【転職・転科】医局を辞める方法|後悔しないために心がける事とは

医師転職

医局を辞める。それは決して簡単な決断ではありません。真剣に退局を考えている方々には、そこに至るまでのさまざまな理由や事情があるでしょう。では、本格的な転職活動に向けて情報収集を始めるにあたり、心がけておくべきこととは何でしょうか?

この記事では、医局を辞める理由、退局に伴うメリットやデメリット、医局を辞める際の注意点などについてご紹介します。ぜひご一読ください。

医局を辞める前に考えたいこと

医局を辞める前に、考えるべきことが3つあります。

1つ目は、なぜ医局を辞めたいのかというその理由です。家族の都合や待遇面での不満、人間関係の悩み、新たに勉強したい領域が出てきたなど、いろいろな事情が考えられます。2つ目に考えるべきことは、医局を辞めるメリット、そしてデメリットです。医局を辞めることはメリットだけではなくデメリットもあります。3つ目に考えるべきことは、医局を辞めるタイミングです。円満な退局に向けてタイミングは重要です。

この3つについては、後々後悔しないためにも、転職活動をスタートする前にじっくりと考えて整理した上で、医局を辞めることを決断する必要があります。

医局を辞める理由

まずは、医師が医局を辞める理由について、いくつか見ていきましょう。

転勤が多い

医局から系列の病院等に派遣されての転勤が繰り返されると、腰を据えて生活基盤を構築することが困難になり、結婚や出産、子育てといったライフイベントに影響します。また、キャリアの形成、たとえば地域医療に志がある医師にとって、一箇所に腰を据えて経験を積んでいく上で、転勤は大きな障害となります。

勤務負担が大きい

土日や休日出勤、当直勤務が多いなどの理由で、なかなか休みがとれず職場に拘束される時間が長くなります。当直明けの連続勤務、さらに休日もオンコール対応などの状況が続くと、精神的にも肉体的にも疲労は増大します。

給与や待遇に不満がある

一般的に、大学病院勤めの医師の給与水準は、他の勤務医や開業医に比べて低い傾向にあります。そのため、より収入を安定させるために外でアルバイトをする医師は珍しくありません。

人間関係の悩み

医局には多数の医師が属しており、その中の上下関係や派閥に気を配りながら人間関係を築いていく必要があります。特に、別の大学から入局してくる医師の場合、既存の人間関係に入り込めず苦労することがあります。医局での人間関係は、将来的な昇進の可能性にも影響を及しかねません。

また、患者との人間関係が深刻な悩みの種となることも少なくありません。

キャリアアップの機会が不十分

多くの医師が在籍する一方で、患者数が限られている大学病院では、一人の医師が担当できるオペ数も限られているため、経験や専門性を深める上での障害となりえます。また、診察以外の研究業務にも時間を取られることになります。

逆に、別の科に転科して専門外の領域でも経験を積みたい、臨床医以外で働く道を模索したいなどと考える医師にとって、今の医局ではその可能性が見込めない場合もあります。

上記以外にも、医局を辞める理由は他にもいろいろ考えられます。自分に該当するのは何か、突き詰めて考えてみることをお勧めします。

医局を辞めるメリットとデメリット

医局を辞めるメリット、デメリットとして、どんなことが考えられるでしょうか? まずはメリットから見ていきます。

メリットその1. 医局人事から解放される

頻繁な転勤や突然の異動など、それまでの医局人事から解放されます。このため、結婚や子育て、親御さんの介護など、ライフイベントにより柔軟に対応できるようになるとともに、キャリアプランもより自由に立てやすくなります。

メリットその2. 所得・待遇が向上する

転職先との条件交渉の結果次第で、一般的に給与水準が低いといわれる大学病院で働いていた頃よりも、より経験やスキル、業務量に見合った所得や待遇が得られるようになります。

メリットその3. 煩わしい人間関係から解放される

医局内、あるいは患者との複雑な人間関係から解放され、精神的なストレスが軽減されます。

メリットその4. 希望の領域でキャリアアップ・スキルアップが実現する

研究業務が減り、担当オペの回数が増えるなどで、現場経験を積んで専門性を高める機会が多くなります。転職を通じて他の専門科に転科する、あるいは将来的な開業を見据えた働き方に切り替えるなどの希望を実現させる人もいます。

残念ながら、医局を抜けることで被るデメリットも確実に存在します。後で後悔することがないよう、こうしたデメリットは、前もってきちんと認識しておく必要があります。

デメリットその1. 学位取得の機会を失う

医学博士の学位や、その医局で取得可能な専門医の資格を得る機会、また教授職への昇進の道が閉ざされることになります。

デメリットその2. 研究を続けたい医師にはマイナスに働く可能性も

大学病院は多くの希少な症例に触れ、研究に時間を割いて論文発表をしていく上で、メリットの多い環境です。それ以外の病院では、臨床経験が増える分、研究に割く時間が減る可能性もあります。

デメリットその3. 海外留学への道が絶たれる

日本の医師免許は外国では使用できないため、留学の際は医局の教授がもつ人脈を利用して、現地の研究機関に所属することが多いです。医局を辞めると、そうした人脈が利用できなくなり、留学への扉が閉ざされてしまいます。

医局を辞めるタイミング

医局を辞めるうえで最適なタイミングとは、どのような時でしょうか?

