フルローンで不動産投資を組むには?|メリット・リスク・注意点解説

コラム
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不動産投資では、株式投資や投資信託・FXなどと異なり、銀行からお金を借りて投資できます。

融資(ローン)を組む、つまり、他人資本で投資することでレバレッジをかけられることは、不動産投資ならではの大きなメリットです。

そして、投資物件を全額ローンで購入することを「フルローン投資」と呼びます。

フルローン投資はレバレッジを大きくかけられるため、短期間で大きく資産を伸ばしたい方には魅力的な投資方法かもしれません。しかし、リスクや注意点を知らずにフルローン投資に手を出すと、思いもよらないトラブルに見舞われる可能性もあります。

この記事では、フルローン投資を検討している方向けに、フルローン投資のメリット・リスク・注意点を解説します。フルローン投資で失敗しないためにも、ぜひ最後までご覧ください。

フルローンで不動産投資を行う場合の基礎知識

まずはフルローンで不動産投資を行う場合の基礎知識として、フルローンの概要・メリット・デメリットを紹介します。

フルローンとは何か?

フルローンとは冒頭で述べたとおり、投資物件を全額ローンで購入することを指します。

言い換えると「自己資金ゼロで物件を購入する」投資手法がフルローンです。

ただし、物件購入時には、物件購入費用以外にも、次のような諸経費がかかります。

不動産購入時の諸経費

  • 不動産登記費用(所有権移転、抵当権設定など)
  • 司法書士手数料
  • 銀行手数料
  • 各種保険料(火災保険、地震保険など)
  • 印紙税
  • 不動産取得税
  • 固定資産税・都市計画税の清算金
  • 不動産会社への仲介手数料

これらの諸経費は、物件価格の10%前後かかることが一般的です。

フルローンの場合、これらの諸経費を融資資金で支払うことは現実的ではありません。フルローンの場合は物件価値≒融資額となりますが、諸経費は物件価値では賄えないためです。

物件の銀行評価額が物件購入額よりも高い場合は、諸経費もローンで対応できる場合もありますが、融資条件が厳しくなります。

フルローンで購入する場合でも、諸経費は自己資金で支払う前提で考えておきましょう。

フルローンのメリット・デメリット

ここからは、フルローンで投資する場合のメリット・デメリットについて解説します。

フルローンのメリット

フルローンのメリットとしては、次の3点が挙げられます。

フルローンのメリット

  • 自己資金負担が軽減する
  • 自己資金利回りが高くなる
  • レバレッジを大きくかけられる

フルローンの場合、自己資金が必要になるのは諸経費の支払いに対してのみです。そのため、自己資金負担が軽減します。

自己資金負担が軽減することに伴い、自己資金利回りが高くなることもメリットの1つです。

自己資金利回り

自己資金に対して、いくらの利益が出たのか測る指標

例えば、物件価格2,000万円・諸経費200万円・年間収入220万円の物件を購入するとします。

この場合、表面利回りは「収入220万円÷支出2,200万円×100=10%」です。

自己資金を500万円出している場合、自己資金利回りは「収入220万円÷自己資金500万円×100=44%」となります。

一方、諸経費のみ自己資金で支払い、物件はフルローンで購入する場合、自己資金利回りは「収入220万円÷自己資金200万円×100=110%」です。

このように、他人資本(融資)で大きく利益を出せる、すなわちレバレッジを大きくかけられることは、フルローン最大のメリットと言えます。

フルローンのデメリット

一方、フルローンのデメリットとしては、次の2点を覚えておきましょう。

フルローンのデメリット

  • 返済負担が大きい
  • 金利変動リスク

フルローンの場合、月々の返済負担が大きくなります。

不動産投資の場合、一般的には残存法定耐用年数に応じて融資期間が設定されます。そのため、フルローンでも頭金有の融資でも、返済期間は変わりません。

構造耐用年数
木造22年
金属造(骨格材肉厚が4mmを超える)34年
金属造(骨格材肉厚が3mm~4mm)27年
金属造(骨格材肉厚が3mm以下)19年
れんが造・石造・ブロック造38年
鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造47年
参考:建造物の法定耐用年数一覧 東京都主税局

