【宅建士監修】不動産売却したら確定申告は必要?手続きを解説

不動産売却
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不動産を売却した場合、状況によっては確定申告を行わなければいけません。

しかし、不動産の売却もそう経験がないと確定申告が必要な状況がわからないという人も多いのではないでしょうか?

さらに、給与所得者の方などは確定申告自体の経験も多いとはいえません。

不動産売却した後に、なぜ確定申告が必要になるのか?

確定申告のやり方はどうすればいいのか?

どのくらい税金がかかるのか?

など気になる点は多岐にわたります。

この記事では、不動産売却における確定申告が必要なケースや、確定申告における必要な書類、計算方法などについて詳しく解説しましょう。

この記事の監修者
宅建士 門傳 義文
宅建士 門傳 義文

メディア実績:日本経済新聞、朝日新聞、テレビ東京「WBS」、TBS「NESW23」、雑誌「プレジデント」など

「不動産をわかりやすく伝える」をコンセプトに、不動産会社「ラインズマン」を設立。メディア「暮らしっく不動産」を運営するほか、相談者とともに悩み、考える住まい選びの“プロ”として活動している。

門傳 義文のプロフィール

監修者門傳 義文先生の解説コメント

「不動産売却で利益が出た場合」確定申告が必要になります。簡単に言うと、買ったときよりも高く売れた場合です。まずはこの点の確認を行いましょう。買ったときの不動産売買契約書と売ったときの不動産売買契約書を用意し、まずこの2つがあれば大まかな判断ができます。この点を不動産売却時の担当者または税理士へ確認を取りましょう。

不動産会社の担当者によっては、一般的な税知識が低い場合もありますので、その場合は税理士を紹介してもらうか自分で税理士を探しましょう。居住用の場合は、3,000万円の特別控除もありますが、適用要件を満たしているのか確認しましょう。

確定申告が必要となった場合、確定申告に不慣れな方は税理士に依頼するのが良いでしょう。不動産売却に関わった不動産会社の担当や税理士などにアドバイスだけ求める方法もありますが、確定申告は個別性が強いため、あまりおすすめはできません。自分で確定申告をすると節約になると思って申告しても、見落としがあり税理士に依頼するより損をしてしまうケースも時々あります。

不動産売却が初めての方や確定申告が初めての方などは、税理士に依頼することをおすすめします。ここ数年で売却される方は、不動産売却時に利益が出る方が多い印象です。申告漏れや間違いがないよう、時間には余裕を持って確認を取りましょう。参考になれば幸いです。

確定申告とは

確定申告とは、1月1日から3月31日までに得た所得を税務署に申告し、所得にかかる税金を納付する制度です。

誰もが確定申告を行わなければいけないという訳ではありません。

会社に勤めている給与所得者の方は、確定申告の経験がない方も多いのではないでしょうか。

給与所得者は給与を支払う会社が年末調整により、所得税の計算を全て行い、給与から所得税を徴収します。

一般的には会社員の場合は、確定申告を行う必要はありません。

主に確定申告が毎年必要な方として、個人事業主や不動産収入がある方などが挙げられます。

会社員でも毎年確定申告を行う必要性がある方として

  • 給与収入が2,000万円以上ある方
  • 副業で年間20万円以上の所得がある方

などがあてはまりますので、会社員だからといって全員が確定申告を全くしなくていいというわけではありません。

また、毎年ではなくとも単発的に確定申告が必要になるケースも考えられます。

確定申告が必要なケースをしっかりと把握しておくことが必要です。

不動産売却後に確定申告は必須?

