、影響はないと考えている」と発表した。