ご家族の事情に変化が起こった場合は、1つのタイミングの到来といえます。たとえば、「配偶者の転勤で引っ越すことになった」などの理由は、医局に切り出しやすい内容です。なお、医局を辞めることは、ご家族の人生にも影響を及ぼしかねない決断ですから、きちんとした理解が得られるよう努めましょう。

医局を辞めるタイミングの見極め方については、医局を取り巻く状況をよく読み取ることが肝心です。「今切り出すのは得策ではない」といえるタイミングがあるからです。

たとえば、教授の交代などで旧体制から新体制に移行する時期。いろいろな物事が不透明かつ流動的で雑務が増えるため、誰かの退職によって穴が開くと、残されたスタッフへの負荷がかかり、周囲の反発を買いやすくなります。

医局人事が定まった時期に退職を切り出すことも、新たに作られた秩序を乱すことになり、円満退職から遠のいてしまいます。また、転職先が決まってからギリギリのタイミングで退局を切り出すのも避けましょう。

上司に相談して理解やアドバイスを得、引き継ぎに十分な時間をかけるなどの事前の根回しが、より円満な退局への足固めとなります。

医局を辞めるときの一連の流れ

医局を辞めるにあたり、ただ闇雲に情報収集からスタートすればよい、というものではあなく、踏むべき一連のプロセス、というものがあります。そうした流れをきちんと踏むことで、より円滑に退職・転職活動を進めることができます。

どんなステップが必要になるでしょうか? 1つひとつご紹介させていただきますので、少しでも円満に退局できるよう、今後のために役立てていただければ幸いです。

医師向けの転職サイト・転職エージェントに登録する

転職活動の第一歩としておすすめなのが、複数の医師向けの転職サイトや転職エージェントへの登録です。こうした転職サービスを通じて業界の動向を把握した上で、情報収集がしやすくなります。

転職エージェントでは、転職のプロであるコンサルタントに悩みや疑問について相談し、アドバイスを受けることで、転職活動を実行に移しやすくなります。

面接の指導や応募書類の添削を受けられるほか、優良な非公開求人、また求人情報には載っていない情報についても話を聞くことができます。転職先との条件交渉や面接・入社の日程調整なども代行してくれます。

数々のメリットがある一方で、デメリットもあります。

コンサルタントによっては、業界の実情にあまり通じておらず、経験不足だったりする場合があります。担当者のレスポンスが遅い場合も要注意です。逆にサービスそのものが転職活動の足かせとなり、あなたのストレスが溜まる一方です。

より気軽に情報収集がしたい場合は転職サイトへの登録がおすすめです。転職サイトでは自分のペースに合わせて求人をチェックしたり応募したりできます。

転職サイトや転職エージェントについては後述しますが、医師の大半が登録していると言われるエムスリーグループの転職サービスがコンサルタントも活用できて自分でも求人検索ができるのでまずは登録してみましょう。

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医局長や上司に相談する

タイミングを見計らって、医局長や上司に相談しましょう。後任人事をどうするかなど、医局側の都合もあるので、なるべく早めに切り出すことをお勧めします。特に教授が交代する旧体制から新体制への移行時期はすべてが流動的になりがちなので、相談するにはあまり良い時期とはいえません。

相談のタイミングが急すぎる場合、「後任が決まるまでまってほしい」などと強い引き留めにあう状況に発展する恐れがあります。下手をすると、医局側の事情を慮って退職の時期がずるずると先延ばしになり、せっかく決まった次の転職も流れてしまいかねないので、それは避けたいところです

敢えて医局との関係を断つ、という考え方もありますが、医局や教授が外部に与える影響力や今後も遭遇する可能性などを考えると、なるべく円満な退局に持っていって、退局後も穏便な関係を維持していくことが得策です。理解を得られるまで、忍耐強く話し合いを重ねていきましょう。

教授にメールで退局の意志を伝え、面談をする

最後に、教授にメールで退局の意思を伝え、面談のアポを取りましょう。

教授との面談においては、十中八九、引き留めにあうでしょう。その際は、はっきりと退局の意志が固いことを伝えることが肝心です。あやふやな理由ではなく、また後々つじつま合わせに困るような嘘でもなく、新しい病院でより現場を経験したい、配偶者の転勤についていきたい、育児に専念したいなど、きちんと自分の考えをのべましょう。

退局理由とともに、今後のキャリアパスの予定についても伝えておくこと。次の就職先が決まっている場合はその旨を話すことで、仮に引き止めにあっても、もはや退局の意志は硬いことを伝える上で有効です。