不動産を売却した場合、確定申告が必須ではありません。

しかし、場合によっては確定申告を行なう必要があります。

個人事業主や不動産収入を得ている方や、会社員でも年収2,000万円以上の方や副業で年間20万円以上の所得がある方は、毎年確定申告が必要と前述しました。

しかし、毎年ではなくても確定申告が必要なケースとして挙げられるのが、不動産売却後による確定申告です。

不動産売却において一定の条件下を満たした場合には、確定申告を行わなければいけません。

万が一確定申告の必要性があっても確定申告を行わず、税金の納税を怠った場合は追徴課税や無申告課税など大きなリスクを負ってしまいます。

最悪の場合、脱税とみなされしまい懲役刑に処されるかもしれません。

確定申告が必要なのに怠ってしまうとリスクしかありません。

単発的に確定申告が必要な場合がありますので、特に不動産売却した後などは確定申告かどうかを把握する必要があります。

次の項目で、不動産売却において確定申告が必要なケースについて解説しましょう。

確定申告が必要な場合

不動産売却において確定申告が必要なケースは、不動産売却によって利益が出た場合です。

例えば1,000万円で購入した不動産を2,000万円で売却すると、売却にかかった経費を除き、1,000万円の利益が出たことになります。

この場合、確定申告を行う必要があります。

不動産を売却した価格から、売却にかかった経費と購入した金額を差し引き、利益が出たものを譲渡所得といい、譲渡所得に関しては課税対象です。

譲渡所得に関する税金を納めるために確定申告が必要になります。

確定申告が不要な場合

不動産売却によって譲渡所得が発生した場合に、譲渡所得にかかる所得税や住民税を納税するために確定申告が必要である点を前述しました。

つまり不動産を売却したところで、譲渡所得が出なければ税金は発生しません。

不動産の売却価格から不動産を購入した時の価格や経費、不動産売却にかかった経費を差し引き利益が出ているかどうかがポイントです。

経費とは、購入したときの仲介手数料や税金、売却における測量費、仲介手数料、解体費用などが含まれます。

しかし、売却した不動産がマイホームだった場合は、譲渡所得が発生しなくとも確定申告しておいた方が良いケースもあるのです。

不動産を売却した価格が、購入時の金額と売却時の経費を合わせた額よりも少ないと、譲渡損失が発生したことになります。

譲渡損失は確定申告することよって、全体の所得金額を抑えることができるのです。

所得金額から譲渡損失を差し引くことで家計全体の所得額を抑えられるので、所得額にかかる税を抑えることになります。

譲渡所得が発生しなければ確定申告は基本的に不要です。

しかし、マイホームを売却する場合などは、譲渡所得が発生しなくても確定申告することがおすすめといえます。

不動産売却後の確定申告に必要な書類

不動産売却時に確定申告が必要な場合について解説しました。

確定申告は、不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日の間に管轄の税務署で行います。

しかし、確定申告はただ税務署に出向けばいいというものではありません。

確定申告に必要な書類を揃え、記入する書類を完成させたうえで確定申告を行います。

確定申告に必要な書類は下記の6点です。

  • 確定申告書B様式
  • 分離課税用の申告書
  • 譲渡所得の内訳書
  • 購入時や売却時の不動産売買契約書
  • 登記事項証明書
  • 仲介手数料の領収書

