築古アパート投資のメリット・デメリットとリスク対策

コラム
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新築の物件や、中古マンションを対象に不動産投資をする際は、初期費用や投資総額が高額になります。そのため、比較的少額で挑戦できる築古アパート投資を検討する方もいらっしゃるのではないでしょうか。一方で、築古アパート投資はどのような点に気をつければいいかわからずに、悩んでいる方も多いと思います。

本記事では、築古アパート投資のメリット・デメリットなどの特徴やリスク対策について解説します。
本記事を読むと、どのようなポイントに気をつけて築古アパート投資に挑戦すればいいのかがわかります。

築古アパート投資の魅力

ここでは築古アパート投資の魅力を解説します。築古アパート投資の魅力は以下の2点です。

  • 低コストでの投資可能性
  • 安定したキャッシュフロー

低コストで投資できる可能性

築古アパートは、新築物件やマンションに比べて安く購入できます。そのため、初期投資費用も抑えて不動産投資が可能です。また、築古アパートはリノベーションや改修を行うことで、資産価値を向上させられる可能性もあります。

安定したキャッシュフロー

築古アパートは、建物自体のコストが低いため、家賃を低めに設定できます。そのため、家賃価格の安さを重視する方が長期的に滞在する可能性があります。
長期的な居住を希望している方が多く入居すれば、安定したキャッシュフローを確保できます。

築古アパート投資のメリット

ここからは築古アパート投資のメリットについて解説します。なぜ古いアパートを投資対象にするのか、その理由とポイントがわかります。
メリットは以下の3点です。

  • 安い物件価格による高い利回り
  • 減価償却による節税効果
  • 価格下落のリスクが低い

安い物件価格による高い利回り

前述しましたが、築古アパートは新築物件よりも安く購入することができるため、より低い初期投資で不動産投資が可能です。
また、物件価格が低ければ家賃収入が高い割合で収益に反映されるため、高い利回りを期待できます。この利回りのことを「表面利回り」といいます。

表面利回りの計算式
表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

ただ、表面利回りには以下の要素が反映されていません。

  • 修繕費用
  • リフォーム費用
  • その他経費
  • 実際の家賃収入

これらの要素も含めて計算することで「実質利回り」がわかります。
物件購入前に、実質利回りを計算して利益を出せるかシミュレーションを行います。その上で家賃の設定金額や、金融機関からの借入金額を決定します。詳細な計算を行い、利益が出ることを確定させてから投資を行いましょう。

実質利回りの計算
実質利回り=(年間の家賃収入-年間の諸経費)÷(物件の購入価格+購入時の諸経費)×100 

減価償却による節税効果

不動産投資において減価償却を行うことで以下のメリットがあります。

  • 節税
  • 投資収益率の向上
  • 不動産の価値減少に対するリスク低減 

節税

納税額は、経費をその年の所得から差し引いた額に税率をかけて計算された金額です。築古アパートを所有する場合、建物や設備に対する減価償却費用を経費として計上できるため節税できます。税率がかかる所得額が低くなるため節税になります。

納税額=[利益(所得)ー経費]× 税率

減価償却ができる資産には、法律により耐用年数による償却期間が定められています。木造アパートの耐用年数は22年です。

投資収益率の向上

減価償却を行うことで、投資利回り(投資収益率)が向上する可能性があります。減価償却費を経費として計上することで、純利益が増加するためです。

不動産の価値減少に対するリスク低減

減価償却を行うことで、不動産の価値が減少した場合でも、減価償却費の分だけ税金が軽減されるため、リスクが低減されます。以上のメリットがあるため「税金」「減価償却」に関する正しい知識を身につけることが重要です。

ただし、節税効果を狙うために無理な投資をすることは避け、収益性や投資リスクを考慮した上で妥当な範囲内での節税対策を行いましょう。

価格下落のリスクが低い

価格下落のリスクが低いことや、値下がり幅が狭いというメリットがあります。
築古アパートは、法定耐用年数という建物の寿命が短いため、不動産価格の値下がりがほとんど終わり、底をついた金額に近い価格で安定する傾向があります。
法定耐用年数が切れるまでに、さらに価格が下がることがあっても数年しか時間がないため値下がり幅は狭い点がメリットです。築古アパートは、時間が経って古くなっていることをメリットに変えて考えることが重要です。

物件購入後に値下がり幅が狭いと、土地価格や物件価格が少し上がるだけでも利益が出やすい状態です。住宅需要が高い都市部で土地の高騰が起きた場合、中古物件や築古アパートの需要が高まる可能性があります。その際には売却益や、家賃価格の見直しによって利益を増やせる可能性があります。