また、医局で自分が抱えている問題点についても述べましょう。医局に関して普段から感じるところを伝え、改善が必要であることを匂わすことができます。

最後は、これまでお世話になったことに感謝を述べ、きちんとあいさつをして終わりましょう。

円満に医局を辞めるために心がけたいポイント5つ

次に、円満に医局を辞めるために、転職活動で心がけておくべきポイントを5つ、ご紹介します。

第一に、退局については、半年以上の猶予を持って辞めることを伝えること。第二に、周囲の共感を得られる理由を考えること。第三に、これまで退局した医師について情報収集をしておくこと。第四に、自発的に退局を進めること。そして最後に、医療業界は狭いということを理解しておくことです。

それでは、一つひとつ見ていきましょう。

半年以上の猶予を持って辞めることを伝える

円満退職の第一のポイントは、なるべく早めに退局の意思を伝えることです。

ギリギリのタイミングで退職の意思を伝えることは得策ではありません。医局もひとつの組織であり、人事上の都合があります。そのため、次の医局人事が固まるよりも早い段階で、医局長、教授に退局の意志を伝えましょう。人材の流出は管理能力を問われる事態です。少しでも余裕を持って動くことで、相手に各方面への調整の時間を与えることができます。

大勢の医師が所属するとはいえ、誰かが抜けることで空く穴を埋めには時間がかかるもの。医局内で重要な役割を負っている場合、影響は広範囲に及ぶことが予想されます。できれば一年以上、遅くても半年前までには伝えるようにしましょう。

周囲から共感してもらえる理由を考える

退局の意思を伝える際、どんな理由にせよ、相手の共感を得られるよう、きちんとポイントを整理しておきましょう。

「配偶者の転勤に伴い、引越しすることになった」「高齢の親の介護をするために、故郷に戻る」「地域医療で経験を積みたいので、一般病院への転職を決めた」など、ポジティブかつ撤回の意思がない、あるいは医局側の調整ではどうすることもできない状況が明確に伝わる理由を述べることが、対応としては理想的です。

逆に、周囲からの共感を得づらい理由とは何でしょうか? それは、ネガティブな本音が含まれる理由です。「仕事がきつくて辛いから辞めたい」「人間関係に疲れたので、心機一転したい」「業務量と給与の釣り合いが取れない」など、正直に本心を語っても、相手にはただの不満としか受け取られず、逆に「改善を検討するから残ってほしい」などと撤回を求められる方向へと流れかねませんので、注意が必要です。

今まで退局した医師の情報収集をする

医局が抱える状況はそれぞれ異なるため、医局を辞めたいという医師に対する教授の対応もまた、医局により異なることが予測されます。そんな時に参考になるのが、過去に辞めていった医師たちの情報です。

何が原因で、どんな理由で退局したのか? その医師が退局の意志を伝えた際、教授や医局の反応、対応はどうだったのか? 円満な退職だったのか、それとも関係修復が難しい状況で去っていったのか? 当時の事情を知っている関係者にヒアリングして情報収集しましょう。

できれば、その医師に直に連絡をとり、事情を聞くことが一番です。その医師が抱えていた課題や不満など、状況をよりくわしく把握できるとともに、去り際の対応について、有意義なアドバイスを得られる可能性があります。

自発的に退局の準備を進める

繰り返しになりますが、医局からの人材流出は、教授にとっては管理能力を問われる事態であり、医局としても何のメリットもありません。そのため、思い切って退局を切り出しても教授に慰留される、またいったん上司に話をしても、その上の教授にはなかなか話が伝わらず状況が進展しない、等といった事態も想定されます。

しかし、すでに医局側に退職の意志を伝えたのであれば、今後やるべきことは、自発性をもって退局の準備を進めることです。後任への引き続きに向けて準備を進めておく一方で、状況を打開するために、転職エージェントのコンサルタントにアドバイスを求める、転職先の上司に相談するなど、能動的に動くことが肝心です。

医療業界は狭いということを理解しておく

医局を退職したからといって、今までの人間関係すべてから解放されるわけではありません。医療業界は狭い世界であることを心得ておきましょう。

同じ科で働き続ける場合、学会などの研究発表の場で、前職の関係者と遭遇する可能性があります。

また、次の職場に、前職の知人が転職してくることも予想されます。前職での勤務態度などに問題があった場合、転職先にその内容が伝わると、今後の勤務にマイナスの影響を及ぼしかねません。

そのためにも、退局するまでの人間関係には気を遣いましょう。関係各所にあいさつを済ませる。後任への引き継ぎはしっかりと行う。担当する患者に転職する旨を伝えて、次の担当医師に引き継ぐ、などの心遣いが、円満退職に繋がります。

医局を辞めるときに登録しておきたい転職サイト・転職エージェント3選

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医師が医局を辞めるときは円満退職を目指そう

以上、医局を辞めるためのポイントについてさまざまな面からご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

医局を辞めたいと思った時には、今後の人間関係やキャリア形成への影響も考慮して、なるべく円満に退職することが転職成功の秘訣です。転職活動の際は、本記事でご紹介したポイントが役立ちますので、ぜひご参考にしてください。

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