つまり、フルローンの方が頭金有の融資よりも毎月の返済額が増えます。

月々の返済額が増えれば、それだけキャッシュフローに与える影響も大きくなるため、場合によっては赤字経営になることは覚えておきましょう。

また、変動金利で融資を受ける場合、金利上昇に伴い月々の返済額が増えることも考えられます。

融資額が大きければ、それだけ金利負担も大きくなるため、フルローンで投資する際は金利変動リスクを負っていることを意識しましょう。

フルローンが組める・利用できるケース

実際にフルローンを組める・利用できるのは、次のような場合です。

アパートの場合

  • 土地評価額が高い

マンションの場合

  • 残存法定耐用年数が長い

アパート・マンション共通

  • 個人属性が高い
  • 共同担保を設定する

アパートの場合

アパートの多くは木造です。そのため、新築物件の場合でも法定耐用年数は22年しかありません。

融資期間が最長でも20年程度になることを考えると、アパート購入でフルローンを組むことは比較的厳しいと言えます。

ただし、アパート一棟を購入する場合、投資金額に占める土地の割合が高いことが特徴です。

土地は経年劣化しないため、需要が高いエリア(路線価が高いエリア)であれば、土地の評価によってフルローンを受けられる可能性もあります。

マンションの場合

マンションの場合、木造物件よりも法定耐用年数が長いため、返済期間を長くして融資を組むことも可能です。

そのため、特に法定耐用年数が長い鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造の築浅マンションの場合は、フルローンを組める場合もあります。

アパート・マンション共通

アパート・マンションに共通して、個人属性が高い場合はフルローンを組めるでしょう。

例えば会社員としても働いており、給与所得が2,000万円程度あれば、給与所得も返済原資の一部として評価してもらえます。この場合は物件の残存法定年数が短い場合でも、フルローンを組める可能性が高いです。(ただし、金融機関との取引期間が長いなど、信頼関係を築いている必要もあります)

また、購入物件以外の不動産を共同担保を設定することで、フルローンを組める場合もあります。購入物件以外に不動産を持っている場合は、検討してみても良いでしょう。

フルローン投資のリスクと注意点

実際にフルローン投資を行う場合は、リスクと注意点を把握しておく必要があります。

リスクのシミュレーション方法

不動産賃貸経営の代表的なリスクは、家賃収入下落リスク(空室リスク)、修繕リスク、金利上昇リスクです。

実際に、次の条件でフルローン投資した場合でシミュレーションしてみます。

  • 借入金額:1億円
  • 金利:2.000%
  • 借入期間:20年 (240回払)
  • 月額返済額:505,883円(年間返済額:6,070,596円)
  • 築浅木造アパート・戸数10

家賃収入下落リスク(空室リスク)

年間返済額がおよそ607万円で戸数が10室なので、1部屋辺りの年間家賃が60.7万円(月額家賃およそ5.05万円)であれば、家賃収入と返済額が相殺し、トントンになります。

利益を出すことを考え、年間家賃72万円(月額家賃6万円)程度に設定してシミュレーションしてみましょう。

10室が1年間常に満室の場合、年間家賃収入は720万円です。つまり、キャッシュフローは「家賃収入720万円 ー 返済額607万円 = 約113万円」となります。

仮に経年劣化によって需要が下がり、家賃を15%さげて月額5.1万円にすると、10室が1年間常に満室の場合、年間家賃収入は612万円です。キャッシュフローは「家賃収入612万円 ー 返済額607万円 = 約5万円」となります。アパートの場合、経年劣化によって法定耐用年数経過までに家賃が15%下落することは一般的な傾向です。

また、仮に1部屋でも空室ができると、月額家賃が6万円の場合の年間家賃収入は648万円となり、キャッシュフローは「家賃収入648万円 ー 返済額607万円 = 約41万円」となります。(家賃下落を考慮すると、簡単に赤字になってしまいます)

さらに、実際の賃貸経営では、「家賃収入 ー 返済額」で残った収益から、固定資産税や修繕費を捻出しなければなりません。

フルローン投資をする場合は、上記のようなシミュレーションを行い、収益性に現実感があるか計算してみましょう。もしもフルローンでの年間返済額だとキャッシュフローがマイナスになる場合は、頭金を入れた方が良いと考えられます。