これらの書類が不動産売却時における必要な書類となりますが、特例などを利用する場合、その他にも書類が必要になる場合があります。

また、確定申告時に必要な書類は、全てが同じ場所で用意できるものではなく、取得先が異なります。

特に確定申告の経験があまりない場合、書類の準備に時間がかかってしまい、確定申告の時期を過ぎてしまうかもしれませんので注意しておきましょう。

ここからは、不動産売却時の確定申告に必要な書類の取得先などについて解説します。

確定申告書B様式

不動産を売却した場合、確定申告においては確定申告書A若しくはBを使用しなければいけません。

しかし令和4年の確定申告からは全て確定申告書B様式に統一されますので、今後不動産売却後の確定申告においては、全て確定申告書B様式への記載が必要です。

確定申告祖B様式の第一表には収入金額や支払額などを記載します。

第二表には、社会保険料控除や生命保険料控除、地震保険料控除といった金額を入力しなければいけません。

第三表は、後述する分離課税用の申告書となります。

これらの今日を記載したうえで提出しなければいけません。

申告書Bの取得方法は税務署で入手が可能です。

わざわざ税務署に行かなくても国税庁のHPでもダウンロードが可能ですので、これらを利用して取得しましょう。

これらの書類は手書きだけではなく、オンラインで入力し印刷することも可能です。

e-taxというインターネットを通じたオンラインでの提出が可能になったことにより、わざわざ税務署に出向く必要がなくなりました。

非常に便利になりましたのでe-taxを活用し、効率的に確定申告を行いましょう。

分離課税用の申告書

不動産の売却によって得た譲渡所得は、会社勤めの方だと給与所得、個人事業主だと事業所得などと分類しなければいけません。

なぜ分類しなければいけないのかといえば、所得の種類によって税率が異なるからです。

先ほど述べた確定申告書B様式の第三表を取得し、記載する必要があります。

収入金額部分には、短期譲渡所得の場合は短期譲渡の一般分に記入し、長期譲渡所得の場合は、長期譲渡の一般分に記入します。

所得金額部分も同様です。

所得部分については後述する譲渡所得の内訳書で計算した数字を記入しなければいけません。

あわせて、分離課税の短期・長期譲渡所得に関する事項欄にも必要な情報を記入する必要があります。

基本的に、分離課税用の申告書で計算が必要な個所はなく、内訳書などから必要な情報をかき出しておけばいいでしょう。

不動産売却の確定申告において必ず必要な書類ですが、分離課税といわれてもピンとくる方もすくないので、確定申告時に忘れやすい書類といえます。

忘れないように準備しましょう。

譲渡所得の内訳書

譲渡所得の内訳書とは、確定申告書付表兼計算明細書ともいわれる書類です。

不動産の売却によって得られる譲渡所得額を算出するための書類となります。

前述したように、不動産の売却代金から購入費用や売却にかかったコストなどを差し引き、譲渡所得があるかどうかの確認をしなければいけません。

譲渡所得が発生しているのであれば譲渡所得に対して、所有期間に合わせた所得税や住民税を確定申告時に納税します。

確定申告時には譲渡所得の内訳書により申告しなければいけません。

内訳書の記入を怠れば、譲渡所得に対する課税を申告していないことになりますので、最悪の場合、脱税とみなされる可能性もあります。

譲渡所得の内訳書は、国税庁のHPからダウンロードして取得可能です。

所在地、売却した不動産に関する情報、買主の情報や譲渡価格の記載や、減価償却の計算や売却時にかかった費用などから譲渡所得を算出して記載します。

確定申告を問題なく進めるには、譲渡所得の内訳書を正確に記載することがポイントです。

特に売却時にかかった費用をどこまで加算していいのかわからないという方も多いので、不動産会社や税理士などに確認しながら譲渡所得の内訳書を作成しましょう。

購入時・売却時の不動産売買契約書

不動産の譲渡所得に関する確定申告では、添付書類として、不動産売買契約書のコピーが必要になります。

不動産の売買契約書が必要な理由として、売買の価格や売買した日にちなどの確認が最も大きな理由です。

ここで注意しなければいけないのが、売却時の売買契約書だけではなく購入時の売買契約書が必要である点です。

売却時の売買契約書は、確定申告から長くても1年2カ月から1年3カ月程度しか時間が経過していません。

そのため比較的すぐに見つかりますし、保管場所をきちんと把握しているので紛失している可能性は低いケースが多いといえます。

見つからなくて困るのが購入時の売買契約書です。

不動産を購入してから長い時間が経過していると、売買契約書を紛失している可能性も考えられます。

購入時の価格がわからなければ、売却価格から差し引けません。

つまり譲渡所得が増えてしまうので、課税額が高額になります。

売却時の売買契約書だけではなく、購入時の契約書もきちんと保管しておき、確定申告時には準備しておきましょう。

登記事項証明書

マイホームなどの売却において、後述する特例を利用したいときなどに必要なのが登記事項証明書です。

登記事項証明書は別名登記簿とも呼ばれており、法務局で取得することができます。

登記事項証明書には、不動産のある住所や広さ、所有権やその他権利の有無などが記載されています。

以前は法務局に出向いて取得する必要がありましたが、近年では法務局のオンラインシステムで取得することも可能です。

取引を行った不動産会社に依頼すると、費用はかかりますがオンラインで取得してくれるかもしれませんので一度確認してみましょう。

仲介手数料などの領収書

譲渡所得を算出する場合、不動産の売却にかかるコストを差し引きできます。

仲介手数料や解体費用、立ち退きが必要だった場合は、売却時に必要なコストとして譲渡所得から差し引けますので、売却にかかったコストが多ければ多い程、譲渡所得額を抑えられるでしょう。