一方、新築のマンションなどは物件にもよりますが、完工してから15年ほどの間で年数が経つにつれ、不動産価格が年々減少していく物件もあります。

築古アパート投資のデメリット

ここからは築古アパート投資のデメリットを解説します。メリット・デメリット両面を確認し、リスクも理解した上で投資を行いましょう。
デメリットは以下の3点です。

  • 金融機関からの融資審査の難しさ
  • 購入後に重大な欠陥が発生するリスク
  • 退去者発生時の入居率回復の難しさ   

金融機関からの融資審査の難しさ

築古アパートは建物や設備の老朽化が進んでいるため、金融機関からの評価が低く融資が受けにくいことがあります
また、築古アパートは改装や増改築などの工事によっても、不動産価値が上がることは少ないという厳しい現状があります。

融資を受けることができても、金利や返済期間などの条件面が厳しくなるデメリットも考えられます。返済できなくなるような状況は避けましょう。

売却時は購入希望者がいても、その方は同じように融資を受けるのが難しいことが予想されます。そのため「購入できる方がなかなか見つからず、いつまでも売却できない」という状態になりかねません。
売却時期やタイミングなどの出口戦略を考えておくことが大切です。

購入後に重大な欠陥が発生するリスク

築古アパート物件を購入した後に、重大な欠陥が見つかってしまうリスクがあります。建物の老朽化や設備の劣化が原因による欠陥リスクです。欠陥が見つかった場合、高額な修繕費用がかかる可能性があるため、投資の収益性に大きな影響を与えることがあります。
また、欠陥が発覚したことにより入居者が退去する可能性もあり、収益の減少につながりかねません。

例えば、以下のようなリスクが考えられます。

  • 建物の傾きやひび割れ
  • 雨漏りや結露
  • 断熱性の不良
  • 水漏れ
  • 断線
  • トラブルの発生源となる入居者

地震などによる影響で、前オーナーも気づいていなかった建物の傾きやひび割れが発生している可能性があります。
部屋内や、壁面の中に発生したひび割れや雨漏り、結露に関しては入居者がいる間は確認が難しい項目で発見が遅れる可能性が高いです。
水漏れや断線といったトラブルも、発生すると修繕費用がかかるだけでなく時間と手間がかかります。以前のオーナーや管理会社がしっかりと管理・補修していたのか購入前に確認することが重要です。

トラブルを防ぐ方法は「売買契約書」を細かく確認することです。契約書には「契約不適合責任」が記載されており、物件の欠陥やトラブルの責任について「範囲」や「期間」などの詳細条件が載っています。内容を細かく確認し、不利な条件や理不尽な内容があれば交渉して少しでもリスクを回避しましょう。

そして、クレームが多かったり設備を壊したりするトラブルを起こす入居者がいる場合、詳細情報を事前に必ず得ておきましょう。
もしくは、そのような情報を手に入れた時点で別物件を探しましょう。「物」に関する欠陥は多くの場合、修繕やリフォームで対応できますが「人」に関するトラブルは時間と手間が多大にかかり、長期間に及ぶ可能性もあります。リスクが大き過ぎないか慎重に判断しましょう。

退去者発生時の入居率回復の難しさ

築古アパートでは退去者が出た場合、新たな入居者を獲得することが難しいというデメリットがあります。
その原因は建物の老朽化で、住み心地が悪いと感じられる場合が多いです。ほかにも、外観の見栄えや、周辺地域の競合物件が多い場合などがあります。そのため、新規入居者が見つからず、家賃収入の減少につながるリスクがあるため対応策を検討しておくことが大切です。

退去者が発生しないように住み心地のよいアパート経営を心がけることが重要です。
例えば、共用部をきれいな状態に保つ、入居者にトラブルや困りごとが起きた際に即時対応する、など入居者にとって住み心地のよい住環境を作りましょう。

築古アパート投資のリスク対策と注意点

築古アパート投資のリスクとその対策方法や注意点について解説します。リスクの内容と対策方法を知ることにより、不動産投資への不安を軽減できます。

物件の設備・間取り

物件購入時に、設備や間取りが古いままというリスクがあります。このリスクには、リフォームや修繕工事で対応しましょう。

例えば、古いアパートではまだ水廻りが3点ユニットになっている物件があります。3点ユニットとは、トイレ・風呂・洗面が一体型になっているビジネスホテルのような仕様のことです。この仕様は住居では使いにくく、アパートで残っていても不人気です。物件自体の需要がなく、入居者が集まらない可能性がありますので注意しましょう。