修繕リスク

先述したように、賃貸経営では「家賃収入 ー 返済額」で残った収益から修繕費を出さなくてはなりません。

アパート経営で一般的な外壁・屋根塗装の修繕を行う場合、100万円以上のコストがかかります。

例えば10年に1回は外壁・屋根塗装を修繕すると考えると、10年間のトータル収益が修繕費を上回っていないと赤字になってしまいます。

修繕費を加味したシミュレーションで赤字になる場合は、頭金を用意して年間返済額を下げた方が良いでしょう。

金利上昇リスク

今回のシミュレーション条件(借入金額:1億円、金利:2.000%、借入期間:20年 )で、仮に金利が1%上がり3.000%になると、年間返済額は6,070,596円から6,655,164円に上昇します。

フルローン投資時は金利の与える影響が大きくなるため、金利動向には注視しておきましょう。

注意すべきポイント

フルローン投資時に注意すべきポイントとしては、次の3点が挙げられます。

  • 過剰なレバレッジは回避する
  • 物件選びは慎重に
  • 保険を活用する

まず、過剰なレバレッジは回避しましょう。レバレッジをかければかけるほど(融資額を増やせば増やすほど)、キャッシュフローに影響を与える年間返済額も増えます。ゆとりのある賃貸経営をするためにも、シミュレーションは満室想定で行うのではなく、入居率80%~90%で計算した方が安心です。

また、入居率80~90%を維持するためにも、継続的に賃貸需要のあるエリアの物件を選びましょう。フルローン投資の場合は自己資金を入れないため、直感的に欲しい物件に買い注文を入れてしまうかもしれません。しかし、フルローン投資時こそ、物件選びは慎重に行ってください。

また、フルローン投資の場合は、不測事態に備えて「団信(団体信用生命保険)」に加入しておいた方が良いでしょう。団信に加入していれば、契約者が死亡したり高度障害になったりした場合に、保険金がローン弁済に充てられます。

アパート経営におけるフルローン投資

アパート経営においてフルローン投資する場合に重要なポイントを2つ紹介します。

  • 適切な物件の選び方
  • 融資審査のポイントと対策

適切な物件の選び方

フルローンでアパート経営用の物件を購入したい場合は、次の2点を意識しましょう。

  • なるべく土地比率の高い物件
  • 賃貸需要が高いエリアの物件

なるべく土地比率の高い物件

アパート投資でフルローン投資を行う際は、なるべく土地比率の高い物件の方が良いでしょう。

土地比率

物件売買額のうち、土地価格が占める割合。例えば売買価格が2,000万円で土地価格が1,600万円の場合、土地比率は8割となる。

先述したように、アパートは木造であることが多いため、法定耐用年数は長くても22年です。建物は経年によって資産価値が減少していくため、法定耐用年数が短い木造アパートではフルローン融資を受けられるほどの資産価値が認められない場合も少なくありません。

ただし、土地比率が高い物件であれば、経年による資産価値の減少額が少なくなります。例えば先ほど紹介した「売買価格2,000万円・土地比率8割(土地価格1,600万円:建物価格400万円)」の場合、土地部分については減価償却されず、帳簿上の資産価値が保たれます。

そのため、なるべく土地比率の高い物件で、なおかつ周辺路線価の上昇も見込まれる地域であれば、アパート購入の際もフルローン融資を組める可能性もあるでしょう。

ただし、土地比率の高い物件は築年数が経っている「築古物件」であることが多いことや、減価償却による節税効果が薄いこと、固定資産税が比較的割高になることはデメリットと言えます。