しかし、かかった費用に関する証明として、不動産売却時に支払った手数料の領収書などが必要です。

これらの領収書がなければ、不動産売却にかかったコストとして認められない場合があります。

不動産売却にかかった手数料などの領収書は必ず保管しておき、確定申告時に提出できるように準備しておかなければいけません。

領収書は原本ではなくコピーでの提出で構いません。

これらの領収書もきちんと保管しておきましょう。

確定申告で必要なさまざまな金額の計算方法

不動産売却時に確定申告が必要な場合は、譲渡所得が発生した場合です。

また、譲渡所得額を算出するための取得費や減価償却費などさまざまな計算が必要になります。

給与所得者などは、確定申告の経験があまりない上に、不動産売却による確定申告が初めてだった場合、戸惑うことも多いのではないでしょうか?

確定申告には期限があり2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります。

つまり確定申告における計算方法をきちんと理解しておかなければ、確定申告に間に合わず、追徴課税ということにもなりかねません。

また、確定申告をあせって行ってしまったため、本来差し引ける経費が差し引けなかったといったケースも考えられます。

ここからは、さまざまな金額の計算方法について詳しく解説します。

課税譲渡所得の計算

まずは、何度か繰り返していますが不動産売却において確定申告が必要な場合は、譲渡所得が発生した場合です。

不動産売却によって利益が出た場合は、利益が出た所得に対して、所得税や住民税が課税されます。

まずは、不動産を売却したことによって利益が出たかどうかを確認しなければいけません。

課税譲渡所得の計算方法は下記の通りです。

課税譲渡所得=不動産を売却した価格-(購入価格+取得費+譲渡費用)

課税譲渡所得がプラスの場合は、プラスの部分に対して所得税や住民税が課税されます。

課税譲渡所得がマイナスの場合は、所得税や住民税がかかりません。

つまり、課税譲渡所得を抑えるためには、不動産の購入や売却にかかった費用を確定申告時に計上する必要があります。

確定申告時に良くありがちなのが、取得費の中に経費として計上できるものを計上していないケースです。

次の項目で取得費について、詳しく解説します。

取得費とは

取得費とは、購入した価格や、購入時に支払った経費のことを指します。

一般的に購入費として計上できる項目は下記の通りです。

  • 不動産の購入代金や建物の建築代金
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 仲介手数料
  • 測量費
  • 解体費
  • 一定の借入利息