長い間、以下の改善・修繕が行われていない物件も注意が必要です。

  • 水廻り
  • 内装
  • その他設備

リフォームなどで対応できるとしても、高額な費用が発生する可能性があります。最低限の修繕しか行っていない物件は、設備や内装の質が低い物件です。そのため、低価格の家賃設定にして「安さ」で集客する方法が利用できます。しかし、そもそも住みにくければ入居者を期待するのは難しいでしょう。

費用はかかりますが、リフォーム工事や修繕工事で住みやすいアパートを作りましょう。しかし、費用をかけすぎると利益率が落ちてしまいます。物件購入前にどのような修繕が必要なのか、費用がどれくらいかかりそうなのか確認することが重要です。

周辺環境の変化

築古アパート投資は、周辺環境の変化というリスクがあります。物件周辺の地域環境が変化することによって住み心地がよくなることも、悪くなることもあるのです。
環境変化によるリスクへの対策は、購入を検討している物件周辺の情報収集と、物件の現地調査が重要です。

例えば、近所にあったコンビニやスーパーが移転や倒産すると、買い物が不便になり日常生活に影響が出ます。また、アパートの隣に新築マンションが建設されると風通し、日当たりが悪くなる悪影響も考えられます。

実際に現地調査を行い、アパート周辺のスーパーに来客が多いかなど自分の目で確認することが大切です。アパートの隣が空き地や駐車場になっている場合、新築で建物が立つ可能性を考慮しましょう。
また、物件周辺を見に行くことで、暮らしやすい環境が整っているのかがわかれば、入居者の募集がしやすいのか参考にできます。

環境の変化で住みにくくなった方が退去すると、家賃収入の減少につながります。空室リスクも考慮して資金を準備することが重要です。

リスクに対応できる資金

リスクに対応できる資金の準備が大切です。修繕費や想定外の対応は「必ず起こる」と考えておきましょう。
不動産投資では、以下のようなさまざまなことに費用がかかります。

  • 空室リスク
  • 入居者募集費用
  • ローンの返済
  • リフォーム工事
  • 修繕工事
  • 税金の支払い

細かく挙げれば他にもいろいろな費用があります。この資金を準備することと、家賃収入のバランスを深く検討してから築古アパート投資に臨みましょう。

よくあるQ&A

Q:自己資金なしで始める方法はあるの?

A:あります。しかし難しいです。

物件を購入する際に、金融機関とつながりが強い不動産会社に依頼することが重要です。金融機関との連携をあまりできていない不動産会社だと難しいでしょう。

また、金融機関への融資を申請する当人の属性が高くなければ融資を受けるのは難しいです。属性とは、申請者が融資金額を返済できるかどうかを測る指標のことです。その指標は、以下の内容で審査されます。

  • 年収
  • 金融資産
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 家族構成
  • 借入金の状況

Q:築古アパートの妥当な利回りはどれくらい?

A:3〜5%

利回りは5%であれば理想的です。
利回りの最低ラインは3%がおすすめです。

利回りは、諸条件や物件の性質、物件の立地が都市圏か地方かなどでも変わるため、あくまでも目安としてください。表面利回りは現実的ではないため、経費や空室リスクも考慮した上で現実的な数字で判断しましょう。
参考資料:一般社団法人日本不動産研究所 第42回不動産投資家調査(2020年4月期)

Q:築古アパートを買う前にホームインスペクターに診断してもらったほうがいいの?

A:事前にアパートを見学し、不安な場合はおすすめします。

ホームインスペクターに住宅診断を依頼すれば以下のことがわかります。

  • 設備の状態
  • 修繕すべき箇所
  • どのようなメンテナンスをすべきか
  • 断熱・防水などに欠陥がないか

購入しても問題ないか判断する目安になります。また、購入後にどのような問題が起きる可能性があるのかも前もってわかります。

まとめ

本記事では、築古アパート投資に重要なメリット・デメリットを解説しました。
メリットは以下の通りです。

  • 安い物件価格による高い利回り
  • 減価償却による節税効果
  • 価格下落のリスクが低い

節税でリスクを抑えながら利益を増やせるように、税金に関することも学ぶことが重要です。

デメリットは以下の通りです。

  • 金融機関からの融資審査の難しさ
  • 購入後に重大な欠陥が発生するリスク
  • 退去者発生時の入居率回復の難しさ

デメリットを前もって知っておくことで対策が立てられます。十分な資金と対応策を準備してから築古アパート投資に挑戦しましょう。

不動産投資は「不動産事業」と捉えて挑戦することで、取り組む姿勢が変わってきます。
投資には必ずリスクやデメリットがあります。必ず儲かる投資はありません。最後は自分の判断で進まなければいけません。「利益を出して生活を楽にする」など自分の目標が達成できるように学び続けることが大切です。

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