藤井勉に関する記事一覧
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裁判傍聴歴19年のライターは見た『なぜ元公務員はいっぺんにおにぎり35個を万引きしたのか』
テレビで季節の変わり目を感じさせてくれる番組といえばそう、警察24時シリーズだ。各地で発生する凶悪事件を追う警察官の活躍を特集した、改編期や年末になると各局で放送されるこの番組。今年の冬も12月4日に...
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『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにす……』噂の「まいボコ」を読んでみた
かつて、教科書に載るような文豪でもない無名作家たちが、日本のエンタメ小説界をリードしていた。時は明治20年代。国民の識字率は向上し、読書人口が増えてくるとともに、新しい娯楽読み物へのニーズが高まる。そ...
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鶏むね肉を食べるならモスチキン。鳥類学者が伝授する鳥肉の秘密『鳥肉以上、鳥学未満。』
今、鳥肉がキテいる。健康志向・低価格志向の高まりから、安くてカロリー控えめな鳥肉の消費量は近年右肩上がり。農林水産省の統計では、2012年に年間一人当たり消費量で豚肉を抜いて食肉のトップに躍り出ている...
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村上春樹の新作短篇小説は、短歌を書き、人生論を語り、レコード愛を披露する「三つの短い話」
8月5日に『村上RADIO』(TOKYOFM/JFN38局ネット)で初めてラジオDJを務めることが発表されて話題となるなど、相変わらず注目を集める国民的作家・村上春樹。彼の新作短編が、6月7日発売の文...
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本を読まなくても本についていっちょまえに話せる“エア”読書法
〈ある本について的確に語ろうとするなら、ときによっては、それを全部は読んでいないほうがいい。いや、その本を開いたことすらなくていい。むしろ読んでいては困ることも多いのである〉。そんな大胆不敵な説を唱え...
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コンビニ店員作家の過激すぎるコンビニ小説が芥川賞候補に。クレイジー沙耶香の狂気に震えろ
小説家・村田沙耶香のヤバさが、世の中にばれ始めている。昨年12月にニッポン放送『朝井リョウ&加藤千恵のオールナイトニッポン0』、今年に入るとTBSテレビ『王様のブランチ』、BSジャパン『文筆系トークバ...
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天ぷらはもともと煮込み料理だった。料理にまつわる諸説を検証『ペルシア王は「天ぷら」がお好き?』
アメリカの言語学者による、異色の料理本。それが、『ペルシア王は「天ぷら」がお好き?味と語源でたどる食の人類史』だ。著者は有名な食通というわけでも、シェフ顔負けの料理の腕を誇るというわけでもない。ただ人...
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105歳超長寿料理人の驚愕の人生
フランス・マルセイユに驚くべき料理人がいます。ミシュランの星を獲得したわけでもない。なのに、彼女の店で料理を食べた人々の中には、哲学家・文学者のジャン=ポール・サルトル、ロックシンガーのパティ・スミス...
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あの文豪の長女も書いていたボーイズラブ『古典BL小説集』
今や一つのジャンルとして浸透している、BL(ボーイズラブ)。これまでに『ゲイ短編小説集』、『レズビアン短編小説集』という、異色のアンソロジーを出してきた平凡社ライブラリーが、このジャンルを見逃すはずは...
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原爆投下の裏で繰り広げられた「プロジェクトX」『原爆を盗め!』の衝撃
今年4月5日、広島市にある広島県物産陳列館、現在の「原爆ドーム」が1915年の完成から100年を迎えた。広島・長崎への原子爆弾投下からも70年が過ぎようとしている今、当時の被害を伝える被爆者の高齢化と...
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山田洋次監督も共感。文学になった「男はつらいよ」
1969年の第1作公開から主人公・車寅次郎を演じる渥美清の亡くなった1996年までに、48作も制作された「男はつらいよ」シリーズ。この国民的映画には、不思議なことが一つある。それはノベライズ作品の少な...
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手ぬるいメニューのレストランは串刺し刑。亡命批評家による恐怖の料理本『亡命ロシア料理』
〈もしこんなメニューのレストランの支配人がいたなら、他のことはともかく制裁にかけては手の早いソ連当局にさっそく串刺しの刑にされていただろう〉怖い怖い怖い怖い!発言の主はクレーマー?大御所料理人?ソ連の...
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10人産めば、合法的に1人殺せる未来の制度『殺人出産』が凄い
ルールは簡単。10人子供を産めば、殺したい人間を一人殺していい。村田沙耶香の最新作品集『殺人出産』。そのタイトル作である中編小説の舞台は、〈殺人は悪だった〉時代から100年後の日本。避妊技術が発達し、...
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若い作家たちにとって村上春樹って何なのか『村上春樹への12のオマージュ いまのあなたへ』
〈村上春樹氏の著作本は長い間、中古でしか買ったことがなかった〉『村上春樹への12のオマージュいまのあなたへ』は、20代半ばから40代前半の若手作家12名による、村上春樹へのオマージュ小説12篇をまとめ...
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第二次世界大戦でマークされた日本のスパイ僧侶、波乱の人生
〈反間諜者の疑いあり〉とマークされていた男は、僧侶だった。戦国時代に忍者が変装していたとかならわかるけど、舞台は第二次世界大戦下のヨーロッパ。そこで僧侶が、日本政府に反間諜者=スパイ疑惑をもたれていた...
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演技をしながら日々をやり過ごす無限ループ『桐島、部活やめるってよ』作者の新作
映画化もされたデビュー作『桐島、部活やめるってよ』のヒットで現役大学生作家として注目を浴び、『何者』で戦後では男性最年少(23歳)の直木賞受賞も果たした、朝井リョウ。最新作『スペードの3』は、これまで...
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映画「小さいおうち」の原作者が受賞していた「日本タイトルだけ大賞」とはなにか
日本に数多ある賞の中でも、〈内容の優劣を問わず、タイトルのみのコピー、美しさ、面白さが際立つ書籍を表彰〉するという一風変わった賞が、書籍紹介サイト「新刊.jp」主催の「日本タイトルだけ大賞」だ。今年1...
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独りですが、何か?『独居老人スタイル』のゆるぎない「バカ」に参った
本文の前におかれる、カラー写真からインパクト十分。全裸で逆立ちしていたり、ゴミだらけの部屋に住んでいたり、首をつっていたり(死んではいない)する老人たち。現代美術や建築・写真・文芸などさまざまな分野で...
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『タイムマシン』『宇宙戦争』作者のモテモテ「絶倫」人生
なんでこの人が「絶倫の人」なのだろう?イギリスの作家、デイヴィッド・ロッジによる伝記小説『絶倫の人小説H・G・ウェルズ』は、19〜20世紀に活躍し、『タイムマシン』や『宇宙戦争』などの作品で知られる文...
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恋愛下手、DV、統合失調症そして天才作家『島田清次郎 誰にも愛されなかった男』
〈本当に男の中の男になろうとしてゐる自分を愛さない女は女であるまい〉と豪語する男、それが島田清次郎だ。1919年、20歳の時に刊行されたデビュー長篇『地上』が大ベストセラーに。天才作家としてもてはやさ...