などが主だった取得費として挙げられます。

これらは、課税所得の計算において差し引きできるコストとなりますので、全ての経費をきちんと計上しなければいけません。

計上しないと確定申告ができないというわけではなく、課税所得が高い状態で確定申告することになります。

また、これらの費用がかかったことの証明として、仲介手数料などの手数料関係は領収書の控えを準備しておきましょう。

不動産取得税などの税金関係に関しては、納税証明書などのコピーを準備しておくと取得費として計上できます。

取得費に計上できるかどうかよくわからない費用に関しては、購入や売却に関わった不動産会社や、税理士などに問い合わせると良いでしょう。

減価償却費について

先ほど、取得費の中で建物の建築代金が取得費として計上できることを解説しました。

では、建物の建築代金が3,000万円だった場合、3,000万円が取得費として計上できるかというと建築代金全額を計上できるわけではありません。

建物は築年数の経過によって価値がだんだん下がっていくとみなされ、新築時の価格から経年により価値が落ちた分を差し引く必要があります。

この建物が下がった価値を算出するのに必要なのが減価償却費です。

同じ不動産でも土地に関しては、経年によって価値が下がらないとされており、減価償却を行う必要はありません。

建物の減価償却費を用いて価値を算出する計算式は下記の通りです。

建物購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

これは、定額法を用いた計算になり、償却率は建物の構造によって変わります。

このような計算を用いて取得費を算出しなければいけません。

減価償却費を用いた取得費の算出は、一般の人にはピンとこない計算式かもしれませんので、きちんと理解して正しい取得費を計上しましょう。

土地と建物の価格内訳が不明な場合

減価償却も含む取得費の計算について解説してきましたが、ここまでの計算方法は前提として購入費用がわかっていなければいけません。

先ほど、不動産売却後の確定申告に必要な書類で購入時、売却時の売買契約書が必要と説明しました。

しかし、購入時の売買契約書を紛失してしまい、土地と建物の価格内訳が不明な場合があります。

では購入時の土地や建物の価格がわからない場合は、取得費として差し引くことができないのでしょうか。

もし、購入時の売買契約書を紛失してしまい、不動産の価格がわからない場合は、不動産を売却した価格の5%を取得費として差し引くことができます。

3,000万円で売却した場合、取得費が不明の場合は5%の600万円を取得費として差し引くことが可能です。

価格が不明でも売却価格の5%が差し引けますが、やはり購入価格はきちんと理解しておかなければいけません。

一般的に購入した不動産を売却する場合、売却時の5%以上の価格で購入するケースがほとんどだからです。

購入価格が不明でも売却価格の5%は取得費として計上できると理解しておきましょう。

譲渡費用とは

譲渡費用とは、不動産を売却した時にかかった費用のことを指します。

不動産売却時にかかった譲渡費用を計上できる主な項目は下記の通りです。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 立ち退き料
  • 解体費

などが挙げられます。

不動産の購入時にかかったコストである取得費と大きな違いはありませんので、取得費同様、領収書や納税証明書のコピーが必要です。

こちらも譲渡所得を抑えるために、しっかりと計上しておかなければ、課税所得を抑えることができませんので注意しましょう。

特別控除とは

売却した不動産がマイホームなど自分たちの居住の用に供していた場合、所有期間に関係なく3,000万円の特別控除の適用が受けられます。

先ほど課税所得の計算式を解説しましたが、課税所得が出たとしても最大3,000万円が控除できる特例です。

マイホームなどの売却においては、譲渡所得が3,000万円以下ならば、譲渡所得に対する課税はありません、

非常にメリットが大きい特例といえるでしょう。

注意点は、特別控除を利用する場合は、確定申告しなければいけないという点です。

3,000万円の特別控除は、何もしなくて利用できるわけではありません。

確定申告した上で譲渡所得がないことや、課税所得が低くなることを証明する必要があります。

税額の計算

譲渡所得に関する税率は、売却した不動産をどの程度所有していたのかによって大きく異なる点なります。

売却した年の1月1日時点で、不動産の所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得となり税率が異なります。

譲渡所得における譲渡期間ごとの税率は下記の通りです。

 譲渡所得に関する税率は、売却した不動産をどの程度所有していたのかによって大きく異なる点も特徴といえるでしょう。

売却した年の1月1日時点で不動産の所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得となり税率が異なります。

譲渡所得における譲渡期間ごとの税率は下記の通りです。

引用:国税庁「暮らしの税情報

短期譲渡所得の場合、39%もの税金を納税する必要があることがわかります。

譲渡所得税は、不動産売却時に大きな税額となる場合がありますので、不動産を売却する前に確認しておくと良いでしょう。

所有期間に関する注意点

所有期間に対して注意しなければいけない点があります。

前述しましたが、売却した年の1月1日時点で所有していると判断します。

例えば、その年の12月に売却できたとしても1月1日時点までが所有期間ですので1年近く所有期間が短くなるのです。

課税所得の税額は、長期譲渡所得か短期譲渡所得かで税率が大きく異なります。

売却した日付ではなく、売却した年の1月1日までが所有期間ということは必ず覚えておく必要があるポイントです。

税金の計算に関するシミュレーション

ここからは実際に不動産の売却を行った場合の課税所得がどの程度かかるのかといった点についてシミュレーションしてみましょう。

条件は以下の通りです

  • 所有年数7年のマイホーム
  • 取得費は3,000万円(建物2,000万円、土地1,000万円)で購入
  • 7,000万円で売却した
  • 建物の減価償却が1,000万円
  • 譲渡費用500万円