賃貸需要が高いエリアの物件

また、当然のことながら、賃貸需要が高いエリアの物件でなければ、フルローン融資は難しいです。

銀行は不動産”投資”に融資することはなく、不動産”経営”に融資すると、言われています。

そのため、フルローンで融資を受ける場合は「滞りなく返済できる賃貸需要があるか否か」が重要な融資判断となります。

土地比率の高い物件で担保価値を意識することはもちろん、キャッシュフローを生み出せる物件であるか試算することも必要です。

融資審査のポイントと対策

融資審査のポイントと対策としては、次の3点が挙げられます。

  • 無理のない返済計画を提示する
  • 個人の属性評価を改善する
  • 共同担保を提供する

無理のない返済計画を提示する

融資審査時のポイントとしては、無理のない返済プランを計画することが重要です。フルローンで融資を受けたとして、滞りなく完済できる計画を提示するようにしましょう。

個人の属性評価を改善する

無理のない返済計画を提示してもフルローン融資を受けられない場合は、融資を受ける個人としての属性を改善することも有効です。

融資審査の際は、物件の担保評価と同じく、融資を受ける個人の属性評価も行われます。

会社員として働いているのであれば、勤務先や勤続年数、年収、役職など、アパート経営が上手くいかなかった場合でも完済できる返済能力があること示しましょう。

また、個人としての金融資産評価額や、不動産賃貸経営の実績なども評価されます。フルローンで融資を受けたい場合は、まずは個人としての信頼を高めることも必要です。

特に住宅ローン・カーローンなど他の融資を受けている場合は、フルローン融資の前にそれらの完済を目指しても良いでしょう。

共同担保を提供する

購入する物件だけではなく、保有している他物件を共同担保として提供することも、フルローン融資時には必要です。

他の投資用物件や自宅などを共同担保として設定すれば、金融機関側のリスクが下がり、フルローンで融資を受けられる可能性が高まります。

ただし、その分、融資を受ける側のリスクは増えるため、共同担保を設定する際は慎重に検討しましょう。

キャッシュフローの改善と税金対策

フルローン投資の場合、キャッシュフローの悪化とは上手に付き合わなければなりません。

ここからは、キャッシュフローの改善方法と、キャッシュフローに影響を与える税金対策について紹介します。

キャッシュフロー改善方法

不動産賃貸におけるキャッシュフローは、以下の計算式で求められます。

キャッシュフロー計算式

キャッシュフロー = 収入ー ランニングコスト(経費) ー 税金 + 減価償却費 ー 借入金の返済

上記を踏まえて、キャッシュフローの改善方法には、次の3つが挙げられます。

  • 家賃収入の最適化
  • コスト削減
  • 運用効率の向上

家賃収入の最適化

収入が増えれば、その分、キャッシュフローは改善します。そのため、家賃収入は最適化しなければなりません。

家賃を上げれば一戸あたりの収入は増えますが、空室が生まれる可能性もあります。一方、家賃を下げれば空室は埋まりますが、一戸あたりの収入は減ります。

家賃設定は周辺相場を鑑み、空室が発生しないギリギリの値付けにしなければなりません。客付けを依頼する不動産会社と相談し、適切な家賃を考えましょう。

コスト削減

キャッシュフローを増やすためには、コスト削減も必要です。

フルローン投資時は月々の返済額が増えるため、それ以外のランニングコストはなるべく節約しましょう。

例えば不動産管理会社へ支払う管理手数料を削減するために、自分でできる作業は自分で行うことなどが考えられます。

運用効率の向上

キャッシュフローを改善するためには、アパート経営の運用効率を向上させることも有効です。

もしも入居者が頻繁に入れ替わると、それだけ客付けにかかるコストが増えます。また、退去後の修繕費も見逃せないコストです。

キャッシュフローを安定させるためにも、なるべく長く入居してもらえる層を狙いましょう。

税金対策のポイント

税金対策としては、次の2つが挙げられます。

  • 減価償却費の活用
  • 節税対策を税理士に相談する

減価償却費の活用

減価償却は経費として計上できるため、所得税を減らす効果があります。

減価償却

経年で資産価値が減少する資産(減価償却資産)の取得金額を、法定耐用年数で分割して経費計上するという会計手続き

中古物件であれば償却期間が短くなるため、それだけ単一年度で計上できる減価償却費が増えます。

物件購入時は、毎年の減価償却費まで視野に入れて収益計算すると良いでしょう。

節税対策を税理士に相談する

減価償却を含めて、節税対策は税理士に相談することがオススメです。

個人でできる節税対策には限りがあり、手続きも煩雑です。

税金のプロフェッショナルである税理士に任せれば、節税対策はもちろん確定申告まで依頼できるため、自分は不動産管理・経営に集中できます。

フルローン不動産投資のポイント

最後に、フルローンで不動産投資を始める場合のポイントを紹介します。

適正なローンの借入額の決め方

一般的に物件を購入する際は、融資額を物件の50%~70%に抑えておくことがセオリーとされています。

上記のセオリーを踏まえて、次の条件で物件を購入した場合の資金繰りについて、フルローン(借入割合100%)、借入割合70%、借入割合50%の3パターンでシミュレーションしてみましょう。

  • 3,000万円の新築木造アパート物件に投資
  • 返済期間:20年
  • 満室時の毎月家賃収入:32万円(年間収入384万円)