特例の選択

まずは特例を選択しなければいけません。

マイホームを売却する場合、特別控除の3,000万円か10年以上マイホームを所有している場合、税率が軽減されます。

軽減税率は下記の通りです。

引用:国税庁「暮らしの税情報

今回のシミュレーションでは、所有期間が7年ですので10年以上のマイホーム軽減税率は利用できません。

そのため、3,000万円の特別控除を選択しましょう。

課税譲渡所得の計算

これらの情報を基に課税所得額を算出します。

7,000万円(売却価格)-(3,000万円(購入価格)-1,000万円(減価償却費))-500万円(譲渡費用)-3,000万円(特別控除)=1,500万円(課税譲渡所得)

となり、特別控除を加味したとしても1,500万円が譲渡所得となり課税対象です。

税額の計算

所有期間は7年でしたので長期譲渡所得となります。

長期譲渡所得の場合、所得税が15%、住民税が5%の上、復興特別支援税を0.315%課税しなければいけません。

長期譲渡所得の税率は合計で20.315%となり、譲渡所所得に課税します。

今回のシミュレーションでは、

1,500万円×20.315%=3,047,250円

が長期譲渡所得に対する課税額です。

意外と安い?税理士に相談してみよう

上記で税額をシミュレーションしましたが、税額をどのように受け止めたでしょうか?

意外と安いのではないかと考えるかもしれません。

さらに、さまざまな計算をしなければいけませんので非常にややこしいと感じる人も多かったのではないでしょうか。

特にサラリーマンなどの給与所得者は、確定申告に不慣れです。

その計算方法が非常にややこしく、なかなか全部覚えることは難しいと思う人も多いでしょう。

特に、購入時の不動産を建物の場合は減価償却の必要性があり、特例控除か所有期間10年超の軽減税率のどちらかを選択しなければいけません。

どちらが得なのかわからないという人や計算に自信がない人などは税理士に相談するのも方法のひとつといえます。

税理士は税務のプロですので、確定申告を依頼することにより、きちんと費用を計上し課税所得を抑える働きを担います。

税理士に依頼することになると気になるのが報酬面ではないでしょうか。

税理士報酬が高ければ、折角、間違いなく計上できたのに、税理士報酬で逆に支出が多かったとなる可能性も考えられます。

しかし、実は税理士報酬はそう高くはありません。

最大かかったとしても10万円程度の報酬で済みます。

期限に追われてしまわないように税理士に依頼するのも効果的な方法のひとつです。

期限内に全額納付できない時はどうすれば良い?

確定申告の期限内に税金を納付できない場合は、どのような措置を取られることになるのでしょうか?

基本的に国税を確定申告の期限内に納付しなかった場合、納付できるまでに延滞税が加算されます。

しかしどうしても納付が難しい事情を、税務署に申請し受理されると、財産の売却や差押えといった手続きを猶予することが可能です。

原則としては1年以内の猶予期間が設けられますので、その間に納税の目途を建てる必要があります。

また、分割しての納税も可能ですが、こちらも税務署の承認が必要です。

1年間猶予した場合でも軽減されるとはいえ年間0.9%延滞税が発生しますので確定申告時に全額納付できるよう前もって対策しておきましょう。

まとめ

確定申告は給与所得者の場合、ほとんど経験がないでしょうから、早めに対応しなければ確定申告の時期を逃してしまう可能性も考えられます。

特に、不動産売却に関しては、確定申告が必要なケースと必要ではないケースがありますので、事前に確認しておきましょう。

譲渡所得が発生するかどうか?

特別控除や10年以上不動産を所有していることに対する軽減税率が使えるのかといった点を確認する必要があります。

不動産売却に関わった不動産会社や税理士などに事前確認してアドバイスを求めることがおすすめです。

また、必要書類なども確定申告に慣れていないため、収集に時間がかかるかもしれません。

自分なりにスケジュールを組んで期限内に確定申告ができるように準備しておきましょう。

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