借入額が増えれば増えるほど融資条件は厳しくなるため、金利はフルローン(借入割合100%)で3.000%、借入割合70%で2.000%、借入割合50%で1.000%とします。

項目フルローン(借入割合100%)借入割合70%借入割合50%
融資条件借入額:3,000万円
自己資金:0円
金利3.000%
借入額:2,100万円
自己資金:900万円
金利2.000%
借入額:1,500万円
自己資金:1,500万円
金利1.000%
毎月の返済額166,379円106,235円68,984円
毎月の収入ー毎月の返済額
(概算キャッシュフロー)
約15.4万円約21.4万円約25.1万円
毎年の返済額約200万円約127万円約83万円
年間収入ー年間返済額約184万円約257万円約301万円

このように、借入額が増えれば増えるほど、キャッシュフローが減ることが分かります。

また、上記のシミュレーションは満室時収入で計算しているため、もしも空室が発生した場合には、キャッシュフローはさらに圧迫されることも忘れてはいけません。

もしも全戸数の2割が空室になった場合、毎月の家賃収入は32万円から25.6万円に減少します。

その場合の毎月の概算キャッシュフローは次の通りです。

項目フルローン(借入割合100%)借入割合70%借入割合50%
毎月の返済額
(空室発生時も変わらず)
166,379円106,235円68,984円
毎月の収入ー毎月の返済額
(概算キャッシュフロー)
約8.9万円約14.9万円約18.7万円

空室が発生しても、毎月の返済額は変わりません。今回のシミュレーションでは、フルローン投資における満室時概算キャッシュフローは約15.4万円から約8.9万円と約4割減少しました。空室率が2割上昇すると、キャッシュフローは4割減少すると言うことです。

このように、空室が発生すると、思った以上にキャッシュフローが悪化する場合もあります。そのため、自己資金が用意できる場合は、基本的には融資額は物件価格の50%~70%に抑えた方が良いでしょう。ただし、空室発生によって赤字になった場合、フルローンで融資された借入金を一括返済できる資金プールがあれば、あえてレバレッジを利かせるためにフルローン投資をする場合もあります。

資金管理と返済計画

フルローンで不動産投資を始める場合、資金管理を返済計画は入念に行いましょう。特に意識するべき点は次の3つです。

  • キャッシュフロー
  • 緊急時の資金確保
  • 返済計画

先述したように、キャッシュフローは次の計算式で求められます。

キャッシュフロー計算式

キャッシュフロー = 収入ー ランニングコスト(経費) ー 税金 + 減価償却費 ー 借入金の返済

まずは「収入」の見込みから計算しましょう。この際、満室時収入を基にキャッシュフロー計算すると、空室発生時にはギリギリの状態で経営することになります。そのため、空室発生率10~20%(入居率90%~80%)程度の状態で見込み計算すると安心です。

空室発生率10~20%程度で見込める収入で、毎月の返済額が支払えるかどうか確認します。もしもこの段階で返済が難しそうな場合は、毎月の返済額を抑えるために借入額を少なくしなければなりません。

また、想定よりも空室が発生した場合や、突発的な修繕が必要になった場合に備えて、緊急時資金も確保しておきましょう。緊急時資金に決まりはありませんが、半年~1年分の返済額がプールされていると安心です。

まとめ

フルローン投資はレバレッジを大きく利かせられるため、素早く資産を増やすことができます。

しかし、毎月の返済額が増えたり、融資条件が圧迫したり、少なからずデメリットが存在することも事実です。

無理のない返済計画を立て、余裕を持った状態で利用するようにしましょう。特に、シミュレーションは空室が発生する前提で考えることが重要です。

フルローンのメリット

  • 自己資金負担が軽減する
  • 自己資金利回りが高くなる
  • レバレッジを大きくかけられる

フルローンのデメリット

  • 返済負担が大きい
  • 金利変動リスク

フルローンが組める・利用できるケース

  • 個人属性が高い
  • 共同担保を設定する
  • 土地評価額が高い(木造アパート投資で重要)
  • 残存法定耐用年数が長い(RC造マンション投資で重要)

フルローン利用時の注意点

  • 無理のない返済計画を立てる
  • キャッシュフロー計算は空室発生を前提に考える
  • 不測事態に備えて緊急時資金を用意しておく
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